その実を食べろ!〜全ての望みを叶えるスキルの実。

モンド

文字の大きさ
34 / 38

皇都見物と文明の灯り

しおりを挟む
ー 明かりは人の心も灯す

皇帝が健康を回復し後継の目処も立ったことから、私は遠慮なく城で皇帝陛下に謁見後宰相のもと文明の明かりを灯すことにした。

「宰相殿こちらをご覧ください。」
と言いながら私は、魔道具に詳しい話をし始める。
宰相の側には次期皇帝候補の第四皇女の姿も見える、他には商人や将軍のような軍人もいるようだ。
「今から紹介するのは庶民の生活を豊かにするものです、当然貴族や皇族様達にも恩恵がある品です。」
と言いながら、
・常夜灯
・コンロ
・トイレ
・湯沸かし器
・冷蔵庫
・ヒーター
などを見せながら説明する、これらは特に商人が興味を示している。

「次に見せるのは、対魔物用品です。」
と言いながら
・魔鉱石や魔鉄で作り上げた装備や武器
・大型の鉄弓を巻き上げるモーター
・ポーション類とそのレシピ
・魔法書類
です、と説明すれば軍人や宰相が目を見張る。

「次は女性の生活を豊かにするものです。」
と言いながら
・化粧水や保湿液
・石鹸や洗剤
・シャンプーやリンス
・宝飾品(魔道具もあり)
・ドレスから庶民の服まで
等で皇女様や商人が興味を見せていた。

そして説明をしながらその横に立食のテーブルを置いて、軽食やスイーツなどを試食してもらう。
更には香辛料や調味料などこちらに無いものを主に置いてみた。

「素晴らしいものばかりですわ、その中で気になったので教えて欲しいのですが。」
と魔法書を片手に皇女様が質問してきた。
「はいどのようなことでしょうか?」
「この魔法書に書かれてある、土魔法を使った深井戸掘りや開墾についてと魔力による促成栽培方がよく分からないのですが、これらは現実に行われるもので我が皇国でも可能なのでしょうか?」
「流石次期皇帝候補ですね。土魔法のスキルを上げて更に緑魔法と呼ばれる植物に作用する魔法スキルを上げればかなり生産性がが向上し、早く深い井戸が掘れるようになります。それでこの国の食物の自給率が上がれば人口増加も直ぐでしょう。」
「はいその理論は理解したのですが、我が皇国にそのようなスキルを持った家臣や平民は居ないと思いますが。」
「その点も心配ありません、私が教えれば1年もしないうちに多くの魔法師や精強な兵士が育つでしょう。」
「それは本当ですか?もしそうであれば・・・。l
何かしたいことがあるようだ。

将軍様が来ました
「使徒殿この武器や装備を試したいのだが・・。」
「はい、どうぞご自由にいかほど貸し出しましょうか?」
「50人分は可能かな?」
「はいそに程度なら直ぐにお出ししますので、運ぶ者を寄越してください。」
と答えると直ぐにそばの兵士に命じていた。

次に宰相殿が
「セシル様、始まりの町のような街にこの皇都を変えたいのだが・・どのくらいの日数とお金がかかるものだろうか。」
宰相としては当然の問題だろう
「そうですね約1年を目処になんとかしてみましょう、お金は特に要らないですが経済を回すために職人には多めに払ってください。」
「それと森の向こう側との交易を望むのであれば、出来ないこともありません。ただしこちらの国力を上げていないと飲み込まれる恐れがありますので、慎重をきしましょう。」
と言えば
「魔の森の向こうとの交易が可能・・・と言うことは人も行き来できると言うことですか?」
「そうです、いくつか手段があります。皇帝陛下を交えてお話ししましょう。」
と答えてその日は終わりとなった。


