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行軍訓練と王宮での訓練
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ーー 行軍訓練
早朝学園の中庭に集まったA・Bクラスの新入生40人。
そこのそれぞれの担任教師が
「今から団体行動となります。10人を1グループに2つに分けます。次の人からここに並んでください。」
と言いながら担任教師は、男女がちょうど10人ずつだったので男女に分けた後。
「この班は班長にベティーさんを指名します、この班は班長にデリック君を指名します。2人とも行軍訓練終了まで頑張ってください。」
と指示をすると皆に馬車に乗るよう言いつけた。
2時間ほど馬車に揺られ目的地の森に到着した、ここは王都南に広がる森である。
馬車から降りた私たちに教師は、班長に一枚の地図と荷物それと注意事項を指示して訓練が開始された。
私はまず班員を集めると地図を広げて行軍の行程及び注意事項を伝える。
「班長、質問があります。この大きな荷物はどうやって運びましょうか?私たちには大きく重くかなりのハンデになると思いますが。」
とキャロライン様が言うのに私は、荷物を収納して
「こうすれば自分の荷物以外は手ぶらでいいでしょ。」
と言うと皆、驚きながらも喜んでくれた。
「貴方さすが上級クラスに飛び級するだけのことはお有りのようね、期待してるわ。」
とキャロライン様が言う。
その後グループをさらに二つに分け、行軍する事にした。
「何故、二つに分けられたの?」
ともう一つにリーダーキャロライン様が聞く
「同じ目的で行軍するのだから、リーダーとしての立場が2人いれば色々な意見や方法が出し合えるでしょう。」
と答える
「いい考えだわ。協力しましょう。」
と言ってくれた。
出発は最後であった私たちは、手荷物が少ないことと5人ずつのグループに分かれた事で、移動速度が上がった。
昼の昼食時には先頭に立っていた。
「この辺りでお昼にしましょう。」
と声をかけ、適当な広場に私はテーブルと椅子を人数分出して軽食を並べ始めた。
「貴方これは何かしら?」
と尋ねるキャロライン様に
「行軍訓練で一番大切なのは、体力を出来るだけ失わないことと食事と睡眠だと聞いていたので、私が準備できることは準備しておいたの。これで食事が短時間に取れて休む事ができるでしょ。」
「確かにそうね、こんな非常識な魔法使いがいれば、行軍訓練なんてハイキングのようね。」
と笑って軽食に箸をつけてくれたが
「なな!これは大変おいしいわ。」
と思わず声に出していた。
ゆっくりと休憩ができた私たちは、予定時間にその夜の野営地にたどり着いた。
「この辺りにも魔物が出るようです、2人人組で見張りを立てたいと考えていますが、くじ引きで順番を決めましょう。」
とくじ引きを始めた。
順番が決まれば次は、テントの準備だ。
収納していた学園から渡されたテントをみんなに協力で設置していく。2人用が5張りだ。
その中に私は入ると空間拡張の魔法を付与し、ベッドを2個ずつ置いていく。
「貴方また何をしているのです?」
キャロライン様が尋ねる
「睡眠はとても重要な事です。少しでも休めるようにベッドを準備してきたのです。」
と答え、食事のためのテーブルと椅子を並べ出す。
「食事は私の方で用意したものがいいでしょうかそれとも、カマドを準備し火をつけて味気ない食事をしますか?」
と尋ねると皆
「ベティー様にお任せします。」
と答えてくれた。
私はテーブルの上にまだ暖かいスープや肉料理にやわらかいパンを山のように準備すると
「さあ頂きましょう。」
と皆で食事を始めた。
その頃2番目のグループが到着した頃で、かなり疲れている様子だった。
その姿を見てキャロライン様が
「貴方の言うことに間違いはなさそうね。でもこれじゃ本当にハイキングみたいだわ。」
と笑ってパンを食べていた。
「ベティー様、このパンは何故ここまで柔らかいのですか?」
この前一緒に買い物をしたルーシー嬢が質問してきた
「これは我がホワイト伯爵領で作られる白パンです。」
