異世界大冒険〜ある女性の新たな人生

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レベルアップによる成長

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ーー 成長

大森林から帰ってきたベティーは、数日寝込むことになった。
心配する両親にベティーは
「心配入りませんわ。レベルアップの影響です、体が丈夫になるだけですから。」
と言うと深い眠りについた。

5日後目を覚ましたベティーが、身体をベットから起こすと視界に違和感が・・・?
そこに侍女のスージーが現れ、大きな姿見の鏡を据えた。
「それはどうしたの?」
と尋ねるベティーにスージーが
「ベティーお嬢様、お姿をお写になられればわかります。」
と言うのでベッドから降りて!鏡を見るとそこには美しい少女が
「私大きくなってるの?」
と言うと言葉にスージーが
「はい、お嬢様がお眠りになってになっから日毎に体が成長していました。」
と教えてくれた。

もう一度鏡を見ながら成長具合を確認すると、以前はスージーの 胸下だった背がスージー肩ほどまで成長している、約30cmだ。
体つきも幼児体型から少女よ女性の中間くらい、胸も幾分か張り出してきている。
細いウエスト長い手足、丸顔から少し面長になった顔は天使のようだった。
自画自賛のようだが本当にそんな感じなのだ。

新しいきつや下着に服が揃えられていた。
「どこまで成長されるか分からなかったので、かなりの種類をご用意しました。今の背でしばらく成長が止まるのであれば、この辺りのサイズですね。」
と言いながらスージーは、数枚の洋服と下着を取り出してくれた。

着替えが済むと髪を整えて薄く化粧をしてリビングに降りてゆく。
リビングには両親が待っていた。
「お父様、お母様ご心配かけました。」
と声をかけると、ベティーを見た両親からは
「「美しく成長したね。」」
と言われた。

幼い頃急激なレベルアップをした者に見られる現象だと言われ、珍しいがドラゴンスレイヤーになった娘がそのままだとは、両親とも思っていなかったようだ。

もうすぐ9歳のベティーは、すでに見た目では13・4歳ほどの少女である。
ここは15歳で成人を迎えるにで、見た目は成人間近の少女という感じだ。


ーー 学園生活を再開


体調が馴染むとベティーは学園に登校し始めた。
クラスや学園の子たちが遠巻きにベティーを見にくる。
ドラゴンスレイヤーとなり、子爵の貴族位を持つ貴族となり、急激な成長を見せた少女を一眼見たいという好奇心が抑えられないのだろうが、貴族となった彼女に失礼はできないのだが・・子供にはまだ分からないかな。

レベルアップした私の魔力は、以前に増して増大しており初級の魔法を使うのにも細心の魔力操作が必要となった。
さらに新しい「叡智」というスキルは、この世界の知らない知識を全て教えてくれるもので、予想以上にすごいスキルだった、その為今までそれっぽかった独創魔法が完全に「創造魔法」としてスキルになっていた。

「これで怖いものはないわね。どーんとこいだわ。」
と前向きな私は、便利なものを作り始めた。

「トイレをどうにかしたかったのよね。後はシャワーにドライヤー・・他にもいっぱいあるわね。」
と独り言を言いながら夜な夜な魔道具を作り始めた。


穏やかの日々が過ぎ去り、学園入学から1年が経過した。
ベティーは飛び級とレベルアップによる成長から、最上級生のクラスに編入されることになった。
来年からは、残るのであれば特別クラスになるそうだ。

新しいクラスメイトに挨拶をして、授業に参加するが教師よりも上の知識と技能と魔法があるため、ほぼ自学習という名の放置である。
そこで魔道具作りに没頭するベティーだった。


ーー ものづくりは楽しい


暑い夏が来る前にと私は、馬車用のクーラーと屋敷用のクーラーを作っている。
魔石をカートリッジ式にする事で、エネルギーの交換がスムーズになったのだ。
馬車には後部に室外機を設置し、小型化したクーラーを設置した。
さらに冷蔵庫・温蔵庫を備え空間拡張魔法の付与で室内は10倍ほどになり、寝室兼個室やトイレ・お風呂を備え付けることが可能になった。
当然重力魔法で軽量化された馬車に強固な防御結界が施されている。
更にもしも馬が倒れた場合を想定し、魔道の馬(ゴーレム・ホース)を準備している。

屋敷にも当然だが全室クーラー完備で、ウォシュレット付きのトイレやシャワー追い焚き機能付きの浴槽が備え付けられている。

厨房には更に冷凍・温蔵庫に魔道具のオーブンやヒーターそれに食器洗い機、ミキサーにパンを焼きための石窯、火力の強い魔石レンジが置かれている。
「これで毎日美味しいパンやご飯が食べれるわ。」
独り言を言いながら他の部屋を見て回るベティー嬢。