ー 街を作りかえる?いや新しく作った方が早そうだ


1年でゼブラ王国を変えると豪語した以上私はするべきことをする事にした。
まずは皇都の作り変えだが・・・ハッキリ言って隣に新しい皇都を作った方がマシじゃないかしら。
そこで私は周囲の地形や物流などを考えて今ある場所から西に5kmの場所に遷都することにした。

規模は人口増加を考慮して2倍の大きさにすることにした、先ずは今後森の向こう側との交流を考えると防御も必要なので、高さ30m幅5mの堅牢な城壁を構築。
続いて外堀に内堀,幅10m深さ10mで城壁に沿って作っていく

街の区画は険しい岩山を背に皇帝の住まう皇城にそれを囲うような序壁と貴族街、その周辺には騎士達の住まいに城壁をプラスして商人街に都民街、更には低所得者層のアパートメント街。

大通りは中央に緑道公園を備えた幅50mのコンクリート舗装、その他の道も碁盤の目を基本に幾何学的に美しく通し、公園や憩いの池なども等間隔で設置。
当然のこと水回りは上下水道完備の上堀を満たす水と別に公園や噴水に池用の水脈も確保している。

住宅は基礎を土魔法で十種類ずつ製作、この上に同じ寸法で切り出された石柱や木材で組み上げると壁用に一枚合板を作り隙間風を防ぐ、当然のこと断熱材も使用しているのでこれから先暑さや寒さに苦しむことは少なくなるでしょう。

3ヶ月で大まかな街が完成したので、お城の建設に取り掛かっリマした。
お城は特別に単独の水脈から水を引き込み、魔道具に浄水器を使い毒素類を防ぐ。
建物は魔道鋼を柱にコンクリートで固めて外側を石のレンガで偽装した、床は大理石のタイル貼り壁紙も特殊なものを使用しました。
城の中では特定の魔法は無効化するように魔法がかけられ、皇族の安全を担保しています。

お風呂は、健康を管理増進するために湯沸かし器用の魔道具にの横に浄化と癒しの魔法が組み込まれています。

この世界には透明度の高く大きな一枚ガラスが存在していなかったので、壁一面が鏡になっている部屋や、窓ガラスをふんだんに使用し全てに強化や不壊の魔法を付与しています。

当然城の上空付近はドラゴンでも飛行できないように結界を張り巡らし、どこの魔法と戦うのかと思わせる出来となリました。
しかしこれらの使用はほとんどは皇帝陛下以外教えてはいないよ。


ーー 新しい皇都のお披露目

8ヶ月ほどでほぼ完成した新皇都、そのお披露目に日が来ました。

皇帝以下高位の貴族が続々と新しき皇都に馬車で入都する。
「これはなんと美しい」
「素晴らしい城壁と掘り」
「真っ平で広い通りに美しく並んだ街並み」
など外側の城壁を潜っただけでかなり驚いているようだ。
商人街をすぎ2番目の城壁、貴族街を過ぎると最後の城壁、そこまでの街並みや区画を驚きの目で眺める参加者。

王城に入るとそこは完全な別世界であった。
見るもの触るもの全てがゼブラ帝国では見かけないものばかり、皇帝用の王の間を見学中に私が
「この城はドラゴンさえ破壊することは難しいでしょう。」
と言ったもんだから、腰を抜かすほどの驚きをしていたよ。

それから我先にと新しい皇都への引っ越しが行われた。
古い皇都は必要最低限のあって物を残して取り壊した、何故って
「人の使わなくなった建物に危険が住まうことを排除するためです。」
と答えてさっさと更地にしましたよ。

私の発言通り1年で新たな皇都が完成し、人々が暮らし始めました。
皇帝陛下もことのほかお喜びで後は、森の向こうとの交流のみ。


ーー 森を抜ける手段

王城の敷地と貴族街と商業街に不思議な塔が建っている。
「あれは何でしょうか?」
と宰相殿が尋ねるので
「あれが森の向こうと交流するための手段の補助をする建て物ですよ。」
と答えながら
私は合図を行った。

