その実を食べろ!〜全ての望みを叶えるスキルの実。

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邪神との戦い

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ーー デオルダン国王内での騒ぎ

私は従魔達をデオルダン国王内に編み目の様に配置した、これからこの国に騒乱と不安が襲いかかるからだ。
この世界の民を傷つけることは本意ではないが、邪神に魂を捧げてしまった民については助けるべき手が出せない。
神の戦いとはそういうものなのだ。

ただしせめて子供達だけでも救いたいと私は思っているのだ、その為に私はこの手を限りなく大きく広げるのだ。

デオルダン国王に出入りする商隊を足止めし商品の流通を止める。
食料については、従魔のネズミに収納魔法のスキルを与え、1匹1トンの食料を確保する様に命じている。
この国に入ってきたネズミ型の従魔は1万匹、この国の民は1万トンの食料を奪われるのだ。
当然食料がないため他国に逃げ出すものもいよう、そのもの達には他国において温かく豊富な食料を女神の名で与えるつもりだ、兎に角邪神の信仰を減らして力を奪うのが今の最善の方法なのだ。

デオルダン国王軍が王都を出て2週間が経った、追加の食料を補給しにきた兵士たちは食料が底をつきかけていることに驚く。
このままでは戦争どころではない、皆今回の戦争について懐疑的になってきている、不幸なことが起こりすぎるのだ。
誰かが言う
「女神様の神罰ではないか。」
と。

デオルダン神を祀る教会には飢えや病を訴える信者でごった返していた。
「神父様、お願いです。子供だけでも食べ物をお恵みください。」
「シスター父の病を癒してください。」
と言うような者で外まで溢れた人が叫び泣いていた。

その後助けてもらえないと知った民達にやさしいこえが
「私は女神教のシスターです。獣人ですが私の元には食料も病を治すポーションもあります、女神教に入信していただければ施せます、如何ですか?」
と優しく声をかけている、始めは獣人なのか、と言う顔をしていたが飢えや病で苦しむ家族の顔を見るに
「俺は女神教に宗教替えする、だから助けてください。」
と1人の父親がグッタリした娘を腕にだきそう言うと
「どうぞこちらに」
と建物の中に招き入れる、その後10分ほどですっかり元気になった娘と歩いて出てきた男を見て、他の民が俺も俺もと押しかけ始める。
その後も途切れることなく女神教の教会には人が並んでいた。

ー 邪神デオルダン side

「どうしたのだ、我の力が少しずつ失われている。誰か!獣人王国に向かった将軍からの吉報はまだか!」
と怒鳴りつける邪神デオルダン。
何か予想もしていないことが起こっている気配がするが・・・分からない。


ー 国境にて


両国軍の対峙が始まり今日で3日目、獣人らは毎日宴のような酒盛りをして英気を養っている。
デオルダン国王軍は日毎に病人が出て立ってるのもやっとの兵ばかり、これでは戦争する前に敗れているようなもの。
将軍は焦りを感じていた、多分今頃は王都で国王が吉報を今か今かと待っているだろう。

せめてここにいる1000人の獣人だけでも蹴散らせなければ・・・帰れない。

ここにき時間はデオルダン国王軍には味方をしないことだけはハッキリしている、総攻撃で短期決戦をして一旦引き上げよう。
将軍はそう決意した。
「良いか明日早朝より、総攻撃をかける。今晩は兵士に英気を養うように命じろ、必要なら酒を出しても良い。」
と命じて明日に備えた。
その命令をそばで聞く影がいた。
女神の五指のメンバーだ。
「これで最後だな、今宵の酒にはたっぷりと薬を混ぜてやろう。」
と笑うとそっとその場を離れた。

ー 決着の朝


「何!兵士が皆倒れて動けないだと!」
怒りに似た感情を隠すこともなく将軍は、天幕の外に出た。
そこには呻き苦しむ兵の姿が目渡す限り見えていた
「もうダメだ。お終いだ。」
将軍は1人獣人王国側に進み、そこにいる獣人軍の1人にこう言った
「我はデオルダン国王軍最高司令官である、責任者に合わせてくれ。」
と。

現獣王が連れてこられた将軍を前に
「俺が獣王のタイガーだ。何かようか?それとも今から開戦か?」
と問うと
膝をつき頭を下げた将軍が力無く
「ワシらの負けだ、もう戦うどころか生きることも難しい。何故だ何故神は私らを見捨てたのだ。」
と涙を流すそれを見たタイガーは
「それはな、お前達が写真を信仰したからだよ。女神には配下の神などいない、いるのは使徒様だけだ。」
と答えると将軍は
「え!女神の配下にデオルダン神が存在しない、邪神だと?まさか!・・・申し訳ない、女神様我々を救いたまえ!」
と言うとそのまま意識を失った。
「全く戦いにもならぬとは、おいコイツを敵に送り返せ!」
と指示すると天幕のベットにふて寝し始めた。


ー デオルダン国王内  side


「おい聞いたか?デオルダン神という神はいないそうだ。邪神が神の名を名乗ってると女神が信託をおろしたということだぜ。」
至る所で同じような話が広がっていた、獣人国からのスパイが流しているが食糧難で病が広がってる今、それを嘘だと言い切れる民はいなかった。
「やっぱり女神に神罰という話は本当なのか?それなら早くここを出なけれ絵も生き残れないぞ。」
という話が流れた瞬間、王都の人々は恐怖に駆られヒステリックになり王都脱出を始めたのだ。
それが多くに人に広がり門をくぐるのに時間がかかり出すとさらに恐怖が増す。
検査を無視して逃げ出し王と民が続出し王都は騒乱状態になっていった。

