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本編
一人は嫌だがみんなでなら…
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店の外で待っていてくれた熊と虎と合流し、お屋敷に帰る事になった。
そういえば、ずっと自分の肩に乗っていたトカゲがいつのまにか居なくなっていたのだが、どうやら2匹と一緒にいた様だ。
トカゲは虎の背中に張り付いていた。
これから一度、騎士団に寄ってから帰るらしい。
「パパ、にいしゃま、ありがとぉ。たのちかったぁ」
「よかった。これからも3人で色んなところに遊びに行こうね」
「ルシー、また僕と街へ遊びに来てくれる?」
「うん!」
こちらからお願いする案件だろう。
ギル兄様とお出掛けなんてご褒美だ。
何処へだって着いて行きます。
騎士団には夜勤の人が数人残っているだけだった。
普通の騎士団なら夜勤にも人員が割かれるらしいのだが、ここでは獣が夜は大活躍するらしい。
それでも何かあった時の為に、数人だけは毎日配置されていると聞いたので、お土産にパンを買ってもらってきたのだ。
例のカラフルなパンではなく普通のだが、揚げた魚が挟まっていて美味しそうだったのでこれに決めた。
肉もあったのだが、トラウマ級の硬さを思い出して自分で食べるわけでもないのに手が出なかった。
「こりぇ、よる、たべちぇね」
食堂にいた隊員に渡すと嬉しそうに受け取ってもらえた。
「ファルシュター君、今度また遊びにきてね」
この隊員は相棒にウサギがいる。
ただ頭から大きなツノが生えているウサギだ。
大きさも自分が丸まった時と同じくらいある大きなウサギなのだが、最近はよくパパの仕事部屋で一緒に遊ぶ友達である。
この隊員がパパへ書類を届けに来た時に一緒に着いて来ていた為、拉致したのが始まりだ。
耳がたれていて、茶色の毛はふわふわしている。
とても大人しく可愛い子なのだ。
今は居ないのかとキョロキョロと周りを見るも、どうやら近くには居ない様だ。
とても残念である。
パンを渡し終えて、パパの部屋に戻る。
いつもは人も多く、獣も沢山見かけるので騒がしいくらいなのだが、静かな騎士団は初めてで少しだけ怖い。
ギル兄様が抱っこしてくれていて助かった。
「にいしゃま、ちじゅかねぇ」
「今日はお休みの日だから、いつもより人も少ないからね。そうだ、家に帰ったら早速リボンつけてみようか?」
お揃いのアレですね。
今日は一日中ギル兄様を独占しその上、お揃いのリボンまで買ってもらった。
ご褒美が多すぎて明日からの落差が怖いところだが、悔いは無い。
お屋敷に戻るとセイバースさんや従僕トリオが玄関で迎えてくれた。
そうだ。
お礼を言っておこう。
「あにょね、たんちゅ、したのぉ。じょうじゅ、できたよ、ありがと」
ギル兄様の笑顔を取り戻す事に成功したのはあの雨乞いダンスを一緒に練習してくれた4人のお陰である。
今後も、新しいダンスを覚えておいて損はないだろう。
何かの時の保険は必要だ。
「また、だんちゅ、おちえてねぇ」
「えっ!?ダンスって何?パパ、見てないよ」
「父上はゴミを捨てに行っていたので見逃しましたね。とても可愛いダンスですよ」
従僕トリオの足にくっついてお願いしていると、パパが何故かとても慌てていた。
そんなに見たいのならもう一度踊ろう。
ギル兄様にもお願いされていたのだ。
「みんにゃで、だんちゅ、しゅる?」
一人で踊るのは嫌だが、ここには仲間がいる。
絶対に逃がしはしない。
そういえば、ずっと自分の肩に乗っていたトカゲがいつのまにか居なくなっていたのだが、どうやら2匹と一緒にいた様だ。
トカゲは虎の背中に張り付いていた。
これから一度、騎士団に寄ってから帰るらしい。
「パパ、にいしゃま、ありがとぉ。たのちかったぁ」
「よかった。これからも3人で色んなところに遊びに行こうね」
「ルシー、また僕と街へ遊びに来てくれる?」
「うん!」
こちらからお願いする案件だろう。
ギル兄様とお出掛けなんてご褒美だ。
何処へだって着いて行きます。
騎士団には夜勤の人が数人残っているだけだった。
普通の騎士団なら夜勤にも人員が割かれるらしいのだが、ここでは獣が夜は大活躍するらしい。
それでも何かあった時の為に、数人だけは毎日配置されていると聞いたので、お土産にパンを買ってもらってきたのだ。
例のカラフルなパンではなく普通のだが、揚げた魚が挟まっていて美味しそうだったのでこれに決めた。
肉もあったのだが、トラウマ級の硬さを思い出して自分で食べるわけでもないのに手が出なかった。
「こりぇ、よる、たべちぇね」
食堂にいた隊員に渡すと嬉しそうに受け取ってもらえた。
「ファルシュター君、今度また遊びにきてね」
この隊員は相棒にウサギがいる。
ただ頭から大きなツノが生えているウサギだ。
大きさも自分が丸まった時と同じくらいある大きなウサギなのだが、最近はよくパパの仕事部屋で一緒に遊ぶ友達である。
この隊員がパパへ書類を届けに来た時に一緒に着いて来ていた為、拉致したのが始まりだ。
耳がたれていて、茶色の毛はふわふわしている。
とても大人しく可愛い子なのだ。
今は居ないのかとキョロキョロと周りを見るも、どうやら近くには居ない様だ。
とても残念である。
パンを渡し終えて、パパの部屋に戻る。
いつもは人も多く、獣も沢山見かけるので騒がしいくらいなのだが、静かな騎士団は初めてで少しだけ怖い。
ギル兄様が抱っこしてくれていて助かった。
「にいしゃま、ちじゅかねぇ」
「今日はお休みの日だから、いつもより人も少ないからね。そうだ、家に帰ったら早速リボンつけてみようか?」
お揃いのアレですね。
今日は一日中ギル兄様を独占しその上、お揃いのリボンまで買ってもらった。
ご褒美が多すぎて明日からの落差が怖いところだが、悔いは無い。
お屋敷に戻るとセイバースさんや従僕トリオが玄関で迎えてくれた。
そうだ。
お礼を言っておこう。
「あにょね、たんちゅ、したのぉ。じょうじゅ、できたよ、ありがと」
ギル兄様の笑顔を取り戻す事に成功したのはあの雨乞いダンスを一緒に練習してくれた4人のお陰である。
今後も、新しいダンスを覚えておいて損はないだろう。
何かの時の保険は必要だ。
「また、だんちゅ、おちえてねぇ」
「えっ!?ダンスって何?パパ、見てないよ」
「父上はゴミを捨てに行っていたので見逃しましたね。とても可愛いダンスですよ」
従僕トリオの足にくっついてお願いしていると、パパが何故かとても慌てていた。
そんなに見たいのならもう一度踊ろう。
ギル兄様にもお願いされていたのだ。
「みんにゃで、だんちゅ、しゅる?」
一人で踊るのは嫌だが、ここには仲間がいる。
絶対に逃がしはしない。
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