と答えておいた。
食事が済んだ後私は、収納から6畳ほどの広さの木製の板で作られた小屋を取り出した。扉を開けて中に入り浴槽にお湯をたっぷり溜めると
「2人ずつお風呂に入りましょう。最初は見張りの順番で。」
と言いながらお風呂に入れた。
汗をかいていたので皆喜んで身体を洗い髪を洗った。
暗くなる頃最後に2人がお風呂から上がったのを見届けて、小屋を収納し見張りの話をすることにした。
「2時間交代で見張りをします。ただ周辺には私が結界を張るので起きているだけに時間になると思います。」
と伝えると、見張りと聞いて緊張していた皆は安堵した顔をしていた。
「本当に貴方、規格外の魔法師ね。」
キャロライン様がそう言うとテントに戻られた。
その日の夜、新入生が野営をしている場所にオオカミ系の魔物が現れた。
その数40頭ほどの大きな群れだ。
引率の教師や雇われた冒険者もいたがあまりにも大きな群れのために、追い払う事ができず危険な状況であった。
私たちのグループを除いて。
「ベティー様、周りが騒々しいようです。魔物が来ているようですが大丈夫でしょうか?」
とその時間の見張りのクラスメイトに聞かれ
「問題ありません、あの程度の魔物に破られるような結界ではないので。」
と答えると、安心して見張りに戻った。
その後見張りの時間になり起こされた私は、周囲にの気配を探ると。
魔物は撃退されたようで、近くにはいませんでしたが引率の教師や冒険者に怪我人が出たようです。
魔物も完全に諦めたのではないようで、離れた所から様子を見ているにが分かりました。
その後は朝まで魔物の襲撃はありませんでした。
朝食を済ませると、私たちは十分に回復したところで帰り支度を始めます。
「さあみなさん最後まで気を抜かないようにお願いしますわよ。」
二つに分かれたグループが目的地に向かい歩き出す。
暫くするとオオカミ系の魔物が付いてきているのがわかった私は、皆から少し離れて魔物を待った。
「ライジン」
私がそう呟くと20余の雷が魔物めがけて宙を走ると、一撃で群れを半壊させた。
さらにリーダー格のオオカミに
「ライジン」
と少し強めの雷撃を落とすと、呆気なく倒すことができ、リーダーを失った群れは一目散に逃げ去った。
「何をしていたの?」
とキャロライン様が聞いてきたので
「オオカミ系の魔物を退治してきました。」
と答えると
「先ほどの雷鳴は貴方の攻撃魔法の音だったのね。」
と納得の顔をしていた。
時間より少し早めに集合場所に戻ってきた私達を出迎えた引率の教師に
「昨晩魔物の襲撃があり、数人が怪我したようです。」
と教えると慌てて数人が迎えに向かった。
学園に無時に戻った私たちは、適時解散をした。
するとキャロライン様が
「ベティー、私の屋敷に明日来てくれませんか?」
とお誘いを受けた、
「ええ大丈夫ですわ、伺わせていただきますわ。」
と了承した私は、帰りにその旨ハンナに伝えておいた。
次の日、私は調理人に作らせた私のレシピのお菓子を収納して馬車で公爵家の屋敷にっ向かった。
屋敷に着くと出迎えた家令が案内して屋敷内に
「お呼びいただきありがとうございます、キャロライン様。」
と出迎えたキャロライン様に挨拶をすると
「こちらこそ、お世話になったお礼です。ゆっくりしていただきたいわ。」
と笑顔で出迎えてくれた。
キャロライン様のお母様も御一緒に小さなお茶会をするために、きれいに手入れをされたお庭の見えるテラスに案内された私は、付き添いにハンナに菓子を渡しながら
「我が家で人気のお菓子でございます。お口に合えば宜しいですが」
と言いながら、ショートケーキを差し入れた。
「まあ!これはなんて柔らかく甘くおいしいお菓子かしら」
公爵夫人も大変喜んでくれたようだ。
その後は行軍訓練のお話を中心に楽しいお茶会をしてお屋敷を後にした。
ーー 公爵夫人 side
昨日、娘からホワイト伯爵家のベティー嬢が、大変魔法がお得意で指導力とカリスマを持っていると聞き、屋敷にお誘いしたと聞いてすぐに情報を集めさせた。
情報によると
・オオカミ系の魔物は約40頭ほどで、生徒及び教師など5人ほどが怪我をした
