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異世界に吹く風
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ーー エースランド王都の庶民少女アリス。
王都センターエルは人口50万の大都市だ。
そこに住む1人の少女アリス10歳、彼女が今後大きくガブリエルの将来に関わってくる。
アリスの家は、商家で基本的に生地を扱う商家だった。
アリス自体は、料理が好きで商家を継ぐか料理人になるか悩んでいた。
彼女の将来に大きく関わる事件が起きたのは、ある貴族のパーティー会場でのことだった。
それは1年前の事、有力な商家の娘とあって両親も娘を貴族のパーティーに連れてゆき、顔繋ぎを積極的に行っていたある日。
父が
「アリスお前に大事な役目を任せるよ。」
と言いながら本日のパーティーの参加者と目的の貴族の名を教えてくれた。
「ステール領主様の長子のガブリエル様と言う7歳の男の子がその子だ。
情報によるとガブリエル様は、大王国王様を凌ぐ魔力をお持ちだと言われる。
将来の大王国王候補様だ、お前にはガブリエル様と顔馴染みになってほしい。」
と言う事だった。
「分かりましたお父様。」
と答える9歳のアリス。
◇
パーティー会場にて。
多くの貴族や豪商などが集うパーティーである。
並べられた料理や飲み物など豪勢な物がこれどもかと並べられている。
生地を主に扱う商家の娘であるが、料理にも興味がある。
そこでアリスは父の目を盗みながら、料理を味見していた。
すると同じように料理の味見をする、同じくらいの子供がいるのに気づいた。
「こんにちわ、貴方も料理に興味があるの?」
とアリスは少年に声をかけた、すると
「こんにちわ。貴方も料理に興味があるようで嬉しいです。でもここの料理は僕の心を浮き立たせてくれません。」
とがっかりした顔をするにです。
不思議に思ったアリスは
「どの辺りがダメかお聞かせくれませんか?」
と聞いてみた。すると少年は
「見た目だけにこだわり、食べる人の気持ちを考えていません。この肉は火を通しすぎですし、このドレッシングは色味だけで味があってません。」
と言いながら、取り分けた料理を一つ一つ説明しながら改善点を話してゆく。
アリスはメモをとりながら彼の話を聞く、子供の思いつきではなくしっかりとした理由に裏打ちされた説明なのだ。
彼の説明で一番よくわかったのは、デザートの説明だ
「甘ければ良いデザートと言う考えから間違っています。デザートとは美味しい食事を摂った後、または食間に食事の余韻を楽しむ物でありまたちょっとしたご馳走なのです。」
と言いながら
「自分がこれらの材料で作るとしたら・・・ですかね。」
と素材の調理方法から作るコツまでをさも作ったことがあるように話してくれたのです。
そこでアリスは
「今のを聞いて私、作ってみたいと思います。完成したらお味を確認してもらって良いですか?」
と名を知らぬ少年に言うと
「おっと、思わず話し込んでしまいましたね。改めてご挨拶します。僕はステール領主の長子ガブリエルです。上手くできたらぜひ味見をさせてください。」
と名刺のようなカードを手渡した。
「ありがとうございます。私は生地を生業にしております、ワコーリ商会の娘アリスです。必ずお持ちいたします。」
と答えたところで数人の大人が現れ、
「ガブリエル様こんな所においでだったんですね。あちらで国主がお待ちですよ。」
と中央に連れ立った。
その後アリスは父から
「ガブリエル様にはとてもじゃないが近づけなかった。お前もそうだろ。」
と問われ首を振りながら
「お父様これをみてください。わたくしガブリエル様と料理で再会のお約束を致しました。」
と答えたた、父はそのカードを見て娘を見ながら
「この縁を切らずに頑張りなさい、その為だったらお前が家を都合が違うことをしようが構わないから。」
と応援してくれた。
ーー この世界で初めてのデザート。
アリスは色々と食材と調理方法を工夫していた。
・生クリームという白くて甘いクリーム作りで苦労している。
・スポンジと呼ばれる土台になる焼き菓子がうまく焼けない。
