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残された弟子たちの話
何が彼を死なせたか?
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国からの呼び出しがかかって、僕はなかなか動かないアウルを引っ張って宮殿に参上した。
「アウル、いいですか? 西の大賢者様が亡くなった今、あなたはあのお方の代理人という立場なんです。呼び出しに応じないなんてあってはならないこと。おわかりですか?」
「別にお前だけでもいいじゃないか。堅っ苦しい場所って好きじゃないんだよ」
「それはよく存じていますが、今日を避けていたのは別の理由ですよね?」
「いや……むむ……」
指摘してやると、アウルは口籠った。いつもならご明察とかご名答とか返すところなのに。
「そんなに嫌なら、拠点を変えることも検討したらいかがです? 協力しますよ」
「それだとルーンとリリィがやりづらくなるだろうが。面倒くさい」
宮殿内の応接室で待たされていたが、やがて僕たちを呼び出した人物が部屋に入ってきた。一緒にいた護衛は外に追い出し、室内は三人だけになった。
「――ご無沙汰しております、王太子様」
僕たちは入ってきた煌びやかな人物――この王国の次期王に頭を下げた。歳は僕たちと近く、幼少期からの知り合いである。
「久しぶりだね、アウルにルーン。君たちの活躍は報告書で読ませてもらってるよ。私も一緒に冒険をしたいものだ」
「ははは、ご冗談を」
明るく笑いながら告げる王太子様に対し、アウルはそっけない。
今日の呼び出しは王太子様からなのだが、アウルは気乗りがしないらしく彼からの招集を何度も断ってきたらしい。僕がもっと早く知っていたら、引き継ぎ作業に追われて動けないだのと言い訳して逃げ回っていたアウルを説得して、面会を一年も待たせたりしなかったのに。
「で、アウルはいつ大賢者としての仕事をするんだい?」
今日の本題にいきなり入った。アウルはつまらなそうな顔をして、王太子様から視線を外した。
「俺は引き継がない」
「でも、仕事を引き継ぐために私の呼び出しを断っていたじゃないか。それって、後継者としての自覚があったからじゃないの?」
アウルは子どもっぽい感じに膨れていた。自分の失策を省みているようにも感じられる。
良い言い訳を思いつけない程度には動揺していたってことなんだろうな。
助け舟を出しておいたほうがいいのだろうか――そう感じて、僕は口を挟むことにする。
「仕事の引き継ぎは大賢者様に言いつけられていたからであって、後継者に選ばれたからではありません」
「どうかなあ」
僕の言葉に、王太子様は冷たい視線をよこした。
「そもそも、西の大賢者様が亡くなったのは殺されたからでしょ? 犯人はあれから一年以上経つのに捕まっていないよね」
「……え?」
あからさまに動揺して声が出てしまった。どういうことだ?
僕は知っている情報を瞬時に思い返す。なぜか僕は西の大賢者様の死因は病死だと思い込んでいた。死に際に遺言があったから、そんなふうに考えていたのだろう。
「あれ? 西の大賢者様の死についての詳細は極秘情報で知っている人はほとんどいないはずだけど、ルーンまで聞いていないなんて」
「あ、いえ……一応独立していて遠方にいましたので、噂程度しかうかがっていなかったんです」
素直に暴露すると、王太子様はアウルに冷たい視線を投げた。
「それは奇妙な話だ。大賢者様の愛弟子は君たちとリリィくんの三人だろう? 知らされないはずはない」
「奇妙かどうかは、僕たちには僕たちの暗黙の了解がありますから、王太子様が考える普通と僕たちの普通が異なっていてもおかしくはないかと」
アウルはまだ黙っている。
「ふぅん。そう? でも、僕は疑っているんだ。アウルが大賢者様を殺したんじゃないかって。アウルが大賢者様の側にいて、それで他殺であるのに、犯人を捕まえられていないのはおかしいじゃないか」
王太子様の指摘はもっともらしく聞こえる。
アウルは賢者であるが魔道士だ。しかもかなり高位の。あらゆる魔法に長けている彼が犯人を取り逃すのはおかしいし、その時に動揺していて逃したのだとしても、未だに捕まえられずにいるのは不思議だ。
「……悪いな。俺だって人の子なんだよ。命を救うほうを優先するのが自然だと思う」
「ふぅん……そういう返しをするのか」
「救えるなら、救いたかったさ」
ボソッと呟かれたアウルの言葉には後悔が混じっていた。
一体何があった?