・魔物は半分以上が落雷を受けたような怪我で死んでいた
・我が娘たちのグループ以外の生徒は、心身共に疲れ果て数日の休養がいるそうだ
・ホワイト伯爵家のベティー嬢は、収納魔法や攻撃魔法が得意で今回の行軍では、かなり有効であったようだ
と言うところが判明した情報であったが、キャロラインから聞いて話の方が数段高い情報でありながら信じ難い情報であった。
先ずその収納力、破格すぎる収納力に時間停止の効果がある収納など、おとぎ話のようなこと。
それに魔物を撃退したと言う雷撃、本当なら20頭以上の魔物を一瞬で倒し力を持っているということになる。
さらに食事の話は、最近評判になっている白パンだ。
これから先もホワイト伯爵家のベティー嬢とは、いい関係を作っておく必要があるようだ。
社交に時にホワイト伯爵夫人に話をつけておきましょう。
ーー ホワイト伯爵夫人 side
今日は娘ベティーが、公爵家のキャロライン様からお誘いを受けて、お屋敷に向かった。
先日の行軍訓練での話を聞いて公爵夫人が出て来るのは想像に固い。
「セバス、以前から準備している話を進めるように伝えておいて。」
と指示をしておく。
公爵夫人はベティーを見てどう出るのかしら。
私から見ても規格外の優秀さ、それに魔法は飛び抜けているわ。
一目置いて付き合いを考えてくれると今後のことがしやすいのだけれども、私の社交にかかっているわね。
ーー 学園での日常
数日後。
新入生の状態が戻ったところで、授業が再開された。
私は上級クラスにて授業を受け始めていた。
このクラスになると流石に私と剣を交える事ができる、先輩達もいてなんとか訓練になりさうだけど。
それでも2対1か3対1の形でしか難しいようだ、今日は教官との模擬戦だがそれでも思いっきり戦えるわけではない。
いくつものハンデを自分に課して訓練するのだ。
魔法に至っては、向かう所敵なしというか相手にできない感じで、ただみんなの攻撃を結界で受けたりしている事が多い。
今度王宮の騎士団との訓練に参加しても良いと言われているので、今後は午後から王宮に向かうことが多くなるだろう。
そう言えばペットのプリチャンは、最近また大きくなって・・あの子本当に猫かしら?と思いだしました。
学園ももうすぐ長期休みも入ります。
自領に帰って計画していた物を早めに作りあげておきましょう。
3日後。
王宮に来ています、騎士団との訓練に参加するためです。
隊長に挨拶をした後、騎士団の後ろについて駆け足について行く。
直ぐにでもへばると思っていた私がいつまでも後ろについているので、そ速度を上げるがいつまで経っても私はついてくる。
さらに速度を上げて駆け足をするが落伍するのは騎士団の方で私に変化はない。
結局30週ほど走って駆け足は終わった。
次は掛かり稽古のような模擬戦だが、私はあまりにも小さいため参加できずに横で剣の素振りを繰り返ししていた。
するとしれを見ていた騎士団団長が
「誰かこのお嬢様の相手をしてあげなさい。」
と近くの新隊員に指示をした。
声をかけられた新隊員は半分嫌そうな顔をしたが、隊長の言葉に逆らえないのか嫌々ながら私の前に立った。
「はじめ!」
と言う鋭い声に私は、一瞬で距離を詰め僕剣を腹に当てる、一拍おいて新隊員が後ろに吹き飛ぶ。
吹き飛ばされた隊員を見た他の騎士たちが興味をそそられる。
「次お前だ!」
新たに指名された隊員が、前に立ち
「はじめ!」
の掛け声で吹き飛ぶ。
次に隊長は中堅クラスの隊員に手合わせするよう指示する、これから先は簡単にはいかないだろう。
2合3合と剣を合わせるが、吹き飛ぶことは変わらない。
「次行け!」
少しずつ隊長の声に怒りの感情が。
私とまともに剣を交えたのは、小隊長クラスからだがそれでも吹き飛ばされることに変わりはなかった。
「次は俺が相手をしよう。」
とうとうと隊長が立ち上がった。
「はじめ」の挨拶から始まったその訓練は、激しいものだった。
折れるたびに取り替えられる剣、満身創痍になる隊長がスキルを使いだした。
流石に剣のスキルを使われると私も本気を出さずにはいられず、何度か隊長を撲殺しかかった。