すると長さ100m程の羽をつけた船が現れた。
「あれは空を進む船です。あれならば魔の森も特に問題なく越えられるでしょう。」
と言う私の言葉をどこまで聞けていたのか、宰相殿は
「!・・・あのような船が森の向こうにはいく隻も飛んでいるのですか?」
驚くもの当然であろうが
「とんでもない、あれがこの世界初めての空を飛ぶ船ですよ。」
と答えると
「そのようなものまで我が帝国に・・・よろしいのですか?」
と他国を攻め滅ぼすかもと言いたいのだろう。
「いいですよ、当然他の国にも使わせる分がありますし、あれを戦争に使う国が現れたらこの地上から消し炭も残さず消し去りますから。」
と答える私に改めておそれを感じた宰相殿は
「わが帝国においてもその点を強く教えておきます。」
と頭を下げた。

最初の航空は、私たちが乗り込むとゼブラ帝国の外交を司る貴族と商人が五十人ほど乗り込み、魔の森を超えてスーザン王国に向かった。
事前にスーザン王国には、その旨伝えていたが流石に空を飛ぶ長さ100mの船を見た王様も腰を抜かしそうになったと後で言っていた。

ーー 交易

スーザン王国とゼブラ帝国の交易の調印が結ばれた。
月1回の交流を決めて早速食べ物や衣類に道具などが交易品として売り買いさればじめた。

人の交流も盛んになってきた、当然森の向こう側には未開の土地が多くあることはわかっている。
地球で言えばアメリカ大陸やオーストラリア大陸のようなもの、そのごく一部にゼブラ帝国があるのだ。

まだ見ぬ未開の地を求めて冒険者や商人が、新しく国を起したい野望の貴族や実力者なども渡航を求めてスーザン王国に集まり始めた。

しかし全てを無条件に認めることはできない。
厳しい条件が示され、嫌なら自力で森を越えよと言うスタンスである。

その為多くのものが無謀にも森に挑戦し魔物の餌となった。

それでも条件をクリアし渡航する団体や人物が現れ始め、ゼブラの始まりの町は活気に溢れ始めた。

新たな未開の地を求めた者の中には、継承問題で伯爵位に落とされた皇子達もいた、多分それ以外プライドが許さなかったのだろう。
当然のごとく未開の地も簡単に国を興せるほど優しい場所ではない。
面白いことにゼブラ帝国の向こう側は、不毛の大地が馬車で30日ほど続いておりそこにはそこそこ強い魔物が住み着いて通り生き物を捕食しているのだ。

空を飛ぶか魔物を倒して不毛の大地を30日以上旅することが可能な者だけがその宝を得るのである。


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」  突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、 手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、 だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎  神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“  瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・  転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?  だが、死亡する原因には不可解な点が…  数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、 神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?  様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、 目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“  そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪ *神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw) *投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい *この作品は“小説家になろう“にも掲載しています

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

追放された俺の木工スキルが実は最強だった件 ~森で拾ったエルフ姉妹のために、今日も快適な家具を作ります~

☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺は、異世界の伯爵家の三男・ルークとして生を受けた。 しかし、五歳で授かったスキルは「創造(木工)」。戦闘にも魔法にも役立たない外れスキルだと蔑まれ、俺はあっさりと家を追い出されてしまう。 前世でDIYが趣味だった俺にとっては、むしろ願ってもない展開だ。 貴族のしがらみから解放され、自由な職人ライフを送ろうと決意した矢先、大森林の中で衰弱しきった幼いエルフの姉妹を発見し、保護することに。 言葉もおぼつかない二人、リリアとルナのために、俺はスキルを駆使して一夜で快適なログハウスを建て、温かいベッドと楽しいおもちゃを作り与える。 これは、不遇スキルとされた木工技術で最強の職人になった俺が、可愛すぎる義理の娘たちとのんびり暮らす、ほのぼの異世界ライフ。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

処理中です...