・大きさや見た目の工夫に苦労している。
・チョコレートという食材作りが難しい。
・添える果物選びや味付けに苦労している。
など上手くいかないことを、詳しく書き込んだ手紙をガブリエルが住んでいる屋敷に持って行き。
もらったカードを門番に見せて取り継ぐように依頼すると、屋敷の中に招いてくれた。
思ってもいなかったことに緊張するアリス。
そこにガブリエルが現れる。
「君はこの前のパーティーであった・・確かアリスさんですね。」
と名前を覚えてくれたことに感激しながら、
「実は・・・こういう理由で上手くできないので、コツがあったら教えてほしいのですが。」
と経過を描いた手紙を見せると
「中々研究熱心ですね。これならもう少しで出来そうです、ここは・・・そして・・・です。他に聞きたいことはありますか?」
と言われアリスは、
「ぜひ完成させたいと思います。その時は味見をお願いします。」
と言うと
「もしこれを作ることができれば、僕専用のパテシエとして雇うことも考えています。その時はぜひ考えてください。」
と言われた。
そして10日後。
◇
ガブリエルの屋敷の居間で。
「こちらが私が作りました、ショコラケーキと生クリームケーキです。」
と切り分けして差し出すアリス。
皿に乗せられたそれぞれのケーキの断面を確認しながら、ガブリエルはフォークを使って器用に食べていく。
「見た目、味共に80点です。よく頑張りました、ここで僕の作った物もお見せしましょう。」
と言いながらメイドに合図をするガブリエル。
メイドが持ってきたケーキを見てアリスは、感動と共に自分の至らなさに愕然んとした。
「こんなに美しい食べ物を見たのは生まれて初めてだったので。私にここまでのものが出来るでしょうか?」
と言うアリスに
「これは技術を身に付ければ誰でも出来ること、それ以上に大事なのが常識の壁を超えて挑戦する姿勢だよ。」
と言ってくれた。
アリスは、ガブリエルのケーキを頂き家に帰ったのだった。
家に帰ったアリスは両親にガブリエルのケーキを見せた。
「これは食べ物なのか?どんな味がするんだ?」
と言いながら味見をした両親は
「こんな美味しいデザートを口にしたのは初めてだ。アリスがこれを作れるなら、我が家はデザート屋をしても良いかもしれない。」
と言う両親にアリスは
「まだまだだよ。これからもっと修行して沢山の料理を作れるように頑張るよ。」
と宣言した。
ーー 便利道具の開発。
時々アリスはデザートとの完成と共にガブリエルの居る屋敷に訪れていた。
そんな時ガブリエルが不思議な生地を手にしているのに気付い
た。
「ガブリエル様それは何ですか?」
と興味本位に尋ねたアリスにガブリエルは
「あ、アリスの家は生地を扱う商家だったね。これを見てくれるかい。」
とその生地を手渡してくれた。
それは不思議な手触りの生地で数種類あった。
・光沢が有りすべすべした生地
・ふんわりして肌触りが良い生地
・ツルツルしてるがとても丈夫な生地
・肌触りが良く何故か伸び縮みする生地
だった。
「どれも初めて見る生地ですね。この丈夫なもの以外はとても肌触りが良いですね。」
と思ったことを言うと
「流石だね。ツルツルしてるのは高級な糸を使ってる。ふんわりしたのは製法が特別だ。伸び縮みするのは糸が違うんだ。丈夫な物はこの世界になかった物だよ。」
と教えてくれたが、これを何に使うかと聞かれた時に考えた。
「パッと思う位ついたのは、ツルツルはドレスや見せる生地として使うと面白いかも。ふんわりは直接肌に触れる物でもいいかもしれませんね。伸びるのは・・・身体にフィットしそうなので、肌着がいいかもしれませんね。」
と答えると
「いい発想だね。生地とそれを織る道具を渡すから良心と検討してくれるかな。」
と言われ、驚くアリス。
「この様な珍しい生地を私の商会に・・・良いのですか?」
と改めて確認すると。
「これは出来るだけ早くに広めたいんだ、それでいくつかの商会に同じことをしてるから、気にしなくても良いが活用やデザインは早い者勝ちだよ。」
と言われた。
◇
アリスの家。
私はすぐに帰り、父親にその話をしてると屋敷からと言って荷物を積んだ馬車がきた。
父親は驚きながらも
