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再びの学校生活へ

家族関係

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結局その日の夜は、椿たちからの差し入れをありがたく食べた。…ていうか何時間、俺と秋良はやってたんだ。俺の軋む身体がそれを教えてくれてるけど…。すっかり眠る時間になっていたので、俺たちは交代で風呂に入った。いつの間にか秋良が交換してくれたであろう、気持ちのいいシーツの上でゴロゴロしていた。

秋良は一緒に風呂に入ろうと煩かったけど、ここで承諾したら朝までコースになりそうで俺は頑張った。じゃあまた今度なって秋良は言ったけど、そんなにしょっちゅうマーキングって必要なのか?


俺はだだっ広いシーツの海に手足を伸ばして、ふと、さっき考えた普通の兄弟の事を思い出した。そういえば、秋良は腹違いだけど兄弟がいる。どんな感じなんだろう。普通って。俺の悪い癖は、聞きたくなったら率直に聞き過ぎることだ。

「なぁ、秋良って兄弟、祥一朗だけか?仲良いのか?」

柔らかい顔で俺を見つめていた秋良は、急に顔を強張らせて言った。

「…なんで。…はぁ。俺に兄貴の話は鬼門だとか、分からないかな…。まぁ、雪だからな。」


なんか凄いディスられた気がするけど…。俺はそれでも返事を待っていた。秋良は諦めたように話し出した。

「まぁ、仲悪いわけじゃない。俺と兄貴は元々立場が違うからな。兄貴はうちの会社の後継ぎだし、俺は自由な立場だし?好きな事が出来るから兄貴には感謝してるよ。母親も違うけど、一緒には生活してるから小さい頃はケンカもしたかな。他に兄弟は居ないな。なんでそんな事聞くんだ?」

俺は秋良からちょっと目を逸らして言った。


「俺、楓さんに色々聞いてて思ったんだけど、うちの家族普通じゃないかもって。だから普通ってどんな感じなんだろうって思っただけ。

うちは母親が居るけど…、母親の手料理とか食べた事ないし、なんか母親っていうより、管理者という感じなんだよね。秋良が俺に向けてくれる情とか?そんなの母親から感じた事無かったなと思って。でもそれが普通だったから、今まで、その事にも気付かなかった。他の子供と比べたことも無いし。…まぁ、今思うと俺の子供時代って寂しかったのかも。」

俺の話を黙って聞いていた秋良は、手を伸ばして俺を胸に抱きしめてまた尋ねた。

「姉貴が居るだろ?母親も一緒なんだろ?」

俺は秋良の腕の中で身体の力を抜くと、ホッと息を吐き出して話し続けた。










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