頑なにきちんとした答えを言おうとしない様子に、僕は引っ掛かりを感じた。
「アウル……?」
「そっかそっか。もういいよ、今日は帰って。アウルに後ろめたいことがあるのはよくわかったから。今後の身の振り方、よく考えるんだな」
王太子様はアウルを軽蔑するように目を細めると、部屋を出て行った。
*****
「――この世界にはさまざまな理があることは、この職業に就くにあたって知ってきたつもりだ」
帰りの馬車の中。アウルは外部に音が漏れないように魔法をかけて、唐突に喋り出した。
「ええ、僕だって少しはわかっているつもりですよ」
西の大賢者様の下で、僕もずっと学んできたつもりだ。お陰で知識だけなら大賢者様に匹敵するんじゃないかとまで言われている。それは自負してもいいはずだ。
「ヒトは必ず死ぬ」
「ええ、そうですね」
「大賢者様はご自分の死期をご存知だった。自分の死を――殺されることを受け入れて死んだ。俺にはそれが理解できない」
真面目すぎる顔で、アウルは重々しく告げる。
「へえ……自殺しようとしたことのあるあなたがそんな言葉を口にするんですか」
「俺は死を怖いとは思っていないし、俺は俺のすべきことをこの人生では終えていると思ってさえいる。生きている理由が俺にはない」
「僕にはありますけど」
「へえ」
「そうじゃなくて。僕はあなたに生きていてほしいと思っていますよってことです」
「なぜ?」
「なぜって……」
一緒にいたい人のそばにできるだけ長くいたいという感覚は彼にはないんだろうか。
自分にとって自然だと感じているものが、ひょっとしたら彼には通じないのではということに不意に気づいて口をつぐんだ。
暗黙の了解の話を王太子様の前でしたことも脳裏をよぎる。
「――大賢者様は俺を見つけたとき、生きるように促した。俺はこの世界にいちゃいけない存在だと言い聞かされていたから、何を言ってるんだかさっぱり掴めなくて、結局今もよくわからない」
彼は自身の手を見つめ、手のひらを閉じたり開いたりしている。悩んでいる時の彼の癖。
僕は彼の手に自分の手を重ねた。
「なんのために生かされているのかは、死ぬ直前までわからないそうですよ。未遂で気づけるのは誰が自分を必要としてくれていたかくらいですから、あなたはとにかくがむしゃらに生きてください」
「……生きるのが面倒くせー。――ああ、ほんと、こういうのを直視したくねえから行きたくなかったんだ。明日は高難易度ミッションを片付けに行くぞ。帰宅したらリリィに連絡」
「はいはい」
消音の魔法を消されたので、この話は終わりということだろう。
僕はあきれた笑いを返しながら、あることに気づいてしまった。
――ひょっとして、今でも……
高難易度のミッションをわざわざ選んで片付けているのは、自分たちの強さに応じたものを選んでいるわけじゃなくて、死ぬ場所を探しているからではなかろうか。
――だとしたら。
僕は、あなたのそばで、最期まで必ず守るよ。
《完》
「アウル、いいですか? 西の大賢者様が亡くなった今、あなたはあのお方の代理人という立場なんです。呼び出しに応じないなんてあってはならないこと。おわかりですか?」
「別にお前だけでもいいじゃないか。堅っ苦しい場所って好きじゃないんだよ」
「それはよく存じていますが、今日を避けていたのは別の理由ですよね?」
「いや……むむ……」
指摘してやると、アウルは口籠った。いつもならご明察とかご名答とか返すところなのに。
「そんなに嫌なら、拠点を変えることも検討したらいかがです? 協力しますよ」
「それだとルーンとリリィがやりづらくなるだろうが。面倒くさい」
宮殿内の応接室で待たされていたが、やがて僕たちを呼び出した人物が部屋に入ってきた。一緒にいた護衛は外に追い出し、室内は三人だけになった。
「――ご無沙汰しております、王太子様」
僕たちは入ってきた煌びやかな人物――この王国の次期王に頭を下げた。歳は僕たちと近く、幼少期からの知り合いである。
「久しぶりだね、アウルにルーン。君たちの活躍は報告書で読ませてもらってるよ。私も一緒に冒険をしたいものだ」
「ははは、ご冗談を」
明るく笑いながら告げる王太子様に対し、アウルはそっけない。
今日の呼び出しは王太子様からなのだが、アウルは気乗りがしないらしく彼からの招集を何度も断ってきたらしい。僕がもっと早く知っていたら、引き継ぎ作業に追われて動けないだのと言い訳して逃げ回っていたアウルを説得して、面会を一年も待たせたりしなかったのに。
「で、アウルはいつ大賢者としての仕事をするんだい?」
今日の本題にいきなり入った。アウルはつまらなそうな顔をして、王太子様から視線を外した。
「俺は引き継がない」
「でも、仕事を引き継ぐために私の呼び出しを断っていたじゃないか。それって、後継者としての自覚があったからじゃないの?」
アウルは子どもっぽい感じに膨れていた。自分の失策を省みているようにも感じられる。
良い言い訳を思いつけない程度には動揺していたってことなんだろうな。
助け舟を出しておいたほうがいいのだろうか――そう感じて、僕は口を挟むことにする。
「仕事の引き継ぎは大賢者様に言いつけられていたからであって、後継者に選ばれたからではありません」
「どうかなあ」
僕の言葉に、王太子様は冷たい視線をよこした。
「そもそも、西の大賢者様が亡くなったのは殺されたからでしょ? 犯人はあれから一年以上経つのに捕まっていないよね」
「……え?」
あからさまに動揺して声が出てしまった。どういうことだ?
