男装女子はなぜかBLの攻めポジ

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26

文字の大きさ
108 / 149
二学期

黙って消えるなよ

しおりを挟む
 僕はすっかり気を抜いてたに違いない。ドアの向こうに和也が居るなんて思わないじゃないか。

「…和也、どうして…。授業は…。」

 和也はこっちに歩いてくると、僕の手を掴んで部屋に引き込んだ。そして僕の両腕を掴むと口を開いた。

「どうしてって、それはこっちの話だろ?うーちゃん、もしかしてこっそり家に帰ろうとしてた?俺に一言もなく?…俺、フラれたってこと?」

 和也の悲しそうな顔を見て、僕は堰き止めていたあれこれが、もう堪えられなくて決壊してしまった。


 「そうだよっ!僕はここから逃げようとしたんだ。これ以上僕がここに居たら、お前たちを今みたいに傷つけるばかりで、僕自分の事嫌いになるばかりなんだ。もう、訳わかんないんだよ。健斗も帰ってくるし、もう僕はここに戻らないつもりだったんだ。僕は卑怯者なんだっ!」

 和也は眉間に皺を寄せて黙って僕のいうことを聞いていたけれど、ぼそっと言った。

「俺、そんなにうーちゃん困らせてたんだな…。悪い。俺ちょっとうねぼれてたんだよ。うーちゃん、俺のことちょっとは好きなんじゃないかって。酷い勘違いしてたみたいだ。悪い、俺行くわ。」

 和也は泣きそうな顔で笑うと、僕の腕からだらりと腕を離して俺の横を通ってドアに歩いていった。


 僕はドキドキと心臓が破裂しそうになって、気がついたら和也の背中に抱きついていた。

「…うーちゃん。同情は要らないから。…離して。」

「…行かないで。今行ったら、もう二度とキスさせないから。」

 和也は身体を強張らせると、振り返って僕の腕をそっと外した。僕は、もう和也は僕を許す気がないんだと凄く悲しくなって、えぐえぐと涙が止まらなくなった。

 和也は僕をぎゅっと抱きしめると、僕の頭の上でため息をついて言った。


 「あーあ、こんなに自分の気持ちも分かんない鈍感な奴って、居ないんじゃない?うーちゃん、俺のこと好きでしょ?もうさ、好きでいいよ。うーちゃんは俺のことが好き。俺はうーちゃんが好き。これ以上何があるの?あいつら?でも俺、うーちゃんの中で一番好かれてる自信あるよ。

 もう、色々考えるのやめよう。単純にいこう。うーちゃんは複雑に考えるととんでもない答え出すからさ、もう俺が決めてやるよ。うーちゃん、好きだ。うーちゃんも俺が好きだ。ね?」

 僕は和也の嬉しそうな顔を見上げて、気づかないうちに言葉がこぼれ落ちた。


「うん。僕、和也が好き。大好き。」
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

処理中です...