その頃セシル達は、少しでも子供を助けようと身寄りのない子や助けを求められない子供達を中心に保護し始めていた。
最終的にその数は5000人にもなった。

「セシル様子供達の保護は問題なく心配ございません。」
シスターメイがそう言って胸を張った、成長途中の私には眩しい姿少し嫉妬が・・・。

「でも私も26歳なのに未だに14・5歳くらいの姿のまま、不老不死ていうのは老化が始まらないということよね、成長が止まることじゃないよね。」
誰に言うこともなく呟く私に温かい声をかける者はいなかった。(残念だよ~・・・。)


ー デオルダン国王の王城にて


邪神デオルダンは苛立っていた。
「何故こうもうまくいかないんだ、誰かが我の邪魔をしている、誰だ!」
周りを見回しながら多くの視線を感じる・・・。
「まさか・・・女神が気づいて手を打ってきたか。」
急がねば我が力が日毎に弱まっている。

今まで我の威光に頭を下げていたもの達が、目を逸らすように姿を消していった。
民の心を癒せる亜人を早くここに連れて来い。
邪神は見えない力に見られている苛立たしさに冷静な判断をすることができなくなっていた。
自分の姿を見て目を背ける者をその場で斬り捨てて回り出したのだ。
阿鼻叫喚の地獄絵図がそこの存在した。
その呪われた魂を糧に邪神はリッチを召喚した。

「召喚に応じました邪神様。ご用命を。」
膝をつきそう述べるリッチに満足げに頷く邪神は、
「我を信仰せぬ者を黄泉の世界へ連れて行け!」
「ははー、仰せのままに。」
そう答えたリッチは、煙にように消えると夜の闇にスケルトンを大量に召喚し
「王都を黄泉の世界に作り替えよ。」
と命じた、カクカクと音を立ててスケルトン軍団が王都の街の宵闇に消えていく、その後各地から悲鳴が聞こえるようになった。

ー 黄泉の軍団との対決


「セシル様、王都にスケルトン騎士が大量に現れました。数からしてリッチ辺りが指揮している可能性があります、いかがしましょうか?」
「それならタロウとクロに対処させましょう。私はリッチを探します。」
と言いながら女神の五指のメンバーには、子供達を守るように指示した。

スケルトンに殺された王都民はその後グールやゾンビとなりて、さらに王都民を襲う。
そこに現れたタロウ、
「不浄のものよ、我が炎で浄化せよ。」
と言うと真っ白いブレスを吐き出した。

一方クロは、
「竜魔法滅法を受けよ。」
と言うと半径200mの範囲に魔法陣が現れ、その中のスケルトンらが次々に消えていった。

私は王都内を覆うほどの魔力の網を広げた、これは私の従魔達がいるから簡単に成功しているが普通ならなかなか難しいことなのですよ。
「ん!見つけた。邪神とリッチね。先ずはリッチから倒しましょう。」
と言うと
「どこでも扉」
どこかで聞いたフレーズに似てるがオリジナルですよ。
と意味のない言い訳を言いながら私は、リッチの隠れるデオルダン神を祀る教会に移転した。


「お前は誰だ?・・・女神の犬か。」
と吐き捨てるように言うリッチに私は
「女神は関係ないわ、臭いものを処分しに来ただけよ。」
と言うと、リッチはイラついたのか
「力の差を思い知れ!」
と言いながら魔法攻撃を仕掛けてきた。
「どうしたのだ?私の魔法が全く効かない。」
リッチは混乱していた、それもそうだろうドラゴンの魔法すら無効にするスキルを持つ私にリッチ如きの魔法など届くことすらない。
私は驚くリッチに近づくと、
「浄化!」
と一言呟いた、リッチは聖の炎に包まれて声も上げられず消え去ったのだった、それと同時にリッチが召喚したスケルトン達もその姿を消すのだった。

「何!リッチの気配が消えた?何処にいる、ワシを狙う女神の犬は。」
半狂乱の邪神は力のほとんどを失っており、王城の王の間の椅子に座っていた。

そこに私が現れると
「お前が女神の犬か?」
という邪神だったもの。
すでに姿を保つことさえ難しいほど神力を失っており、このまま消滅するのを待ってもいいほどだったが。
「消えてもらうわよ、一切消滅!」
と唱えて聖魔法の最上級の浄化魔法を発動した。

邪神デオルダンは、少し笑ったような顔を見せた後霧のようのその存在を消したのだった。
これでデオルダン国王の邪神騒動の大元は退治されたが、後はこの国に正しい行いをするものが残っているかだが・・・これだけ女神の信者が増えたから、大丈夫よね。

ー 後始末


私は女神教の名を持って、回収していた食料やポーションを王都民に配給しながら復興の様子を見ていた。
今まで邪神の国王から隠れていたようにしていた貴族らが、兵を連れて王都に入場し、配給をしていた女神教のシスター達に混じって王都民の手助けをし始めた。
「これでもう大丈夫かしら。」
私はそう言うと獣王王国に向けて馬車を走らせた。

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