「これはチャンスだ。」
と意気込んでいた。
届いた道具を見ると「取扱説明書」と書かれた薄い本がありました。
開いてみると、「機織り機の構造と使い方。」と書かれ使い方が丁寧に絵付きで書かれていました。
その本の通りに糸をセットして機織り機を操作すると、次々に生地が面白い様に織り上がりだす。
「こりゃ凄い。これならここだけで商売ができるほど生地を織れるぞ。」
と興奮の父を見ながら私は
「この生地をどう縫製して何に使うかが問題よね。」
と呟きながら考えに沈んだ。
◇
ガブリエルの住む屋敷。
料理に使う道具を色々と設計して作って貰っている。
この世界にはそう言う工夫や新しい発想が乏しいと感じていた。
僕は前世の気記憶を頼りに、調理器具を作りオーブンやピザ窯を作った。
すると料理の味や手法に広がりができて、この世界独時の素材を使った料理が生まれ始めたのだ。
デザートは、アリスと言う幼いが新しい手法や料理を貪欲に取り入れる子を見つけたし。
料理は今屋敷で雇っている料理長がとても柔軟に手法を取り入れて、新たな料理を生み出している。
飲み物もアルコールの度数を上げる器具を作った途端、いろいろな素材でお酒を作り出すものが数人できた。
このようにこの世界の生活の中に新たな風を吹き込み攪拌すると、澱んだ考えが澄んでくる気がしている。
魔力量だって、適切な方法で訓練すれば確実に増加すると僕は思っている。
ーー 神との会合と託された使命。
7歳の誕生日の夜。
いつのまにか僕は、不思議な空間に呼び出されていた。
「ここは?どこですか?」
と呟く僕の頭に
[ここに呼び出したのは我だ。]
と言う渋い声が響いた。
「貴方は・・どなたですか?」
と言うと
[我はベストラル。その方に依頼があってここに呼び出したのは。]
と言う言葉に
「ベストラル!・・最高神様。何の依頼でしょうか?」
と言うと
[この世界はいま澱みが酷くてな、このままでは崩壊の恐れがあるのだ。そこでお主に依頼じゃ。新しい風を吹かせて澱みを浄化してほしいのだ。好きな事で良い、この世界に風を吹かせてくれ。]
と言われた。
これを聞いて僕は、さらに料理と道具と被服に力を入れる事にしたのだ。
王都センターエルは人口50万の大都市だ。
そこに住む1人の少女アリス10歳、彼女が今後大きくガブリエルの将来に関わってくる。
アリスの家は、商家で基本的に生地を扱う商家だった。
アリス自体は、料理が好きで商家を継ぐか料理人になるか悩んでいた。
彼女の将来に大きく関わる事件が起きたのは、ある貴族のパーティー会場でのことだった。
それは1年前の事、有力な商家の娘とあって両親も娘を貴族のパーティーに連れてゆき、顔繋ぎを積極的に行っていたある日。
父が
「アリスお前に大事な役目を任せるよ。」
と言いながら本日のパーティーの参加者と目的の貴族の名を教えてくれた。
「ステール領主様の長子のガブリエル様と言う7歳の男の子がその子だ。
情報によるとガブリエル様は、大王国王様を凌ぐ魔力をお持ちだと言われる。
将来の大王国王候補様だ、お前にはガブリエル様と顔馴染みになってほしい。」
と言う事だった。
「分かりましたお父様。」
と答える9歳のアリス。
◇
パーティー会場にて。
多くの貴族や豪商などが集うパーティーである。
並べられた料理や飲み物など豪勢な物がこれどもかと並べられている。
生地を主に扱う商家の娘であるが、料理にも興味がある。
そこでアリスは父の目を盗みながら、料理を味見していた。
すると同じように料理の味見をする、同じくらいの子供がいるのに気づいた。
「こんにちわ、貴方も料理に興味があるの?」
とアリスは少年に声をかけた、すると
「こんにちわ。貴方も料理に興味があるようで嬉しいです。でもここの料理は僕の心を浮き立たせてくれません。」
とがっかりした顔をするにです。
不思議に思ったアリスは
「どの辺りがダメかお聞かせくれませんか?」
と聞いてみた。すると少年は
「見た目だけにこだわり、食べる人の気持ちを考えていません。この肉は火を通しすぎですし、このドレッシングは色味だけで味があってません。」
と言いながら、取り分けた料理を一つ一つ説明しながら改善点を話してゆく。
