131 / 195
本編
半魚らしいです
しおりを挟む
「あはは!ルシー、僕は自意識過剰だったみたいだ」
いやいや、ギル兄様はまだご自分の存在価値をわかっていないと思う。
ギル兄様はそこに存在して下さるだけで、我々に幸せを運んでくれる神様だ。
もっともっと意識してもらいたい。
「あの、先程からコチラを気にしていましたよね?何かありましたか?」
「何かって、そりゃ」
「ああ!初めて見たもんでさ。伴侶をジロジロ見られて嫌だったよな」
そして、さっきからこの冒険者達は自分を見て半魚だと言ってくるのだが、自分の何処に魚要素があるというのだ。
まさかと思うが、体臭が生臭とか…。
嫌すぎる。
自分の腕を嗅いでみたがわからない。
自分の体臭が気にならないとは本当らしい。
「にいしゃま!ぼく、くちゃい!?」
「えぇ?何?ルシーの匂いは良い匂いだよ?」
どうやらギル兄様にとって不快な匂いでは無い様で安心したが今後の対策を少し考えておこう。
「マジで動いて、喋ってるぜ」
「思ったより大きいんだな」
「…あの、この子が何か?」
ギル兄様、深く突っ込んではいけません。
彼らは自分の事を半魚だと思っているのです。
魚が陸地で動いて喋ってる事が信じられないのでしょう。
良いのです。
コロポックルから始まり、人外認定は慣れています。
「お手伝い妖精のブラウニーだろ」
「マジで、見つけた時はビビったよな」
ん?チョコレートのケーキがどうしたというのだ。
いや、それよりもお手伝い妖精とはなんだ。
座敷童子の親戚か?
わからない事が多すぎる。
「まさか、あんな可愛い舞まで見せてもらえるなんて。国で自慢したらみんなこぞってココに来るだろうな」
「俺たちも拠点をここに移そうぜ」
よくわからないが彼らはお手伝い妖精の半魚が気に入ったという事だろうか。
嫌われるよりは好かれていたいので、とりあえずニコニコしながら手を振っておく。
勿論、片手はギル兄様にしがみついたままでだが。
「ギルバート、ファル君、どうしたんだい?」
ここでやっとパパが帰って来た。
ゴミを捨てに行っただけなのに遅すぎる。
その所為でギル兄様の笑顔が一時、曇っていたのだ。
ギル兄様の笑顔が失われるのは世界の損失と言っても過言では無いと思っている。
「パパ、おちょいのよぉ!」
「ごめんよ。話しかけられちゃって、これでも急いだんだよ?」
領主で騎士団長のパパがよく話しかけられるのは知っているので、そう言われてしまったらもう文句は言えない。
「父上、他国の冒険者の方々です。竜人族の事を教えてくれました。あと、ルシーの事をブラウニーだと勘違いされている様で…」
「領主様じゃないですか!息子さんが竜人とブラウニーって、前世でどんな徳を積んだんですか。羨ましいな!」
どうやら彼らはパパと顔見知りだったらしい。
楽しそうに話し出してしまった。
そして自分はお昼寝の時間に突入してしまいそうだ。
さっきの雨乞いダンスで疲れてしまい、ギル兄様に抱っこされている安心感からか目蓋が重くなってくる。
「ふふふ。ルシー、おねむだね。大丈夫だから寝ていいよ」
トントンと背中を規則的に叩かれ、ギル兄様にしがみついたままストンと眠りに落ちていった。
いやいや、ギル兄様はまだご自分の存在価値をわかっていないと思う。
ギル兄様はそこに存在して下さるだけで、我々に幸せを運んでくれる神様だ。
もっともっと意識してもらいたい。
「あの、先程からコチラを気にしていましたよね?何かありましたか?」
「何かって、そりゃ」
「ああ!初めて見たもんでさ。伴侶をジロジロ見られて嫌だったよな」
そして、さっきからこの冒険者達は自分を見て半魚だと言ってくるのだが、自分の何処に魚要素があるというのだ。
まさかと思うが、体臭が生臭とか…。
嫌すぎる。
自分の腕を嗅いでみたがわからない。
自分の体臭が気にならないとは本当らしい。
「にいしゃま!ぼく、くちゃい!?」
「えぇ?何?ルシーの匂いは良い匂いだよ?」
どうやらギル兄様にとって不快な匂いでは無い様で安心したが今後の対策を少し考えておこう。
「マジで動いて、喋ってるぜ」
「思ったより大きいんだな」
「…あの、この子が何か?」
ギル兄様、深く突っ込んではいけません。
彼らは自分の事を半魚だと思っているのです。
魚が陸地で動いて喋ってる事が信じられないのでしょう。
良いのです。
コロポックルから始まり、人外認定は慣れています。
「お手伝い妖精のブラウニーだろ」
「マジで、見つけた時はビビったよな」
ん?チョコレートのケーキがどうしたというのだ。
いや、それよりもお手伝い妖精とはなんだ。
座敷童子の親戚か?
わからない事が多すぎる。
「まさか、あんな可愛い舞まで見せてもらえるなんて。国で自慢したらみんなこぞってココに来るだろうな」
「俺たちも拠点をここに移そうぜ」
よくわからないが彼らはお手伝い妖精の半魚が気に入ったという事だろうか。
嫌われるよりは好かれていたいので、とりあえずニコニコしながら手を振っておく。
勿論、片手はギル兄様にしがみついたままでだが。
「ギルバート、ファル君、どうしたんだい?」
ここでやっとパパが帰って来た。
ゴミを捨てに行っただけなのに遅すぎる。
その所為でギル兄様の笑顔が一時、曇っていたのだ。
ギル兄様の笑顔が失われるのは世界の損失と言っても過言では無いと思っている。
「パパ、おちょいのよぉ!」
「ごめんよ。話しかけられちゃって、これでも急いだんだよ?」
領主で騎士団長のパパがよく話しかけられるのは知っているので、そう言われてしまったらもう文句は言えない。
「父上、他国の冒険者の方々です。竜人族の事を教えてくれました。あと、ルシーの事をブラウニーだと勘違いされている様で…」
「領主様じゃないですか!息子さんが竜人とブラウニーって、前世でどんな徳を積んだんですか。羨ましいな!」
どうやら彼らはパパと顔見知りだったらしい。
楽しそうに話し出してしまった。
そして自分はお昼寝の時間に突入してしまいそうだ。
さっきの雨乞いダンスで疲れてしまい、ギル兄様に抱っこされている安心感からか目蓋が重くなってくる。
「ふふふ。ルシー、おねむだね。大丈夫だから寝ていいよ」
トントンと背中を規則的に叩かれ、ギル兄様にしがみついたままストンと眠りに落ちていった。
131
あなたにおすすめの小説
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる