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傲慢な男
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生徒会室でオーラを撒き散らしているタカをこっそり伺っている僕は、一体どんな顔をしていたら良いのか分からない。けれどもタカが僕に望むのは、書記としての過不足ない存在でしかないのはよく分かっているんだ。
結局僕は、彼の期待する様に立場をわきまえている、彼の取り巻きの一人に過ぎない。
タカ自身は、別に自分から望んで名門英明学園の生徒会長になった訳じゃないのが、また皮肉だ。英明学園の生徒会長ともなれば、将来に渡って人生でアドバンテージを得られるのは今までの伝統が教えてくれている。
それは学園の伝統である総投票で、本人の希望関係なく選ばれてしまう事からもそうだし、選ばれる様な人間はそもそも実力があるものだからだ。
結局、学園生徒の総意であるカリスマ的リーダーである剣崎貴正こと、タカは、圧倒的な人間だった。こんな人間がいるのかと振り返る様な、恵まれた190cm近いバランスの良い身体と運動能力、そして成績は上位5位以内を、この難関中高一貫校で入学の頃からキープし続けている。
一方でその端正な顔に滲む捻くれた性格が、またそれ故に支持をより強くさせるのだから、世の中は正しい事だけが是ではないと言うことなんだろう。
傲慢とも呼べるその言動は、普通の人間を怯えさせて、憧れさせた。僕も結局眉を顰めながらも、気が付けば中学の頃から同級生のタカの言動を追いかけ続けていた。そんな僕がどうして書記に選ばれたのかは全く持って不明だった。
だけど、副会長の安田から声が掛かった時は、びっくりするのと同時に学園に合格した時よりも嬉しかったのは間違いなかった。安田になぜ僕なのか尋ねても、タカが選んだからとしか言われなくて、いつ自分の気持ちが漏れ出すのかと怯える事になった。
それ程までに、僕はタカに盲信していたと言うか、恋心も含んで傾倒していたんだ。だから昨日タカから、僕の寮室に遊びに行くと一方的にメッセージが送られて来た時は、何か気に触ることをしてしまったのかと随分気に病んでしまった。
そのせいで、見るからに機嫌の良いタカが部屋に入るなり、僕を抱き寄せてキスして来た時には頭が真っ白になってしまった。僕が固まっていると、眉を顰めたタカは口元を歪めながら言った。
「なんだ、奏は俺とこう言う事がしたかったんじゃないのか?お前は身の程をわきまえて秘密は守れる、ちょうど良い相手だと思ったんだけど、違ったか?」
どこまで酷い男なんだと一瞬凍りついたけれど、タカの大きな手で背中を撫でられたら、その一瞬の反発心など吹き飛んでしまった。この瞬間、僕はタカのセフレに名乗りをあげたも同然だった。
友達や、執行部の仲間になれる道を、自分から喜んで手放してしまった。それは同時に、僕の束の間の幸福と長い苦しみの始まりだった。でも僕はタカの体温を感じられるなら、きっと同じ過ちを何度も繰り返してしまうんだ。
結局もつれる様にベッドに押し倒された僕は、乱暴に脱がされて、その実優しいタカの愛撫にすっかり高められて、想像を上回る逞しいタカの昂りにおずおずと触れて口づけた。
結局触り合いで終わった昨日、ぼんやりと呆けて服を着ているタカを見つめていた僕に、タカは顔を寄せて言った。
「次はちゃんとしたやつをしようぜ。…だから準備して置けよ。」
言われた言葉の意味に熱くなる僕に、タカは面白そうに笑って言った。
「結構今も良かったから、期待してるぜ。」
振り返りもせず部屋から出て行ったタカの香水の匂いに、僕はなんとも言えない気持ちでベッドに突っ伏して、スマホで準備の仕方を検索してたんだ。そんな浅ましくタカの寵愛を受けようとする自分が惨めだったけれど、断る選択肢も無かった。
ああ、本当、僕も救いようのない人間なんだ。
結局僕は、彼の期待する様に立場をわきまえている、彼の取り巻きの一人に過ぎない。
タカ自身は、別に自分から望んで名門英明学園の生徒会長になった訳じゃないのが、また皮肉だ。英明学園の生徒会長ともなれば、将来に渡って人生でアドバンテージを得られるのは今までの伝統が教えてくれている。
それは学園の伝統である総投票で、本人の希望関係なく選ばれてしまう事からもそうだし、選ばれる様な人間はそもそも実力があるものだからだ。
結局、学園生徒の総意であるカリスマ的リーダーである剣崎貴正こと、タカは、圧倒的な人間だった。こんな人間がいるのかと振り返る様な、恵まれた190cm近いバランスの良い身体と運動能力、そして成績は上位5位以内を、この難関中高一貫校で入学の頃からキープし続けている。
一方でその端正な顔に滲む捻くれた性格が、またそれ故に支持をより強くさせるのだから、世の中は正しい事だけが是ではないと言うことなんだろう。
傲慢とも呼べるその言動は、普通の人間を怯えさせて、憧れさせた。僕も結局眉を顰めながらも、気が付けば中学の頃から同級生のタカの言動を追いかけ続けていた。そんな僕がどうして書記に選ばれたのかは全く持って不明だった。
だけど、副会長の安田から声が掛かった時は、びっくりするのと同時に学園に合格した時よりも嬉しかったのは間違いなかった。安田になぜ僕なのか尋ねても、タカが選んだからとしか言われなくて、いつ自分の気持ちが漏れ出すのかと怯える事になった。
それ程までに、僕はタカに盲信していたと言うか、恋心も含んで傾倒していたんだ。だから昨日タカから、僕の寮室に遊びに行くと一方的にメッセージが送られて来た時は、何か気に触ることをしてしまったのかと随分気に病んでしまった。
そのせいで、見るからに機嫌の良いタカが部屋に入るなり、僕を抱き寄せてキスして来た時には頭が真っ白になってしまった。僕が固まっていると、眉を顰めたタカは口元を歪めながら言った。
「なんだ、奏は俺とこう言う事がしたかったんじゃないのか?お前は身の程をわきまえて秘密は守れる、ちょうど良い相手だと思ったんだけど、違ったか?」
どこまで酷い男なんだと一瞬凍りついたけれど、タカの大きな手で背中を撫でられたら、その一瞬の反発心など吹き飛んでしまった。この瞬間、僕はタカのセフレに名乗りをあげたも同然だった。
友達や、執行部の仲間になれる道を、自分から喜んで手放してしまった。それは同時に、僕の束の間の幸福と長い苦しみの始まりだった。でも僕はタカの体温を感じられるなら、きっと同じ過ちを何度も繰り返してしまうんだ。
結局もつれる様にベッドに押し倒された僕は、乱暴に脱がされて、その実優しいタカの愛撫にすっかり高められて、想像を上回る逞しいタカの昂りにおずおずと触れて口づけた。
結局触り合いで終わった昨日、ぼんやりと呆けて服を着ているタカを見つめていた僕に、タカは顔を寄せて言った。
「次はちゃんとしたやつをしようぜ。…だから準備して置けよ。」
言われた言葉の意味に熱くなる僕に、タカは面白そうに笑って言った。
「結構今も良かったから、期待してるぜ。」
振り返りもせず部屋から出て行ったタカの香水の匂いに、僕はなんとも言えない気持ちでベッドに突っ伏して、スマホで準備の仕方を検索してたんだ。そんな浅ましくタカの寵愛を受けようとする自分が惨めだったけれど、断る選択肢も無かった。
ああ、本当、僕も救いようのない人間なんだ。
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