アリスはメモをとりながら彼の話を聞く、子供の思いつきではなくしっかりとした理由に裏打ちされた説明なのだ。
彼の説明で一番よくわかったのは、デザートの説明だ
「甘ければ良いデザートと言う考えから間違っています。デザートとは美味しい食事を摂った後、または食間に食事の余韻を楽しむ物でありまたちょっとしたご馳走なのです。」
と言いながら
「自分がこれらの材料で作るとしたら・・・ですかね。」
と素材の調理方法から作るコツまでをさも作ったことがあるように話してくれたのです。
そこでアリスは
「今のを聞いて私、作ってみたいと思います。完成したらお味を確認してもらって良いですか?」
と名を知らぬ少年に言うと
「おっと、思わず話し込んでしまいましたね。改めてご挨拶します。僕はステール領主の長子ガブリエルです。上手くできたらぜひ味見をさせてください。」
と名刺のようなカードを手渡した。
「ありがとうございます。私は生地を生業にしております、ワコーリ商会の娘アリスです。必ずお持ちいたします。」
と答えたところで数人の大人が現れ、
「ガブリエル様こんな所においでだったんですね。あちらで国主がお待ちですよ。」
と中央に連れ立った。
その後アリスは父から
「ガブリエル様にはとてもじゃないが近づけなかった。お前もそうだろ。」
と問われ首を振りながら
「お父様これをみてください。わたくしガブリエル様と料理で再会のお約束を致しました。」
と答えたた、父はそのカードを見て娘を見ながら
「この縁を切らずに頑張りなさい、その為だったらお前が家を都合が違うことをしようが構わないから。」
と応援してくれた。
ーー この世界で初めてのデザート。
アリスは色々と食材と調理方法を工夫していた。
・生クリームという白くて甘いクリーム作りで苦労している。
・スポンジと呼ばれる土台になる焼き菓子がうまく焼けない。
・大きさや見た目の工夫に苦労している。
・チョコレートという食材作りが難しい。
・添える果物選びや味付けに苦労している。
など上手くいかないことを、詳しく書き込んだ手紙をガブリエルが住んでいる屋敷に持って行き。
もらったカードを門番に見せて取り継ぐように依頼すると、屋敷の中に招いてくれた。
思ってもいなかったことに緊張するアリス。
そこにガブリエルが現れる。
「君はこの前のパーティーであった・・確かアリスさんですね。」
と名前を覚えてくれたことに感激しながら、
「実は・・・こういう理由で上手くできないので、コツがあったら教えてほしいのですが。」
と経過を描いた手紙を見せると
「中々研究熱心ですね。これならもう少しで出来そうです、ここは・・・そして・・・です。他に聞きたいことはありますか?」
と言われアリスは、
「ぜひ完成させたいと思います。その時は味見をお願いします。」
と言うと
「もしこれを作ることができれば、僕専用のパテシエとして雇うことも考えています。その時はぜひ考えてください。」
と言われた。
そして10日後。
◇
ガブリエルの屋敷の居間で。
「こちらが私が作りました、ショコラケーキと生クリームケーキです。」
と切り分けして差し出すアリス。
皿に乗せられたそれぞれのケーキの断面を確認しながら、ガブリエルはフォークを使って器用に食べていく。
「見た目、味共に80点です。よく頑張りました、ここで僕の作った物もお見せしましょう。」
と言いながらメイドに合図をするガブリエル。
メイドが持ってきたケーキを見てアリスは、感動と共に自分の至らなさに愕然んとした。
「こんなに美しい食べ物を見たのは生まれて初めてだったので。私にここまでのものが出来るでしょうか?」
と言うアリスに
「これは技術を身に付ければ誰でも出来ること、それ以上に大事なのが常識の壁を超えて挑戦する姿勢だよ。」
と言ってくれた。
アリスは、ガブリエルのケーキを頂き家に帰ったのだった。
家に帰ったアリスは両親にガブリエルのケーキを見せた。
「これは食べ物なのか?どんな味がするんだ?」
と言いながら味見をした両親は
「こんな美味しいデザートを口にしたのは初めてだ。アリスがこれを作れるなら、我が家はデザート屋をしても良いかもしれない。」
と言う両親にアリスは
