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晴美side親友の大きな間違い
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俺の親友剣崎貴正は、カリスマ性はあるが何処か足りない。一見傲慢を気取っているが、単に考え無しのせいで自分の首を絞めている様に思える。特に恋愛面で言えば、タカはああ見えて経験値が少ないと言うか、恋などした事がないはずだ。
俺の様に器用に遊ぶと言う事もしないタカにも彼女の一人二人は居たけれど、長続きなどした事がなかった。大抵はあいつが女は面倒だと振ってしまうので、その後始末を俺がする羽目になって良い迷惑だった。
だからタカが珍しく興味を持った蒼井奏の事は、ずっと注目していた。そして当然の様に高等部の生徒会長にタカが選ばれた際の執行部選定では、なぜかメンバーを決めきれないタカに俺は蒼井を提案したんだ。
その時のあいつの様子は今考えても引っ掛かる。喜んでいる様な、嫌がっている様な、何とも正反対な反応を示したからだ。だから執行部が始まるのが、俺は密かな楽しみになっていた。
毎昼の執行部が始まってしまえば、俺が感じたタカの違和感はますます強まった。元々軽口は多くない男だが、集まった執行部は癖のある奴らが多いので自然、否応なくワイワイしてくる。
蒼井は無自覚に場を和ませる稀有な存在だった。性格の強い奴らが一触即発の際も、蒼井にじっと様子を見つめられると何となく気がそがれるのだった。結局執行部の仲間が蒼井に甘える様な場面も増えていく一方、タカだけはイライラが強まって行く様だった。
そんなタカがある日随分機嫌良く現れた。こんなタカには覚えがある。俺はニヤリと笑ってタカに言った。
「なんだ、お前女が出来たのか。」
そう揶揄う俺に、タカはニマニマと笑い返した。
「さぁな。だけど俺は女みたいな面倒な相手には興味ないね。」
そう言ってそれ以上は何も言わなかったけれど、俺は眉を顰めてタカのご機嫌な背中を見つめた。じゃあ、こいつは男の相手でも見つけたのかもしれない。全寮制男子校の性質上、無い話では無かった。あまり公然と付き合うカップルは居ないものの、俺も噂では何組かは知っている。
女よりは男の方がタカの性格上合っている気がした俺は、タカの機嫌が良いなら何も問題はないだろうと傍観することにした。それが良かったのか悪かったのか、問題勃発だ。
ある日蒼井が執行部を休んだ。連絡も無しに休むなど無かっただけに、皆どうしたのかと顔を見合わせた。するとタカが分かりやすく動揺しているのが分かった。俺は眉を顰めて執行部を他の奴らに任せると、タカをひと気のない廊下に連れ出した。
「…お前蒼井に何かしたのか?」
すると俺を睨みつけながら、それでも動揺した様子でタカは言った。
「…あいつは俺のセフレだ。…昨日初めて最後までやったから、それで身体が辛いのかもしれない。酷く痛がってた…。」
俺は仰天したなんてもんじゃ無かった。いつの間に二人がそんな関係になっていたのかも知らなかったし、何より蒼井がセフレなんて立場を選ぶ様には思えなかったからだ。それにタカもこう見えて、そう言うのを一番面倒に思っているはずだ。
「…色々聞きたいことはあるが、痛がるって、まさか無理矢理したんじゃないだろうな。男同士のアレは相当準備も段階も必要なんだぞ?…いきなり突っ込んだりしてないだろ?」
分かりやすく顔を強張らせるタカに、俺はため息を吐いた。
「マジか…。それは酷い。下手にも程があるだろ。蒼井が喜んでセフレなんてなるとは思わないから、もしお前とそう言う関係になっているとすれば、蒼井はお前が好きなんだぞ。…それにお前も蒼井の事は昔から気に入ってたろ。そんなのお前を見てきた俺に言わせれば、ほとんどない事なんだ。
お前は蒼井が好きなんじゃないのか?それなのに強引に?…酷いね。俺、今から蒼井のクラス行ってくる。部屋で寝てるのか、場合によっては保健室だろうから。話はそれからだ。」
それだけ言って、分かりやすく青褪めているタカを置いて蒼井のクラスへ向かった。案の定朝から具合が悪くて保健室で寝てるとの事だった。俺は聞くだけ聞くと、急いでタカの所に戻った。
すっかり顔を強張らせているタカは、項垂れて雨に濡れた犬の様だった。俺はこんなタカは見た事がないと思いながら、蒼井のタカへの影響力を思った。これは遅れてきた初恋なのかもしれないが、それにしても18歳にもなってこんなのはお粗末すぎる。
「取り敢えずお見舞いに行け。何か食べるものを差し入れろ。放課後なら部屋に戻ってるだろ?…言っとくけど手を出すなよ?それは俺の指導の後だ。分かったか?」
俺がそう言うと、タカは気まずげに頷いたけれど、本当こいつのカリスマ性どこ行ったんだ?