その様子は、直ちに王宮中に広がり、騎士団の面目は丸潰れであった。
早朝学園の中庭に集まったA・Bクラスの新入生40人。
そこのそれぞれの担任教師が
「今から団体行動となります。10人を1グループに2つに分けます。次の人からここに並んでください。」
と言いながら担任教師は、男女がちょうど10人ずつだったので男女に分けた後。
「この班は班長にベティーさんを指名します、この班は班長にデリック君を指名します。2人とも行軍訓練終了まで頑張ってください。」
と指示をすると皆に馬車に乗るよう言いつけた。
2時間ほど馬車に揺られ目的地の森に到着した、ここは王都南に広がる森である。
馬車から降りた私たちに教師は、班長に一枚の地図と荷物それと注意事項を指示して訓練が開始された。
私はまず班員を集めると地図を広げて行軍の行程及び注意事項を伝える。
「班長、質問があります。この大きな荷物はどうやって運びましょうか?私たちには大きく重くかなりのハンデになると思いますが。」
とキャロライン様が言うのに私は、荷物を収納して
「こうすれば自分の荷物以外は手ぶらでいいでしょ。」
と言うと皆、驚きながらも喜んでくれた。
「貴方さすが上級クラスに飛び級するだけのことはお有りのようね、期待してるわ。」
とキャロライン様が言う。
その後グループをさらに二つに分け、行軍する事にした。
「何故、二つに分けられたの?」
ともう一つにリーダーキャロライン様が聞く
「同じ目的で行軍するのだから、リーダーとしての立場が2人いれば色々な意見や方法が出し合えるでしょう。」
と答える
「いい考えだわ。協力しましょう。」
と言ってくれた。
出発は最後であった私たちは、手荷物が少ないことと5人ずつのグループに分かれた事で、移動速度が上がった。
昼の昼食時には先頭に立っていた。
「この辺りでお昼にしましょう。」
と声をかけ、適当な広場に私はテーブルと椅子を人数分出して軽食を並べ始めた。
「貴方これは何かしら?」
と尋ねるキャロライン様に
「行軍訓練で一番大切なのは、体力を出来るだけ失わないことと食事と睡眠だと聞いていたので、私が準備できることは準備しておいたの。これで食事が短時間に取れて休む事ができるでしょ。」
「確かにそうね、こんな非常識な魔法使いがいれば、行軍訓練なんてハイキングのようね。」
と笑って軽食に箸をつけてくれたが
「なな!これは大変おいしいわ。」
と思わず声に出していた。
ゆっくりと休憩ができた私たちは、予定時間にその夜の野営地にたどり着いた。
「この辺りにも魔物が出るようです、2人人組で見張りを立てたいと考えていますが、くじ引きで順番を決めましょう。」
とくじ引きを始めた。
順番が決まれば次は、テントの準備だ。
収納していた学園から渡されたテントをみんなに協力で設置していく。2人用が5張りだ。
その中に私は入ると空間拡張の魔法を付与し、ベッドを2個ずつ置いていく。
「貴方また何をしているのです?」
キャロライン様が尋ねる
「睡眠はとても重要な事です。少しでも休めるようにベッドを準備してきたのです。」
と答え、食事のためのテーブルと椅子を並べ出す。
「食事は私の方で用意したものがいいでしょうかそれとも、カマドを準備し火をつけて味気ない食事をしますか?」
と尋ねると皆
「ベティー様にお任せします。」
と答えてくれた。
私はテーブルの上にまだ暖かいスープや肉料理にやわらかいパンを山のように準備すると
「さあ頂きましょう。」
と皆で食事を始めた。
その頃2番目のグループが到着した頃で、かなり疲れている様子だった。
その姿を見てキャロライン様が
「貴方の言うことに間違いはなさそうね。でもこれじゃ本当にハイキングみたいだわ。」
と笑ってパンを食べていた。
「ベティー様、このパンは何故ここまで柔らかいのですか?」
この前一緒に買い物をしたルーシー嬢が質問してきた
「これは我がホワイト伯爵領で作られる白パンです。」
と答えておいた。
食事が済んだ後私は、収納から6畳ほどの広さの木製の板で作られた小屋を取り出した。扉を開けて中に入り浴槽にお湯をたっぷり溜めると