「まだまだだよ。これからもっと修行して沢山の料理を作れるように頑張るよ。」
と宣言した。
ーー 便利道具の開発。
時々アリスはデザートとの完成と共にガブリエルの居る屋敷に訪れていた。
そんな時ガブリエルが不思議な生地を手にしているのに気付い
た。
「ガブリエル様それは何ですか?」
と興味本位に尋ねたアリスにガブリエルは
「あ、アリスの家は生地を扱う商家だったね。これを見てくれるかい。」
とその生地を手渡してくれた。
それは不思議な手触りの生地で数種類あった。
・光沢が有りすべすべした生地
・ふんわりして肌触りが良い生地
・ツルツルしてるがとても丈夫な生地
・肌触りが良く何故か伸び縮みする生地
だった。
「どれも初めて見る生地ですね。この丈夫なもの以外はとても肌触りが良いですね。」
と思ったことを言うと
「流石だね。ツルツルしてるのは高級な糸を使ってる。ふんわりしたのは製法が特別だ。伸び縮みするのは糸が違うんだ。丈夫な物はこの世界になかった物だよ。」
と教えてくれたが、これを何に使うかと聞かれた時に考えた。
「パッと思う位ついたのは、ツルツルはドレスや見せる生地として使うと面白いかも。ふんわりは直接肌に触れる物でもいいかもしれませんね。伸びるのは・・・身体にフィットしそうなので、肌着がいいかもしれませんね。」
と答えると
「いい発想だね。生地とそれを織る道具を渡すから良心と検討してくれるかな。」
と言われ、驚くアリス。
「この様な珍しい生地を私の商会に・・・良いのですか?」
と改めて確認すると。
「これは出来るだけ早くに広めたいんだ、それでいくつかの商会に同じことをしてるから、気にしなくても良いが活用やデザインは早い者勝ちだよ。」
と言われた。
◇
アリスの家。
私はすぐに帰り、父親にその話をしてると屋敷からと言って荷物を積んだ馬車がきた。
父親は驚きながらも
「これはチャンスだ。」
と意気込んでいた。
届いた道具を見ると「取扱説明書」と書かれた薄い本がありました。
開いてみると、「機織り機の構造と使い方。」と書かれ使い方が丁寧に絵付きで書かれていました。
その本の通りに糸をセットして機織り機を操作すると、次々に生地が面白い様に織り上がりだす。
「こりゃ凄い。これならここだけで商売ができるほど生地を織れるぞ。」
と興奮の父を見ながら私は
「この生地をどう縫製して何に使うかが問題よね。」
と呟きながら考えに沈んだ。
◇
ガブリエルの住む屋敷。
料理に使う道具を色々と設計して作って貰っている。
この世界にはそう言う工夫や新しい発想が乏しいと感じていた。
僕は前世の気記憶を頼りに、調理器具を作りオーブンやピザ窯を作った。
すると料理の味や手法に広がりができて、この世界独時の素材を使った料理が生まれ始めたのだ。
デザートは、アリスと言う幼いが新しい手法や料理を貪欲に取り入れる子を見つけたし。
料理は今屋敷で雇っている料理長がとても柔軟に手法を取り入れて、新たな料理を生み出している。
飲み物もアルコールの度数を上げる器具を作った途端、いろいろな素材でお酒を作り出すものが数人できた。
このようにこの世界の生活の中に新たな風を吹き込み攪拌すると、澱んだ考えが澄んでくる気がしている。
魔力量だって、適切な方法で訓練すれば確実に増加すると僕は思っている。
ーー 神との会合と託された使命。
7歳の誕生日の夜。
いつのまにか僕は、不思議な空間に呼び出されていた。
「ここは?どこですか?」
と呟く僕の頭に
[ここに呼び出したのは我だ。]
と言う渋い声が響いた。
「貴方は・・どなたですか?」
と言うと
[我はベストラル。その方に依頼があってここに呼び出したのは。]
と言う言葉に
「ベストラル!・・最高神様。何の依頼でしょうか?」
と言うと
[この世界はいま澱みが酷くてな、このままでは崩壊の恐れがあるのだ。そこでお主に依頼じゃ。新しい風を吹かせて澱みを浄化してほしいのだ。好きな事で良い、この世界に風を吹かせてくれ。]
と言われた。
これを聞いて僕は、さらに料理と道具と被服に力を入れる事にしたのだ。
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