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親友が恋人に変わる時

可愛いマッチョ

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俺は今後ろから、がっちりと太い腕で拘束されてベッドに横たわっている。耳元では蓮が機嫌良いのが丸わかりだ。結局昨夜はマンションまで来てくれた彗の昔からの友人の真鍋医師が、その場で点滴をしてくれたんだ。

「最近、この手のクスリが流行ってるんだ。でもこれは強く作用するから、二、三日は怠いかもしれないな。摂取してからそんなに時間が経ってなくて良かったよ。

まったく酷い目にあったね。二人とも、今後も気をつけなさい。」


俺は真鍋医師を玄関まで見送りながら話をした。

「一応あの点滴が終われば気分も良くなるだろう。教えた通りに点滴を抜いてくれ。もし何かあったら、ここに電話しなさい。私が無理でも誰か対応出来ると思う。」

俺は真鍋医師に頭を下げてお礼を言った。


「本当にありがとうございました。お忙しいのに助かりました。改めてお礼させて下さい。」

真鍋医師はクスリと笑って悪戯っぽく俺を見て言った。

「こちらこそ礼を言わなくては。なかなか彗に恩を売るなんて事出来ないからね。お礼はたっぷりあいつにしてもらうさ。ははは。じゃあ、お大事に。」

俺は真鍋医師の後ろ姿を見送りながら、頭をかいて彗になんかごめんと心の中で謝った。


俺は後ろにくっついている蓮に尋ねた。

「…調子どう?だいぶマシ?」

蓮は少し疲れた声で耳元で答えた。

「うーん、どうかな。涼介がキスしてくれたらもっと良くなるかも。」

俺は顔を顰めて目を閉じた。まったく、調子に乗りやがって。俺はしぶしぶ蓮に向き直った。でも顔を見るとやはり本調子じゃ無いみたいだった。


「蓮、軽口言う前に眠った方が良いみたいだ。まだ顔色が悪いから。力は戻ったか?」

すると蓮はぎゅっと俺を抱きしめるとボソボソと話し出した。

「俺、もう涼介とダメになったと思った。あの時声が上手く出なくて、誤解を解けなかっただろ?涼介が部屋を出て行ってしまった時、絶望しか感じなかったんだ。

だから戻ってきてくれた時、どんな気持ちになったのか分かるか?…遅ればせながら涼介が俺のこと好きだって言ってくれた時、俺がどんなに舞い上がったか。」


俺はまだ顔色の悪い蓮の頬を手で撫でて言った。

「良く分かってるさ。お前みっともなく泣いてたもんな。…凄え可愛かった。こんな見た目ゴツいマッチョを可愛いなんて思う俺も相当な重症だろう?

早く良くなって、俺のことも鳴かせてくれよ。」

そう言って、赤い顔の蓮の唇にそっと自分の唇を甘やかに押しつけたんだ。
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