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引き寄せられる運命
目の前の招待状
自分の部屋で、私は一通の招待状を目の前にぼんやりとしていた。衝撃的なお父様から聞いたヴィンセントの話は、私にはまるで真実味のないものだった。それを受け止めるには、私はあまりにも何も知らなかった。
王弟…、そう聞かされても私にはまるで別世界の話の様だった。現在の王が戴冠した日のことは覚えている。あれは確か11歳の時で、まだ幼い4歳の弟アンソニーと王都の戴冠パレードを観に行きたいと、随分両親に強請った覚えがある。
結局パレードは観に行けなかったけれど、特別な晩餐会を開いてお祝いをしたのだった。あの時来ていた学院へ通うお姉様たちが、王弟の事を噂していたのを覚えている。私にとっては、王弟の認識はそれくらいのものだった。
まさかあの仮面祭りの相手が王弟だったなんて。私は招待状の隣に置いてあるビロード張りの美しい箱を手に取ってそっと開けた。そこには美しい細工のエメラルドの耳飾りが二つ並んでいた。
『私がヴィンセント様からお前宛に預かったものだ。この招待を是非受けてほしいとのことだった。その際にはこの耳飾りを是非つけて欲しいと仰っていたよ。
お前の美しい瞳によく映えるだろうね。…私もお前の母親に初めて贈った装飾品もやはりエメラルドだったよ。お前が結婚する時に渡すつもりでしまってあったが、近いうちに渡せる日も来るだろう。それがどんなに嬉しいことか。』
私は喜ぶお父様に自分の複雑な気持ちを伝えることが出来なくて、逃げる様に伯爵家を後にしたのだった。家に帰ってじっくりと考えたかった。これがどう言うことになるのかよく考えなくてはならない。私だけの問題ではなく、テオの事が一番の気掛かりだったからだ。
私と王弟が会ったあの仮面祭りの時、彼は31歳で、私は20歳と言い張った17歳だった。もう二度と会わないと言われた時も、結局ヴィンセントは私の本当の歳を知らずにいたんだわ。私たちはこうしてみると随分と年齢が離れている。
そんな私たちが顔を合わせても何があると言うのだろう。結局あの時言った通り、私たちは数時間一緒に居ただけの赤の他人と変わらない。私はヴィンセントを何も知らない。…あの逞しい身体以外は。
私はネグリジェのまま子供部屋へと足を運んだ。ドアを開くと、ぼんやりとしたオレンジ色の灯りの中で、テオの柔らかな黒い巻毛が掛け物から覗いていた。息を殺して近づくと、長い睫毛の影をぷっくりした頬に落として、ぐっすり眠っていた。
私はベッドに跪いて、そっとテオの髪を何度か指ですいた。私と同じ、指で伸ばしてもふわりと巻いて戻る黒髪は、大人になると煩わしくなるのだろうか。それとも雄々しい神々の様に令嬢たちを虜にするのだろうか。
ふいにヴィンセントの月の様な淡い色の金髪が思い出された。あの夜私はあの短い髪を指の間に添わして、快感に投げ出されない様に握りしめたのだった。突然蘇ったその一瞬に、私は思わず立ち上がってそっとテオの部屋を出て後ろ手で扉を閉めた。
部屋に戻ると、私はビロードの箱を引き出しにしまうと招待状をもう一度広げた。何度見ても、1週間後の王弟の屋敷での晩餐会の招待状だった。少し癖のある文字で二人だけで話がしたいと追記があって、それは初めて見るヴィンセントの筆跡だった。私たちは相手の書く文字も知らない。本当に何も知らない相手なのだ。
なのに二人には子供が居て、しかもそれは奇跡の子供…。私は自分のお腹にヴィンセントが白濁を飛ばしたのを覚えていた。子種を私の中に出さなかったのにテオは生まれた。それは確かに奇跡の様なものだろうから。
妊娠が発覚した17歳のあの時、何も知らない私が泣きながらキース医師に尋ねた事を思い出した。
『彼は私の中には…、お腹の上に子種を…。』
するとキース医師は、私の手を握って言った。
『エリザベス、女性に準備が出来ている時は、完全に子供を授からない様にする事は無理なんだ。それは触れない事でしか避けられない。非常に珍しい事ではあるけどね、ない事では無いんだよ。神様がそうしたのならそれは奇跡の子供だ。』
その時私は神様がする事には罰を与える事もあるのだと、さめざめと泣いてばかりだった。けれども、テオをこの手に抱いた瞬間、私は神様の起こした奇跡に感謝したのは覚えている。美しい赤ん坊は私に笑顔を与えてくれた。
もっともその後お母様の死と産後疲れが重なって、私は酷く痩せて神経症一歩手前だった。アンソニーは時々赤ん坊と遊んでいた様だったけれど、私の所へは怖がってやって来なかった。
