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楽しい郊外演習

宿泊の夜

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「皆、初めての演習はどうだったかな?多少の怪我人はでたものの、脱落者が出なかったのは幸いだった。前半の一番はチーム[幸運のダンジョン]だ。

かつてないスピードで宿泊地への到達を果たした。おめでとう。明日は到着順に時間差もそのままに出立とする。「幸運のダンジョン」はかなり時間差があるので、スタートは朝の6時とする。他のチームはここに貼り出しておくのでよく見るように。」


そう先生が言うと、それぞれのチームは自分達のテントへとガヤガヤと戻って行った。遅れて到着したチームは、これから食事を作るところもあるようだ。

酷く疲れ切った顔で、トボトボとテントへ向かう姿を見るのは何だか可哀想だった。僕はマジックバックから、ぎっしりタネが詰まった麻袋を引っ張り出すと、テディに尋ねた。


「ねぇ、さっきのおやつに食べたお菓子の袋持ってる?」

テディはキョトンとして、自分の荷物から袋を取り出した。

「…あるけど、空っぽだよ。さっき丘で食べちゃっただろう?」

僕は空っぽの袋を覗き込むと指を底に突き入れて舐めてみた。案の定、お菓子に沢山ついていた甘い粉が結構残っていた。僕はその袋の中にタネをザラザラと入れると、入り口を縛った。


何が始まるのかと興味津々な僕のチームと、隣に設営して食事を始めたバートのチームがチラチラと見ていた。僕はギャラリーににっこり笑って言った。

「さぁ、タネも仕掛けもありません。この袋から沢山の元気の素が出てきますよ~?」

そう言って、熱くなったかまどの上の鉄板に、そっとその袋を置いた。


皆の視線がその袋に集まると、僕はケルビンの耳元で「パンっ!」と叫んだ。びっくりして飛び上ったケルビンに捕まって笑っていると、袋の中から子気味いい弾ける音が聞こえてきた。

「パン、パ、パン、パンパパ、パ、パン…。」

辺りに響き渡るその音に暇な生徒たちや先生が集まってきた。気づくと、バートがケルビンから僕を引き剥がして、尋ねてきた。

「今度は何をやらかしてるんだ?パトリック。」


僕は、ぱんぱんに膨らんだ熱くなった袋を手袋をはめて引きずり下ろすと、キョロキョロして、まだ食事の支度に忙しいチームの所へ走って行った。

僕が持ってきた袋を疲れた顔で見た生徒たちに、何か入れ物を出すように言うと、僕はお皿にザラザラと中身を開けた。そう、これは元気の出るやばい粉のついたポップコーンだったんだ。

「これ食べてから作業すると捗るよ?頑張って!」

そう言ってにっこり笑うと、別の遅れていたチームにも配ったんだ。腹が減っては戦はできぬから、ね?



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