女性用のコスメや化粧品にも妥協はしなかった。
世前のコスメ・化粧品の種類は膨大であり、どれも不要と思えないものばかりであった。
そこで細かく系統立てて製品を作り上げて、お母様に試供してもらうと
「全て製品化しなさい。でも一番効果の高いものはダメよ、私に渡すのよ。」
と注意を受けた。

他には、新しい料理のレシピとその材料を創造する。
 バニラビーンズや味噌醤油などは1から作ったり見つけるのが大変、それとチョコレートの元であるカカオ、コーヒーの豆に白い砂糖や塩・胡椒など簡単に作れるのはとてもいいよね。

前世でお菓子作りをよくしていた私は、昔を思い出しながらケーキを焼く。
生クリームを搾りベースのスポンジにサンドし季節の果物を載せて、フルーツケーキを作り上げた。
夕食の後のデザートでお母様に食べてもらうと
「これは凄いわ、是非内のパーティーには出してちょうだい。」
と言われた。
更に最近気づいたが、叡智のスキルは私の過去の知識を鮮明に思い出してレシピ化することが可能なようで、料理本なども生み出してしまった。

「あの人が喜んで食べてくれたポテトサラダや子供の好きだったハンバーグなど、思い出深い料理まで再現し創造してくれる。これは私の宝箱のスキルだわ。」
そう独り言を言いながら、いろいろなものを生み出した。

この世界の人の使う魔法は、4属性の他は光と闇の二つを足して6つと言われている。
エルフなどの精霊魔法を除けば、氷や雷それに重力や時空魔法など御伽噺の類になる。
「ちょっと考え知らずにやっちまった感があるけど、いまさらだよね。」
と1人言い訳しながら今後のことを考える私だった。


私前世では、オートバイに乗っていたの。
この世界でも乗り物に乗りたいわ、馬もいいけどオートバイを作ろうかしら。
私は自分が乗っていたバイクを思い出しながら創造魔法を構築する。
「いでよ!マイオートバイ」
と魔力と気合を込めると、目の前に新車のバイクがしかも思い通りにカスタムされている。
私少し足が届かなかったのよね。
と思いつつまたがろうとすると・・。
「今の私じゃ体が小さいわ。・・アメリカンの足つきのいいのを出すしかないわね。」
と気を取り直して
「いでよ!マイアメリカンバイク」
と、もお一度魔力をこめると、そこには昔乗っていたアメリカンバイクが。
「そうそうこれよこれ、これなら足がなんとか着くわね。」
と言いながら厚底ブーツや手袋、ヘルメットを創造して身につけた。
「これ、ガソリンやオイルは入っているのかしら?」
と言いながらタンクキャップを開けるとガソリンが満タンに。
「ひょっとして・・取り出すたびに満タンかもしれないわね。」
と言いながらエンジンキーをオンに、セルを押すと
「ブルルン」
という音と共にエンジンに火が入る。

早速走り出しながら昔の感覚を思い出す、悪路用にオフロードタイヤでも良かったかもしれないわね。
快調に走ること30分、満足した私はバイクを収納して屋敷に帰ると
「お嬢様ご無事でしたか?この近くで魔獣が出たようで、ものすごいスピードで唸っていました。」
と侍女のスージーが青い顔で話しかけた。
「こめんなさい。」
小さな声で謝る私。

その後私は自分の部屋で、スマホ代わりになる連絡用の魔道具や真っ暗な中でも見える暗視スコープを作っていた。
さらに暗殺者が普通に職業としてあるこの世界に身を守るものとして、防刃ベストやシャツにズボン、毒マスクやゴーグルを次々に作っていく。

「でも・・魔法があるから・・でも私以外の魔法が得意でない人の・・。お守りみたいなものでもいいのかしら?よし、作ってみよう。」
と1人納得しながら、ネックレスやブレスレットタイプの魔道具やお守りを作り始めた私、出来上がっては侍女のスージーに試してもらうと
「お嬢様、これはすばらいいものです。是非広めましょう・・・いや、まだ秘密にして家族や親しいものだけにしておきましょう。」
と興奮した顔から冷静な侍女の顔に変わって、
「お嬢様の能力を狙う者がいることも考える必要がありますから。」
と言った。

今回作った者で最高の出来と思えるものは、「身代わりの指輪」だった。
これは一度だけ命に関わるような事象を無かった事にする時空魔法のお守りだ。
これを家族と親しいものにプレゼントとして配った。
肌に離さずつけてほしいので、それぞれの名前とホワイト侯爵家の家紋をあしらった。