僕は知っている情報を瞬時に思い返す。なぜか僕は西の大賢者様の死因は病死だと思い込んでいた。死に際に遺言があったから、そんなふうに考えていたのだろう。
「あれ? 西の大賢者様の死についての詳細は極秘情報で知っている人はほとんどいないはずだけど、ルーンまで聞いていないなんて」
「あ、いえ……一応独立していて遠方にいましたので、噂程度しかうかがっていなかったんです」
素直に暴露すると、王太子様はアウルに冷たい視線を投げた。
「それは奇妙な話だ。大賢者様の愛弟子は君たちとリリィくんの三人だろう? 知らされないはずはない」
「奇妙かどうかは、僕たちには僕たちの暗黙の了解がありますから、王太子様が考える普通と僕たちの普通が異なっていてもおかしくはないかと」
アウルはまだ黙っている。
「ふぅん。そう? でも、僕は疑っているんだ。アウルが大賢者様を殺したんじゃないかって。アウルが大賢者様の側にいて、それで他殺であるのに、犯人を捕まえられていないのはおかしいじゃないか」
王太子様の指摘はもっともらしく聞こえる。
アウルは賢者であるが魔道士だ。しかもかなり高位の。あらゆる魔法に長けている彼が犯人を取り逃すのはおかしいし、その時に動揺していて逃したのだとしても、未だに捕まえられずにいるのは不思議だ。
「……悪いな。俺だって人の子なんだよ。命を救うほうを優先するのが自然だと思う」
「ふぅん……そういう返しをするのか」
「救えるなら、救いたかったさ」
ボソッと呟かれたアウルの言葉には後悔が混じっていた。
一体何があった?
頑なにきちんとした答えを言おうとしない様子に、僕は引っ掛かりを感じた。
「アウル……?」
「そっかそっか。もういいよ、今日は帰って。アウルに後ろめたいことがあるのはよくわかったから。今後の身の振り方、よく考えるんだな」
王太子様はアウルを軽蔑するように目を細めると、部屋を出て行った。
*****
「――この世界にはさまざまな理があることは、この職業に就くにあたって知ってきたつもりだ」
帰りの馬車の中。アウルは外部に音が漏れないように魔法をかけて、唐突に喋り出した。
「ええ、僕だって少しはわかっているつもりですよ」
西の大賢者様の下で、僕もずっと学んできたつもりだ。お陰で知識だけなら大賢者様に匹敵するんじゃないかとまで言われている。それは自負してもいいはずだ。
「ヒトは必ず死ぬ」
「ええ、そうですね」
「大賢者様はご自分の死期をご存知だった。自分の死を――殺されることを受け入れて死んだ。俺にはそれが理解できない」
真面目すぎる顔で、アウルは重々しく告げる。
「へえ……自殺しようとしたことのあるあなたがそんな言葉を口にするんですか」
「俺は死を怖いとは思っていないし、俺は俺のすべきことをこの人生では終えていると思ってさえいる。生きている理由が俺にはない」
「僕にはありますけど」
「へえ」
「そうじゃなくて。僕はあなたに生きていてほしいと思っていますよってことです」
「なぜ?」
「なぜって……」
一緒にいたい人のそばにできるだけ長くいたいという感覚は彼にはないんだろうか。
自分にとって自然だと感じているものが、ひょっとしたら彼には通じないのではということに不意に気づいて口をつぐんだ。
暗黙の了解の話を王太子様の前でしたことも脳裏をよぎる。
「――大賢者様は俺を見つけたとき、生きるように促した。俺はこの世界にいちゃいけない存在だと言い聞かされていたから、何を言ってるんだかさっぱり掴めなくて、結局今もよくわからない」
彼は自身の手を見つめ、手のひらを閉じたり開いたりしている。悩んでいる時の彼の癖。
僕は彼の手に自分の手を重ねた。
「なんのために生かされているのかは、死ぬ直前までわからないそうですよ。未遂で気づけるのは誰が自分を必要としてくれていたかくらいですから、あなたはとにかくがむしゃらに生きてください」
「……生きるのが面倒くせー。――ああ、ほんと、こういうのを直視したくねえから行きたくなかったんだ。明日は高難易度ミッションを片付けに行くぞ。帰宅したらリリィに連絡」
「はいはい」
消音の魔法を消されたので、この話は終わりということだろう。
僕はあきれた笑いを返しながら、あることに気づいてしまった。
――ひょっとして、今でも……
高難易度のミッションをわざわざ選んで片付けているのは、自分たちの強さに応じたものを選んでいるわけじゃなくて、死ぬ場所を探しているからではなかろうか。
――だとしたら。
僕は、あなたのそばで、最期まで必ず守るよ。
《完》
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