今考えれば、ほんの9歳だったアンソニーは母親を亡くして直ぐだと言うのに、姉の私も青ざめて横になっている状況に恐怖しか感じなかっただろう。
結局私は皆に心配ばかりかけているとため息をついた。その事実は私の心を決めるのに十分だった。私は行くしかないのだろう。彼と話をするために。
王弟…、そう聞かされても私にはまるで別世界の話の様だった。現在の王が戴冠した日のことは覚えている。あれは確か11歳の時で、まだ幼い4歳の弟アンソニーと王都の戴冠パレードを観に行きたいと、随分両親に強請った覚えがある。
結局パレードは観に行けなかったけれど、特別な晩餐会を開いてお祝いをしたのだった。あの時来ていた学院へ通うお姉様たちが、王弟の事を噂していたのを覚えている。私にとっては、王弟の認識はそれくらいのものだった。
まさかあの仮面祭りの相手が王弟だったなんて。私は招待状の隣に置いてあるビロード張りの美しい箱を手に取ってそっと開けた。そこには美しい細工のエメラルドの耳飾りが二つ並んでいた。
『私がヴィンセント様からお前宛に預かったものだ。この招待を是非受けてほしいとのことだった。その際にはこの耳飾りを是非つけて欲しいと仰っていたよ。
お前の美しい瞳によく映えるだろうね。…私もお前の母親に初めて贈った装飾品もやはりエメラルドだったよ。お前が結婚する時に渡すつもりでしまってあったが、近いうちに渡せる日も来るだろう。それがどんなに嬉しいことか。』
私は喜ぶお父様に自分の複雑な気持ちを伝えることが出来なくて、逃げる様に伯爵家を後にしたのだった。家に帰ってじっくりと考えたかった。これがどう言うことになるのかよく考えなくてはならない。私だけの問題ではなく、テオの事が一番の気掛かりだったからだ。
私と王弟が会ったあの仮面祭りの時、彼は31歳で、私は20歳と言い張った17歳だった。もう二度と会わないと言われた時も、結局ヴィンセントは私の本当の歳を知らずにいたんだわ。私たちはこうしてみると随分と年齢が離れている。
そんな私たちが顔を合わせても何があると言うのだろう。結局あの時言った通り、私たちは数時間一緒に居ただけの赤の他人と変わらない。私はヴィンセントを何も知らない。…あの逞しい身体以外は。
私はネグリジェのまま子供部屋へと足を運んだ。ドアを開くと、ぼんやりとしたオレンジ色の灯りの中で、テオの柔らかな黒い巻毛が掛け物から覗いていた。息を殺して近づくと、長い睫毛の影をぷっくりした頬に落として、ぐっすり眠っていた。
私はベッドに跪いて、そっとテオの髪を何度か指ですいた。私と同じ、指で伸ばしてもふわりと巻いて戻る黒髪は、大人になると煩わしくなるのだろうか。それとも雄々しい神々の様に令嬢たちを虜にするのだろうか。
ふいにヴィンセントの月の様な淡い色の金髪が思い出された。あの夜私はあの短い髪を指の間に添わして、快感に投げ出されない様に握りしめたのだった。突然蘇ったその一瞬に、私は思わず立ち上がってそっとテオの部屋を出て後ろ手で扉を閉めた。
部屋に戻ると、私はビロードの箱を引き出しにしまうと招待状をもう一度広げた。何度見ても、1週間後の王弟の屋敷での晩餐会の招待状だった。少し癖のある文字で二人だけで話がしたいと追記があって、それは初めて見るヴィンセントの筆跡だった。私たちは相手の書く文字も知らない。本当に何も知らない相手なのだ。
なのに二人には子供が居て、しかもそれは奇跡の子供…。私は自分のお腹にヴィンセントが白濁を飛ばしたのを覚えていた。子種を私の中に出さなかったのにテオは生まれた。それは確かに奇跡の様なものだろうから。
妊娠が発覚した17歳のあの時、何も知らない私が泣きながらキース医師に尋ねた事を思い出した。
『彼は私の中には…、お腹の上に子種を…。』
するとキース医師は、私の手を握って言った。
『エリザベス、女性に準備が出来ている時は、完全に子供を授からない様にする事は無理なんだ。それは触れない事でしか避けられない。非常に珍しい事ではあるけどね、ない事では無いんだよ。神様がそうしたのならそれは奇跡の子供だ。』
その時私は神様がする事には罰を与える事もあるのだと、さめざめと泣いてばかりだった。けれども、テオをこの手に抱いた瞬間、私は神様の起こした奇跡に感謝したのは覚えている。美しい赤ん坊は私に笑顔を与えてくれた。
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⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。