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最後までするならあなたがいい
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しおりを挟む「――フィルギニア君」
愛おしい人の声が聞こえた気がした。
「フィルギニア君!」
耳にまとわりついていた蔓が取り除かれた。
「ごめんね、フィルギニア君。まさかこんな反応になるとは思っていなかったんだ」
目隠し状態になっていた蔓も取り除かれて、私は光を取り戻す。涙と逆光でよく見えない。でも、ボサボサとした黒い髪、無精髭は見覚えがある。眼鏡が木漏れ日を少し反射して、その奥の緑色の瞳に情けない姿の私が映っていた。
「しつ……ちょう……?」
「あと……本当に申し訳ないんだけど、僕を受け入れてくれないかな?」
「室長……?」
「辞表、書いていいからね」
悲しそうに笑って、アナスタージウス室長は私に口づけをした。
あなたからのキス程度で辞表なんて書きませんってば……
そっと目を閉じて薄く唇を開けると、舌がぬるりと入り込んできた。蔓なんかよりもずっと気持ちがいい。情熱的なキス。
愛する人との口づけはこんなにも幸福なのね……好きです、愛しています、室長……
喉の奥を刺激されると、太腿に愛液が流れ落ちる気配があった。今すぐここをあなたで満たしてほしい。
「フィルギニア君……」
眼鏡の奥のアナスタージウス室長の瞳に熱を感じる。彼が私に欲情することなんてないだろうから、私の思い込みなんだろうけど。
だとしても、私は嬉しい。
「アナスタージウス室長……」
名前を呼んだだけなのに、誘うみたいに甘ったるい声になった。もう、この劣情は隠しきれない。ねだって、埋めてもらおう――そう決意したとき、太腿に触れる温かなものの気配に驚いた。
「室長……?」
私の太腿に触れていたのは彼の手のひらだと理解した。愛液をすくうように撫であげられて、やがて秘裂に指先が当たった。
「あっ……」
「ずいぶん濡れているね……中も濡れているの?」
私が返事をする前に、彼の指が蜜壺の中にするりと入り込んだ。
「し、しつ、ちょ……⁉︎」
「痛くない?」
何が起きているのかわからない。パニックになっていてうまく言葉も出てこない。
ただ、私の中を確かめる彼の二本の指を、私は引き止めようと懸命に締め付けていた。
「あ、あのっ……」
「すっかりほぐれているみたいだ。少し安心した」
「室長、わ、私……」
目の前にいるのは本当にアナスタージウス室長なのだろうか。私が意識を失う前に見ている幻影ではなかろうか。
私に触れて欲情する室長を、私は信じられなかった。こんな彼をずっと求めていたというのに。
「そうだね。君の身体がこんなふうにいやらしく反応しちゃっているのは、媚薬に使われる成分の影響だよね。わかってる。僕は勘違いなんてしないから」
「そうじゃなくて……ああっ」
「いいんだ。何も言わないで。文句は落ち着いてから聞くよ」
「しつちょ……んぅ……」
唇を唇で塞がれる。言葉を奪われると同時に指の抽挿が激しくなった。快感が引き出され、でも物足りなさにそこがうねる。
「ああ、んっ……」
「ごめん、これ以上は待てない。挿れるよ」
私が何も返せないうちに指が引き抜かれ、熱い塊が蜜壺に突き立てられた。ぐっと肉が押し広げられる気配がある。そんな身体を開かれる痛みよりも、そこがしっかりと満たされることに恍惚とした感覚を得た。
「あぁんっ」
「あんまり気持ちよくさせられないだろうけど、我慢して。努力はするから」
「は、はい……」
私は彼から受け入れてと言われて断らなかった。そもそも拒絶をするつもりもないし、むしろずっと願ってきたことだ。
アナスタージウス室長は……身体だけの関係でさえ嫌だったのかな……
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