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再びの学校生活へ

聖の言い分

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突然レジに行くのを阻止された上に、聖に唇に軽くキスされて、俺は訳が分からなかった。俺がポカンと聖を見つめていると、聖はとんでもない事を言った。

「こーゆう事。雪を見たら誰でもキスしたくなっちゃうから、隠してんの。はぁ、ヤバい。止まんね。」

そう言うと、聖は俺を抱え直して更にキスしてきた。俺は訳が分からなかったけど、聖のキスは優しくて、俺を無理強いする事がなかったから、思わず応えてしまった。なんか俺ってこの手の事に随分抵抗がなくなってる…。その時、椿の聞いたことのない低くて怖い声が聞こえた。


「…ちょっと、何してんの。聖っ、抜け駆けダメだって決めただろ⁉︎ 油断も隙もない!ゆきちゃんもこいつの言いなりになったらダメでしょ。ほら離れて!ゆきちゃん、食べて!」

うわー、椿マジ怒ってる。こんな椿、滅多に見れないよ。俺は気まずい気持ちで、椿の買ってきてくれたサンドイッチを食べ始めた。案外お腹が空いてたみたいで、ペロッと食べてしまうと、俺はさっきの話の続きを聖に促した。

「…さっきのどうゆう事?」

椿はニヤリと笑う聖をジロリと睨むと俺の方を向いて、ついでに?俺の手を握って言った。


「ゆきちゃんが発情期終わったばかりのせいで、オーラとフェロモンがダダ漏れなんだよぉ。それなのに、匠さんにそんな色っぽい髪型にされて…。しかも今聖にキスされたせいでちょっと発情しちゃったでしょ⁉︎こんなゆきちゃん俺たち二人だけじゃ連れて帰るの至難の技なの。人が群がっちゃう。」

何それ、怖い。発情したのはちょっとわかる…。心臓がドキドキするから。でもフェロモンて…。

「…なあ、フェロモンてどうやって出すんだ?俺出そうと思って出してないけど?昨日祥一朗がフェロモン俺に向けて出したけど、あ、もちろん実験だよ?意図的に出せるんだよな?」


俺の言葉に、椿と聖は顔を見合わせた。椿が聖に聞いた。

「あれって意図的に出せるんだっけ?エッチしたいなぁって相手にモーションかけて、相手がそれに反応したら発情するだけじゃないの?」

「ああ、今俺が雪にやったみたいに。雪にチューしたらその気になっただろ?」

俺はちょっと思い出しながら言った。

「いや、全然違う。祥一朗のフェロモンは俺に何か飛ばした感じだった。ピリピリして首筋に這い上がる感じの何か。そしたら俺ゾクゾクして堪らない感じになって…。」


椿が焦った顔で、でもちょっとギラついて言った。

「わー、ここで思い出さないで。ゆきちゃんのフェロモン凄いことになってるから。ヤバい。聖!こんなとこで勃たせるなよ⁉︎」
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