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行きたい学部

話し合い

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木崎さんは姉貴と顔を見合わせると祥一朗に向き直って言った。

「‥それに関しては、私たちも結構驚いてるって言うか。研究熱が盛り上がったのか、それとも他に何か理由があるのか…。

ともかく高山助教授は大学内でも清廉潔白で通っていて、そんなぶしつけにフェロモンを飛ばすような事はする人じゃないんだ。実験だったら、余計事前に許可を取るのは間違いない。」

俺はみんなの顔を見回して言った。


「あの、考えすぎなんじゃないですか?俺、結構困ってて切羽詰まってたから、教授にこう、困ってますーって感じでお願いしちゃったんです。だから、先生も思わず対応しちゃったんだと思うんですけど。」

祥一朗は秋良を見ながら尋ねた。

「秋良、お前はそこに居たんだよな?やりとりを見てて、何か気づいたことはあったか?」

秋良は俺を見つめながら腕を組んでその時の事を思い出してるようだった。


「‥そうだな。先生は雪を見て一瞬驚いた顔をしたように見えた。でも、そんなの雪弥に初めて会った人間はほとんど同じ行動するから、あんまり変わったことでもない。

それから先生は穏やかに雪の話を聞いてて、確かに雪は先生を押し倒す勢いで食いついてたけど。先生は全然そんな感じはしなくて冷静に見えたよ。でも雪の反応を見て急に興味を引かれたみたいで、是非研究室へ来て欲しいって感じだった。」

祥一朗は俺を見つめながら、優しい顔で言った。

「‥そうか。考え過ぎなら良いんだが。高山助教授がゴリラ系ってのが気になるんだ。結構際どい話しか聞かないから。」


俺がキョトンとした顔をしてるのを見て、さっきから黙って聞いていた姉貴が話し始めた。

「まったく、休日に集められてみんなで考え込んでるってのに、あんたは自覚が全く無くって呆れるわ。鱗川君達の苦労が忍ばれるってものね?

確かにゴリラ系は、雪弥みたいなぼんやりしたタイプは簡単に掌握されそうだけど、私はあんたに関しては心配ないと思うわ。どっちかと言うと、高山先生の方が無事に済めばいいけどって同情するところね。

鱗川君達の心配も分かるけど、高山先生のプライベートだけ調べておけば安心なんじゃない?先生って27、8って所でしょう?もう決まった人が居るんじゃないの?マーキング相手がいたら安心じゃない。ね?」
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