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最後までするならあなたがいい
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助け出すのに必要があったようにはどうしても思えなかった。あんなに謝りながら抱く必要がどうしてあるのだろう。
処置を終えて指が引き抜かれたので、私はゆっくりと上体を起こす。腰に鈍痛がある。激しく打ちつけられたからに違いない。
私の問いに、アナスタージウス室長の表情があからさまに強張った。
「それは……助けに入ったら、君がとても扇情的な姿になっていて……いや、その、助け出すには異性の精が必要だったりして、ね。目隠ししているし音も聞こえなくさせられているうちに、僕が君を犯して、助けようと思ったんだけど……フィルギニア君がつらそうにして泣くから……やはり黙ったままはよくないなって……」
説明されて、記憶を辿る。
確か、蔓が蜜壺から引き抜かれたあと、入口に熱を感じていた。先端が球状で、熱くて硬い感じの。
え、じゃあ、アレはアナスタージウス室長の……だったってこと?
「そうだよね、こんなまわりくどいことをしなくても、植物を焼いてしまえばよかった話なんだよね……都合のいい言い訳ばかりで、ごめん……」
アナスタージウス室長は私に頭を下げた。
「君を一秒でも早く助け出すのに、迷うべきじゃなかった。植物よりも君を優先して考えられないなんて、上官としては失格だ」
そこは、まあ……植物を出来るだけ保存しようと考えてしまう部分は室長らしいと思うので気にしませんけど。責任を感じてくれていることについても、真面目なあなたのことなので、そうなるだろうなって思えますけど。
後悔の吐露は続く。
「それに、君に手を出してしまった。自分がアカデミー時代に世話になった先生のお嬢さんでもあるのに、大事にできなかった……。君を見て欲情し、制御できなかったんだ、情けない」
え、お父様の生徒だったの?
確かに私の父は王立アカデミーで講師をしている。勤務歴は長い。それゆえに実家の書斎は本が充実しているし、王立魔導研究所を私に勧めるわけである。
「ずっと我慢してきた反動もあるんだと思う。君からの好意を、恋愛や男女間のソレだとは勘違いしないようにしてきたつもりだよ。君がどんなに僕好みの女性であっても、よき先生としてあろうと努めてきたんだ。本当に……もう台無しだけどね……」
薄く笑ったのちに、アナスタージウス室長は膝を抱えてうなだれた。しょんぼりしている。
「ごめんね。本当にごめんね。処分は受けるから、ちゃんとしかる場所に訴えてね。思い出すだけでヘドが出るだろうけど、こういうことはちゃんとしてケジメをつけないといけないから、よろしく頼むよ。僕は研究所を追い出されて、アカデミーでの功績まで抹消されるかもしれないけど、それでも構わないから。君は優秀な研究者だ。フィルギニア君が研究所に残って、研究成果を将来に繋ぐべきだと思うよ。だから、僕を追い出して、君は残って。僕の研究を無理に引き継がなくていいから、君は研究者になって」
――そんなふうに考えてくれていたのか……
意外だった。たくさんの功績を挙げている研究者としては優秀なアナスタージウス室長が、どうして私に対して公私ともに卑屈な態度をとるのかと疑問を抱いていたが、それが私を遠ざけたかったからだなんて。
しかも私、室長の好みだったのね。若さくらいしか取り柄がなさそうだけど。若いっていっても、世の中的には婚期を逃したって言われる年齢だけど。
私はこの状況をどうしたらいいのかわからなかった。素直に喜んでもバチは当たらないだろうと思ったが、それではアナスタージウス室長の想いに応えたことにはならない気がする。
でも、このままずっと黙っているわけにはいかない。室長ばかり喋らせるのも気の毒な感じがする。
処置を終えて指が引き抜かれたので、私はゆっくりと上体を起こす。腰に鈍痛がある。激しく打ちつけられたからに違いない。
私の問いに、アナスタージウス室長の表情があからさまに強張った。
「それは……助けに入ったら、君がとても扇情的な姿になっていて……いや、その、助け出すには異性の精が必要だったりして、ね。目隠ししているし音も聞こえなくさせられているうちに、僕が君を犯して、助けようと思ったんだけど……フィルギニア君がつらそうにして泣くから……やはり黙ったままはよくないなって……」
説明されて、記憶を辿る。
確か、蔓が蜜壺から引き抜かれたあと、入口に熱を感じていた。先端が球状で、熱くて硬い感じの。
え、じゃあ、アレはアナスタージウス室長の……だったってこと?
「そうだよね、こんなまわりくどいことをしなくても、植物を焼いてしまえばよかった話なんだよね……都合のいい言い訳ばかりで、ごめん……」
アナスタージウス室長は私に頭を下げた。
「君を一秒でも早く助け出すのに、迷うべきじゃなかった。植物よりも君を優先して考えられないなんて、上官としては失格だ」
そこは、まあ……植物を出来るだけ保存しようと考えてしまう部分は室長らしいと思うので気にしませんけど。責任を感じてくれていることについても、真面目なあなたのことなので、そうなるだろうなって思えますけど。
後悔の吐露は続く。
「それに、君に手を出してしまった。自分がアカデミー時代に世話になった先生のお嬢さんでもあるのに、大事にできなかった……。君を見て欲情し、制御できなかったんだ、情けない」
え、お父様の生徒だったの?
確かに私の父は王立アカデミーで講師をしている。勤務歴は長い。それゆえに実家の書斎は本が充実しているし、王立魔導研究所を私に勧めるわけである。
「ずっと我慢してきた反動もあるんだと思う。君からの好意を、恋愛や男女間のソレだとは勘違いしないようにしてきたつもりだよ。君がどんなに僕好みの女性であっても、よき先生としてあろうと努めてきたんだ。本当に……もう台無しだけどね……」
薄く笑ったのちに、アナスタージウス室長は膝を抱えてうなだれた。しょんぼりしている。
「ごめんね。本当にごめんね。処分は受けるから、ちゃんとしかる場所に訴えてね。思い出すだけでヘドが出るだろうけど、こういうことはちゃんとしてケジメをつけないといけないから、よろしく頼むよ。僕は研究所を追い出されて、アカデミーでの功績まで抹消されるかもしれないけど、それでも構わないから。君は優秀な研究者だ。フィルギニア君が研究所に残って、研究成果を将来に繋ぐべきだと思うよ。だから、僕を追い出して、君は残って。僕の研究を無理に引き継がなくていいから、君は研究者になって」
――そんなふうに考えてくれていたのか……
意外だった。たくさんの功績を挙げている研究者としては優秀なアナスタージウス室長が、どうして私に対して公私ともに卑屈な態度をとるのかと疑問を抱いていたが、それが私を遠ざけたかったからだなんて。
しかも私、室長の好みだったのね。若さくらいしか取り柄がなさそうだけど。若いっていっても、世の中的には婚期を逃したって言われる年齢だけど。
私はこの状況をどうしたらいいのかわからなかった。素直に喜んでもバチは当たらないだろうと思ったが、それではアナスタージウス室長の想いに応えたことにはならない気がする。
でも、このままずっと黙っているわけにはいかない。室長ばかり喋らせるのも気の毒な感じがする。
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