「2人ずつお風呂に入りましょう。最初は見張りの順番で。」
と言いながらお風呂に入れた。
汗をかいていたので皆喜んで身体を洗い髪を洗った。
暗くなる頃最後に2人がお風呂から上がったのを見届けて、小屋を収納し見張りの話をすることにした。
「2時間交代で見張りをします。ただ周辺には私が結界を張るので起きているだけに時間になると思います。」
と伝えると、見張りと聞いて緊張していた皆は安堵した顔をしていた。
「本当に貴方、規格外の魔法師ね。」
キャロライン様がそう言うとテントに戻られた。
その日の夜、新入生が野営をしている場所にオオカミ系の魔物が現れた。
その数40頭ほどの大きな群れだ。
引率の教師や雇われた冒険者もいたがあまりにも大きな群れのために、追い払う事ができず危険な状況であった。
私たちのグループを除いて。
「ベティー様、周りが騒々しいようです。魔物が来ているようですが大丈夫でしょうか?」
とその時間の見張りのクラスメイトに聞かれ
「問題ありません、あの程度の魔物に破られるような結界ではないので。」
と答えると、安心して見張りに戻った。
その後見張りの時間になり起こされた私は、周囲にの気配を探ると。
魔物は撃退されたようで、近くにはいませんでしたが引率の教師や冒険者に怪我人が出たようです。
魔物も完全に諦めたのではないようで、離れた所から様子を見ているにが分かりました。
その後は朝まで魔物の襲撃はありませんでした。
朝食を済ませると、私たちは十分に回復したところで帰り支度を始めます。
「さあみなさん最後まで気を抜かないようにお願いしますわよ。」
二つに分かれたグループが目的地に向かい歩き出す。
暫くするとオオカミ系の魔物が付いてきているのがわかった私は、皆から少し離れて魔物を待った。
「ライジン」
私がそう呟くと20余の雷が魔物めがけて宙を走ると、一撃で群れを半壊させた。
さらにリーダー格のオオカミに
「ライジン」
と少し強めの雷撃を落とすと、呆気なく倒すことができ、リーダーを失った群れは一目散に逃げ去った。
「何をしていたの?」
とキャロライン様が聞いてきたので
「オオカミ系の魔物を退治してきました。」
と答えると
「先ほどの雷鳴は貴方の攻撃魔法の音だったのね。」
と納得の顔をしていた。
時間より少し早めに集合場所に戻ってきた私達を出迎えた引率の教師に
「昨晩魔物の襲撃があり、数人が怪我したようです。」
と教えると慌てて数人が迎えに向かった。
学園に無時に戻った私たちは、適時解散をした。
するとキャロライン様が
「ベティー、私の屋敷に明日来てくれませんか?」
とお誘いを受けた、
「ええ大丈夫ですわ、伺わせていただきますわ。」
と了承した私は、帰りにその旨ハンナに伝えておいた。
次の日、私は調理人に作らせた私のレシピのお菓子を収納して馬車で公爵家の屋敷にっ向かった。
屋敷に着くと出迎えた家令が案内して屋敷内に
「お呼びいただきありがとうございます、キャロライン様。」
と出迎えたキャロライン様に挨拶をすると
「こちらこそ、お世話になったお礼です。ゆっくりしていただきたいわ。」
と笑顔で出迎えてくれた。
キャロライン様のお母様も御一緒に小さなお茶会をするために、きれいに手入れをされたお庭の見えるテラスに案内された私は、付き添いにハンナに菓子を渡しながら
「我が家で人気のお菓子でございます。お口に合えば宜しいですが」
と言いながら、ショートケーキを差し入れた。
「まあ!これはなんて柔らかく甘くおいしいお菓子かしら」
公爵夫人も大変喜んでくれたようだ。
その後は行軍訓練のお話を中心に楽しいお茶会をしてお屋敷を後にした。
ーー 公爵夫人 side
昨日、娘からホワイト伯爵家のベティー嬢が、大変魔法がお得意で指導力とカリスマを持っていると聞き、屋敷にお誘いしたと聞いてすぐに情報を集めさせた。
情報によると
・オオカミ系の魔物は約40頭ほどで、生徒及び教師など5人ほどが怪我をした
・魔物は半分以上が落雷を受けたような怪我で死んでいた
・我が娘たちのグループ以外の生徒は、心身共に疲れ果て数日の休養がいるそうだ
