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第2章 僕から高島さんへ2回目の告白
第18話 高島さん壊れる①<2220.01.下旬>
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2219年11月上旬の市民文化祭は成功裏に終わった。
市の担当者とは少々もめることもあったものの、それ以外特に問題なく終わった。
二日酔いの出来事以外で、この間の高島さんとの出来事は、市民文化祭当日を含め何もない。市民文化祭終了後に会場で撮影した集合写真がある。なんともよそよそしい。
写真に写る僕と高島さんの表情とその立ち位置などで、この時の僕と高島さんの空気感が理解できる。というより、よみがえってくる。
なんか心が痛い。まだ心の傷口が癒えない時期の二人のこの妙な距離感は、まだよそよそしさが残っている。
2219年は、この後、特に何事もなく過ぎて行った。高島さんとの接点があったのかどうかもわからない。
☆☆☆☆☆
年が明けた2220年。
どういうわけか、1月は植木代表宅に皆が集まって談笑することが多かった。この頃は僕より後にシンキロウに参加してきた社会人が何人かいた。
その中にひとりに、 五位さんという女性がいた。年齢は僕より7歳ほど年下になる。
ある日の夜のこと。
その日は10人以上集まっていた。数人ずつに分かれて他愛もないことをそれぞれ話していた。
僕はその五位さんとほかに2人の男性とひとつのテーブルでお話をしていた。
でもいつからか、僕は五位さんと二人で話が盛り上がっていっていた。あまりに会話が面白くて、面白過ぎて床にころげるほどだった。床にころげるほどとは物の例えではなく本当に転げていた。それほど話が盛り上がっていたことがお分かりいただけるかと思うが、残念ながら会話の内容はひとつも思い出せない。でもそれはことの後の出来事が影響していると思う。記憶が吹き飛んだのだと思う。
そう、すぐ傍に高島さんが居ることを完全に忘れていたのだった。それほど会話に夢中になってしまった。
それでも、五井さんと盛り上がりきっている会話を、もうやめることはできなくなっていた。そのまま会話は継続していく。
いつからか、高島さんが視界の中に入るようになってきた。
視界に入ってきた高島さんの挙動がおかしい。
でも、その時の僕はそれどころではない。五位さんとの会話が面白過ぎて、楽しすぎて、いつになく羽目を外してしまっていたからだ。
不可解な挙動の高島さんの様子は何度も繰り返し視界に入ってきていた。それでも僕は五位さんとの会話をやめることができない。
更に時間が経過し、高島さんの様子が殊更におかしくなってしまった。僕のすぐ隣まできて、子供が乗って遊ぶ馬の乗り物に子供のようにひとり遊びはじめた。
(これは流石にまずい)
ようやくいつもの自分を取り戻した。
それでも五位さんとの会話は、羽目を外さない程度の普通の状態に戻して続けていた。そこまでの流れがあるので、突然会話をやめることまではできなかったからだ。
それからしばらくして高島さんはこの日の参加者の中で1番に帰ってしまった。それは、およそ帰るようなタイミングではない時刻に。
(まずかったかな?)
その答えはすぐにわかることになる。
市の担当者とは少々もめることもあったものの、それ以外特に問題なく終わった。
二日酔いの出来事以外で、この間の高島さんとの出来事は、市民文化祭当日を含め何もない。市民文化祭終了後に会場で撮影した集合写真がある。なんともよそよそしい。
写真に写る僕と高島さんの表情とその立ち位置などで、この時の僕と高島さんの空気感が理解できる。というより、よみがえってくる。
なんか心が痛い。まだ心の傷口が癒えない時期の二人のこの妙な距離感は、まだよそよそしさが残っている。
2219年は、この後、特に何事もなく過ぎて行った。高島さんとの接点があったのかどうかもわからない。
☆☆☆☆☆
年が明けた2220年。
どういうわけか、1月は植木代表宅に皆が集まって談笑することが多かった。この頃は僕より後にシンキロウに参加してきた社会人が何人かいた。
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ある日の夜のこと。
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でもいつからか、僕は五位さんと二人で話が盛り上がっていっていた。あまりに会話が面白くて、面白過ぎて床にころげるほどだった。床にころげるほどとは物の例えではなく本当に転げていた。それほど話が盛り上がっていたことがお分かりいただけるかと思うが、残念ながら会話の内容はひとつも思い出せない。でもそれはことの後の出来事が影響していると思う。記憶が吹き飛んだのだと思う。
そう、すぐ傍に高島さんが居ることを完全に忘れていたのだった。それほど会話に夢中になってしまった。
それでも、五井さんと盛り上がりきっている会話を、もうやめることはできなくなっていた。そのまま会話は継続していく。
いつからか、高島さんが視界の中に入るようになってきた。
視界に入ってきた高島さんの挙動がおかしい。
でも、その時の僕はそれどころではない。五位さんとの会話が面白過ぎて、楽しすぎて、いつになく羽目を外してしまっていたからだ。
不可解な挙動の高島さんの様子は何度も繰り返し視界に入ってきていた。それでも僕は五位さんとの会話をやめることができない。
更に時間が経過し、高島さんの様子が殊更におかしくなってしまった。僕のすぐ隣まできて、子供が乗って遊ぶ馬の乗り物に子供のようにひとり遊びはじめた。
(これは流石にまずい)
ようやくいつもの自分を取り戻した。
それでも五位さんとの会話は、羽目を外さない程度の普通の状態に戻して続けていた。そこまでの流れがあるので、突然会話をやめることまではできなかったからだ。
それからしばらくして高島さんはこの日の参加者の中で1番に帰ってしまった。それは、およそ帰るようなタイミングではない時刻に。
(まずかったかな?)
その答えはすぐにわかることになる。
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