魔導師として宮廷入りしたので、殿下の愛人にはなりません?

一花カナウ

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魔導師として宮廷入りしたので、殿下の愛人にはなりません?

ここに呼ばれた本当の理由

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「私があなたの命を狙うこともあるかもしれない、ってことですか?」
「賢いね。そういうこと」

 短く答えると、リシャール殿下はベッドの上であぐらをかいた。私と向かい合うと、壇上で見かけたときと同じ真面目な顔を作った。服は着ていないけど。

「君の魔力の由来についてはメルが調査しています。そもそも出生も明らかではないですしね。実際、捨て子だったという話が真実なのかも疑わしいです」
「捨て子じゃない?」

 育ての親とは明らかに外見が違うので産みの親とは違うとわかる。だが、捨て子ではないのなら、あの娼館に私の親がいたということだろうか。
 私が疑問を口にすると、リシャール殿下は重々しく頷く。

「捨て子ということにした方が都合が良かったのかもしれない、ということです。ただ、私とメルの見解としては、君を産んだときになんらかの事故で母親が死亡してしまった説を推しますけど」
「あの娼館にいた人物が私を産んで亡くなってしまった……なるほど」

 辻褄は合いそうだ。
 避妊に失敗し、出産に至ってしまった場に居合わせたことがある。生まれた子どもは私のように裏方の雑用をしていた。
 ちなみに親が亡くなったことも、あるいは生後間もない子が亡くなったこともある。そのくらい大変なのだ、出産は。

「母親が仮にそうだったとして、次は父親についてなのですが、彼はこの宮廷内にいる可能性が非常に高い」

 リシャール殿下が話し出した父親の情報に、私はさらに驚いた。

「え、待ってください。それってどういう……?」
「あの娼館に出入りする人間のほとんどが貴族の、とりわけ王家に仕えている人間なのです。君があの娼館で生まれた子どもであるなら……全て言わずともわかるでしょう?」

 そういうことか、と私は理解する。
 娼館を出入りできる立場の人間が限られている以上、父親もどういう人物なのかが絞り込めるはずだ。

「そんなわけで、君の父親が君に接触し、利用しようとひっそり企むこともありうる。だから気軽には明かせないのです。今の君の反応を見たところ、両親の心当たりはなさそうで良かった」

 明るい口調で告げられたが、次期国王がするようなことではないと思う。私は戸惑った。

「……そんな状況で私を抱いたんですか?」
「君の魔力の質を知るのにも抱くのは手っ取り早い手段なんですよ。メルが嫌がったからと、ものすっごく私の好みだったからという理由で張り切らせていただきました!」

 キリッとして言われたが、素っ裸だと全く絵にならない。

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