・ホワイト伯爵家のベティー嬢は、収納魔法や攻撃魔法が得意で今回の行軍では、かなり有効であったようだ
と言うところが判明した情報であったが、キャロラインから聞いて話の方が数段高い情報でありながら信じ難い情報であった。
先ずその収納力、破格すぎる収納力に時間停止の効果がある収納など、おとぎ話のようなこと。
それに魔物を撃退したと言う雷撃、本当なら20頭以上の魔物を一瞬で倒し力を持っているということになる。
さらに食事の話は、最近評判になっている白パンだ。
これから先もホワイト伯爵家のベティー嬢とは、いい関係を作っておく必要があるようだ。
社交に時にホワイト伯爵夫人に話をつけておきましょう。
ーー ホワイト伯爵夫人 side
今日は娘ベティーが、公爵家のキャロライン様からお誘いを受けて、お屋敷に向かった。
先日の行軍訓練での話を聞いて公爵夫人が出て来るのは想像に固い。
「セバス、以前から準備している話を進めるように伝えておいて。」
と指示をしておく。
公爵夫人はベティーを見てどう出るのかしら。
私から見ても規格外の優秀さ、それに魔法は飛び抜けているわ。
一目置いて付き合いを考えてくれると今後のことがしやすいのだけれども、私の社交にかかっているわね。
ーー 学園での日常
数日後。
新入生の状態が戻ったところで、授業が再開された。
私は上級クラスにて授業を受け始めていた。
このクラスになると流石に私と剣を交える事ができる、先輩達もいてなんとか訓練になりさうだけど。
それでも2対1か3対1の形でしか難しいようだ、今日は教官との模擬戦だがそれでも思いっきり戦えるわけではない。
いくつものハンデを自分に課して訓練するのだ。
魔法に至っては、向かう所敵なしというか相手にできない感じで、ただみんなの攻撃を結界で受けたりしている事が多い。
今度王宮の騎士団との訓練に参加しても良いと言われているので、今後は午後から王宮に向かうことが多くなるだろう。
そう言えばペットのプリチャンは、最近また大きくなって・・あの子本当に猫かしら?と思いだしました。
学園ももうすぐ長期休みも入ります。
自領に帰って計画していた物を早めに作りあげておきましょう。
3日後。
王宮に来ています、騎士団との訓練に参加するためです。
隊長に挨拶をした後、騎士団の後ろについて駆け足について行く。
直ぐにでもへばると思っていた私がいつまでも後ろについているので、そ速度を上げるがいつまで経っても私はついてくる。
さらに速度を上げて駆け足をするが落伍するのは騎士団の方で私に変化はない。
結局30週ほど走って駆け足は終わった。
次は掛かり稽古のような模擬戦だが、私はあまりにも小さいため参加できずに横で剣の素振りを繰り返ししていた。
するとしれを見ていた騎士団団長が
「誰かこのお嬢様の相手をしてあげなさい。」
と近くの新隊員に指示をした。
声をかけられた新隊員は半分嫌そうな顔をしたが、隊長の言葉に逆らえないのか嫌々ながら私の前に立った。
「はじめ!」
と言う鋭い声に私は、一瞬で距離を詰め僕剣を腹に当てる、一拍おいて新隊員が後ろに吹き飛ぶ。
吹き飛ばされた隊員を見た他の騎士たちが興味をそそられる。
「次お前だ!」
新たに指名された隊員が、前に立ち
「はじめ!」
の掛け声で吹き飛ぶ。
次に隊長は中堅クラスの隊員に手合わせするよう指示する、これから先は簡単にはいかないだろう。
2合3合と剣を合わせるが、吹き飛ぶことは変わらない。
「次行け!」
少しずつ隊長の声に怒りの感情が。
私とまともに剣を交えたのは、小隊長クラスからだがそれでも吹き飛ばされることに変わりはなかった。
「次は俺が相手をしよう。」
とうとうと隊長が立ち上がった。
「はじめ」の挨拶から始まったその訓練は、激しいものだった。
折れるたびに取り替えられる剣、満身創痍になる隊長がスキルを使いだした。
流石に剣のスキルを使われると私も本気を出さずにはいられず、何度か隊長を撲殺しかかった。
その様子は、直ちに王宮中に広がり、騎士団の面目は丸潰れであった。
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