俺の様に器用に遊ぶと言う事もしないタカにも彼女の一人二人は居たけれど、長続きなどした事がなかった。大抵はあいつが女は面倒だと振ってしまうので、その後始末を俺がする羽目になって良い迷惑だった。
だからタカが珍しく興味を持った蒼井奏の事は、ずっと注目していた。そして当然の様に高等部の生徒会長にタカが選ばれた際の執行部選定では、なぜかメンバーを決めきれないタカに俺は蒼井を提案したんだ。
その時のあいつの様子は今考えても引っ掛かる。喜んでいる様な、嫌がっている様な、何とも正反対な反応を示したからだ。だから執行部が始まるのが、俺は密かな楽しみになっていた。
毎昼の執行部が始まってしまえば、俺が感じたタカの違和感はますます強まった。元々軽口は多くない男だが、集まった執行部は癖のある奴らが多いので自然、否応なくワイワイしてくる。
蒼井は無自覚に場を和ませる稀有な存在だった。性格の強い奴らが一触即発の際も、蒼井にじっと様子を見つめられると何となく気がそがれるのだった。結局執行部の仲間が蒼井に甘える様な場面も増えていく一方、タカだけはイライラが強まって行く様だった。
そんなタカがある日随分機嫌良く現れた。こんなタカには覚えがある。俺はニヤリと笑ってタカに言った。
「なんだ、お前女が出来たのか。」
そう揶揄う俺に、タカはニマニマと笑い返した。
「さぁな。だけど俺は女みたいな面倒な相手には興味ないね。」
そう言ってそれ以上は何も言わなかったけれど、俺は眉を顰めてタカのご機嫌な背中を見つめた。じゃあ、こいつは男の相手でも見つけたのかもしれない。全寮制男子校の性質上、無い話では無かった。あまり公然と付き合うカップルは居ないものの、俺も噂では何組かは知っている。
女よりは男の方がタカの性格上合っている気がした俺は、タカの機嫌が良いなら何も問題はないだろうと傍観することにした。それが良かったのか悪かったのか、問題勃発だ。
ある日蒼井が執行部を休んだ。連絡も無しに休むなど無かっただけに、皆どうしたのかと顔を見合わせた。するとタカが分かりやすく動揺しているのが分かった。俺は眉を顰めて執行部を他の奴らに任せると、タカをひと気のない廊下に連れ出した。
「…お前蒼井に何かしたのか?」
すると俺を睨みつけながら、それでも動揺した様子でタカは言った。
「…あいつは俺のセフレだ。…昨日初めて最後までやったから、それで身体が辛いのかもしれない。酷く痛がってた…。」
俺は仰天したなんてもんじゃ無かった。いつの間に二人がそんな関係になっていたのかも知らなかったし、何より蒼井がセフレなんて立場を選ぶ様には思えなかったからだ。それにタカもこう見えて、そう言うのを一番面倒に思っているはずだ。
「…色々聞きたいことはあるが、痛がるって、まさか無理矢理したんじゃないだろうな。男同士のアレは相当準備も段階も必要なんだぞ?…いきなり突っ込んだりしてないだろ?」
分かりやすく顔を強張らせるタカに、俺はため息を吐いた。
「マジか…。それは酷い。下手にも程があるだろ。蒼井が喜んでセフレなんてなるとは思わないから、もしお前とそう言う関係になっているとすれば、蒼井はお前が好きなんだぞ。…それにお前も蒼井の事は昔から気に入ってたろ。そんなのお前を見てきた俺に言わせれば、ほとんどない事なんだ。
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「取り敢えずお見舞いに行け。何か食べるものを差し入れろ。放課後なら部屋に戻ってるだろ?…言っとくけど手を出すなよ?それは俺の指導の後だ。分かったか?」
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