意外と早くこの指輪の効果が現れる事件が起きたのだが、それはもう少し先の話。


ーー  魔法の威力が半端ない


スキル叡智はいろいろな恩恵を与えてくれる、各種魔法に神大魔法と言われる忘れられた属性氷と雷それに時空魔法に重力魔法である。

収納袋を作る空間拡張は、小さなものなら今でも作ることはできるが、時間停止の効力のあるものは作ることができないと信じられていた。
まー、8歳の子供が作っていたので、今では作ることも可能であるとされているが。

さらに重力魔法は、飛行魔法の肝となる魔法なので、箒で空を飛ぶ魔法使いは存在していない。

当然のことであるが、瞬間移動や転移魔法もほぼ存在しないがたまにスキルを持って生まれる者がいて、小さな荷物程度なら転移させることができるとされている。

さて魔剣と言われる属性付与の武器が存在するが、今では魔剣を製作できる鍛治スキルを持つものもほとんどいない。
付与魔法士の中に魔石と合体させて魔剣を作る者がいるが、効果は過去の魔剣っも足元にも及ばない。

以前私が、王国の騎士団に納品を頼まれた属性剣については、属性魔力のキッカケとなる属性の魔石と伝導率の高い素材が柄に使われていたのだ。
そのため、魔力さえあれば魔石の属性を纏い攻撃することができるのだ。

そんな物作りをしていた私の元に「オークの群れを見つけたので、討伐に参加してほしい。」という依頼が舞い込んできた。

王都から馬車で2日の行程の森でのこと、最近ゴブリンとコボルトと言う魔物が、いっしょに狩りをしているという情報がもたらされた。
普段は決して行動を共にしない、魔物が一緒に行動する場合はそれ以上の魔物が、それらを従えている事が考えられる。

その為物見の冒険者が依頼を受けて森に潜りその上位手を探すと、オークの巨大な集落を見つけたのだった。
その数500~600ほどで、群れのリーダーはエンペラー級と考えられている。

依頼を受けた私は、新しく考えて作り出した対魔物用の兵器を使うことにした。
それは無味無臭の空気二酸化炭素である。
魔法で集落を結界で囲い、その中に二酸化炭素発生装置を稼働させるのである。
このオークの500~600の群れの危険性は、魔物のスタンピードを引き起こす直前と思われるほど危険な状態で、王国軍が出て冒険者と共同で討伐する案件である。

今回冒険者が同国を渋ったという情報があり、王国は王国軍のみで討伐に向かうようだ。
冒険者がこの様に国難と言える事態に対応しないことは、普段あり得ない事であるが何かきな臭い理由がある様だ。

討伐の出発のため、王宮に馬車で向かった私に騎士団長が笑顔で迎えてくれる。
「ベティー子爵様、この度の御助力感謝します。」
というと団長さんは、討伐予定を教えてくれた。
そこで私は、
「今回私の作った、広範囲の攻撃用魔道具を使うので、協力をお願いします」
と言うと
「喜んでご協力させてもらいます」
と答えてくれた。

2日後、森に着くと私は、結界の魔道具をオークの集落を囲む形で設置し始めた。
王国軍には周囲の警戒と見張ら偵察役の、ゴブリンやコボルトの間引きを依頼していた。
3時間ほどで、設置が終了した魔道具を稼働させ、半径3kmを結界で囲んだ私は、結界内にあるある魔道具を稼働させた。
「明日の朝、集落を確認しますので待機をおながいします。」
と団長さんに頼むと私は、食事の準備をしてゆっくりと休むことにした。

他の王国軍の騎士や兵士の方々は、気もそぞろでゆっくりと休む余裕はなかった様だが、次の日の朝私が魔道具を止めて、風魔法で空気を入れ替えてオークの集落を目指すと。
「これはなんと言う事だ!」
兵士らが驚きの声を上げていた、それは無傷のオークが死に絶えていたからだ。
ただ森の低い位置にいる動物や他の魔物も死に絶えていたので、いかに恐ろしい毒を使ったのかと怯えた様だ。
「物凄い効果ですね、今は大丈夫なのですよね。」
団長さんが聞いてきたので
「はい、問題ないです。」
と答えて集落に入った。
流石の数のオーク、エンペラーと思える個体の他、ナイト、メイジやキングの姿もあった。
「危ないとこでした、これらのオークと戦えば王国軍もかなりの損害が出ていたでしょう。」
団長さんがそう言うと、新たに私が追加した魔法袋にオークを収納し、その日の内に集落を破壊して森を出た。
オークはかなりの財宝を持っていた様で、団長さんがホクホク顔だった。
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