魔導師として宮廷入りしたので、殿下の愛人にはなりません?

一花カナウ

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挟めるだけのモノがありますので?

体勢が変わって

 くるりと体勢が変わって、私はベッドの上に組み敷かれていた。脚が開かれて、リシャール殿下の身体が間に入って来る。それをぼんやりと理解している間に、ズブッと挿入が果たされた。一度挿れられているからか、痛みはない。

「え、あの、次回、ですか?」
「うん。今日は避妊薬も準備したことだし、ナカに出したい気分になってきちゃった」

 リシャール殿下はゆっくりと抽挿を始める。話が脱線してしまったのでナカは乾いてしまったのではないかと少し心配していたが、軽く擦られるとすぐに水音が聞こえてくる。動きも滑らかで、行為をするには問題はなさそうだ。

「そう……ですか……」

 リシャール殿下の言葉に、私はつい、しょんぼりした声を出してしまう。彼はすぐにそれに気づいてくれた。

「浮かない顔ですね。ナカに出されるのは怖いですか?」

 少しずつ早くなっていく抽挿で私の身体はほどよく揺さぶられている。自分でするよりもずっと気持ちがいいのは、きっと身体の相性や魔力の相性がよいからなのだろう。
 それでも、ちょっと気が乗らなかったのは、リシャール殿下が指摘するようなことが理由ではない。

 確かに、妊娠は女魔導師としては避けたい部分がある。
 というのも、妊娠中は次世代に魔力を分け与えるためなのか、一時的に魔法を使えなくなってしまう。そうなってしまうと宮廷魔導師としてのお仕事が行えない。だから、女魔導師たちは妊娠にはとても気をつかうものである。
 そういった理由で、性行為に対する講義は宮廷入りするなり真っ先に教えられることの一つだ。つまり宮廷魔導師であれば、必ず持っている基礎知識である。

「こ、怖くはないです。殿下がお持ちになった避妊薬ですもの、効果は絶対だと信用できますからね」

 殿下の質問には答えなければと、快楽に委ねてしまいそうになるところを抑えて私は返事をする。

「じゃあ、胸で挟めなかったことが気がかり?」

 そう問われて、私は小さく頭を横に振った。

「私は……殿下を不愉快な気持ちにさせてしまったことが……申し訳なくて」

 私は殿下が急にナカに出したい気持ちになったのは、私を罰する面もあるのだろうと解釈をしていた。男性はそうやって女性を支配するのだと、どこかで聞いたことがあったのを思い出したのである。
 別に、自身が罰せられることについては異論はない。今夜は楽しもうと思って私を呼んだのに、その私に不機嫌にさせられたのだから、彼のような立場の人間であればそうするのが自然だと考えられた。私を抱くことで苛立ちを発散できるのなら、私は従うだけである。

 喘ぐ声を控えめにして返事をすると、抽挿が止められた。
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