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夜桜・不可思議カフェ百鬼夜行の業務“外”日誌
花盛り
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部屋が明るい。
起きなきゃ……。
心地のいい夢を見ていた気がする。背中側に温もりを感じて、俺はハッと目を開ける。
「にゃーっ!」
「……おやおや。お目覚めかい?」
「にゃにゃにゃ、にゃっ」
店長に背中側から抱き締められている。が、なにかがおかしい。
俺の体、こんなに小さかったか?
身じろぎするが、逃げられない。
「ふふ、奇妙なこともあるものだ。やはり君は猫じゃないか」
「にゃ!」
両脇に手を差し込まれたかと思えば、簡単に抱き上げられてしまった。
店長と向かい合う。彼の目に俺の姿が映った。猫がいる。
「にゃ……」
「いや、猫にしてはいささか大きいか。とても愛らしい」
店長の顔に俺の体が近づけられる。そしてお腹を吸われた。
「にゃーっ!」
突然のことに驚いて、俺は店長の頭を引っ掻いた。拘束が緩んだ隙に俺は後方に跳躍する。いつもよりも身のこなしが軽い。ふわりとバク転宙返りをして、音もなく床に着地した。
影が見慣れたサイズだ。猫の姿から人型に戻れたらしい。
「……な、なにすんだよ!」
「猫の腹はいい匂いがすると聞いていたのでね」
「だから俺は猫じゃねえ!」
「そうはいうが――」
店長が俺の頭を指さした。
俺は示された場所を触る。ふわふわしたそれは耳だ。視界の端にふわふわした細いものが揺れている。
「その耳と尻尾は猫科のそれだろう?」
「……つかぬことを聞くが、店長は猫派か? 犬派か?」
「どちらも好きだよ」
「そうかよ」
俺は頭を掻く。店長とは距離を取ったまま。
動揺して変なことを聞いた気がするが、落ち着きを取り戻せたのでよしとしよう。
「その姿だと店には立てそうにないね」
「悪りいな……半日くらいすれば戻る」
午後からならカフェ百鬼夜行に立てるだろうか。こんな半獣の姿になったのは十数年ぶりなので、どうなるかは正確には読めない。
「気にしなくていい。彼女に連絡はしてある」
「ユリさんに?」
そう尋ねると店長に頷かれた。
ユリさんというのは、俺の前にカフェ百鬼夜行で働いていた女性である。彼女もまた怪異で、自己都合により勤務日数を減らしているのだ。
「どこまで計算していたんだ?」
「そういうこともあるかと思っただけさ。僕自身も調子はよくないから、彼女を呼んでおいたんだよ」
そうだ、店長も調子が悪いんだったな。
ユリさんには丁寧に御礼をしておこうと心に誓う。
「それってやっぱさ……俺の影響を受けているからか?」
「どうかな。影響を受けてみたいと思ったのは確かだが」
影響を受けてみたいってなんだよ。
店長は穏やかな表情でとんでもないことを言い放つ。
「面倒なだけだろ」
「君に巻き込まれるなら本望だ」
ベッドの上に落ちていたシャツを店長が拾って、俺に投げてよこす。俺は素直にキャッチした。素っ裸でどうしようかと思っていたのだ。
「ん」
「目の毒だ。着てほしい」
「貧相で申し訳ないな」
ボタンは留めたままだったので、俺は頭を通してシャツを着る。
ほんと、肌触りが最高だな。半獣のときって敏感になりがちだから助かる。
「もう少し食べてもいいんじゃないかとは思ったよ」
「太りにくい体質なんだよ」
尻尾が立ってしまって後ろが捲れている。困ったものだ。
「必要なら、一時的に君の姿を変えることも可能だが」
ぞくりとする店長の視線を感じて、俺は首を横に振る。
「いや、時間が解決するし」
「……そうか」
なんでガッカリしてる風なんだよ。
「この姿はこの姿で気に入ってんだ」
「猫耳が?」
「そっちじゃねえ!」
返すと、店長はぷっと吹き出して笑った。
「元気そうでなによりだ」
猫耳、意外とアリなんだな、店長のやつ……。
現実的には結構不気味なものなので、二次元キャラみたいに可愛いと思われることの方が稀だったりする。だが怪異どうしだし、その点は気にならないのかもしれない。
ってか、いつまで笑ってるんだよ。
俺は楽しそうに笑っている店長を、彼が落ち着くまで観察することにした。
いつ見ても美人だよな……。肩幅があって筋肉質な体格は、ちょっと、羨ましい。
じっと見ていて、彼が着ている光沢のある白シャツが俺が着ているシャツとお揃いであることに今さら気がついた。もしかすると、同じサイズなのかもしれない。
まあ、俺があの体格になったら動きにくくて困るんだろうけど。
店長の身体から色気のようなものを感じ取ってしまい、俺は視線を少し外した。
「……そっちはどうなんだよ」
「うん?」
「邪気を抑えているんだろ?」
話題を変える。せめてもの抵抗だ。
店長は腕を組んで小さく唸った。
「概ね健康に問題はないが、君が魅力的に見えることと、いろいろと体の準備をしたことが不要になってしまったようで残念に思っているかな」
準備していたのか。
ローテーブルの上に残されていたハウツー本を思い出して頭痛を覚える。俺の身を案じての行動なのだろうけれど、勘弁してほしい。
「あんたとはそういう関係にはなりたくねえよ」
「ふむ、実に残念だ」
残念だとは言うが、内心はどうだか。
「あんたが本気を出したら、誘惑くらいできるんだろ?」
「君が望まないならしないさ。獅子野くんは傷ついているからね。土足で踏み込むことはしない」
意外な返答だった。
店長は俺のことを調べているのだろうか。過去に何があったのか、どういう経緯でこの社会で人間ごっこをするに至ったのか。
未遂、の一言だけで傷ついていると判断したのなら、店長は気遣ってくれているのだろう。俺がこれ以上傷つかないように。
「百目鬼店長だって、いい思い出はないんだろ? 尻込みしているじゃねえか」
手籠めにしようとしてこなかったことに俺は感謝している。その一方で、店長が残念だと思う程度に俺を魅力的だと感じていたなら行動に移しただろうとも想像できた。
俺と店長の力の差は歴然としている。俺ではきっと敵わない。
店長は困ったように笑った。
「尻込み……ああ、そうなのだろうね」
「全治三ヶ月は勘弁してほしい」
「獅子野くんなら一週間の昏睡状態で済むよ」
「充分に問題だろ……」
キスで一週間身動きできないことが問題にならないわけがない。
いや、その先まで込みで一週間なのか?
店長は俺に何をどこまでする心算(こころづもり)があったのだろう。
「ふふ。僕にとっては些細なことなんだがね」
「はぁ……」
俺は大きく息を吐いて、はっと気づく。
ああ、そうか。
彼とは時間の感覚が違うのだと思い至って、俺はなんとも言えない気持ちになった。
この人は、どれだけの時間を孤独の中で過ごしたのだろう。そばにいるだけで相手を壊してしまうその強い力を、どれだけ持て余してきたのだろう。
「さて、朝ごはんを用意しようか。食べるのだろう?」
「……なあ」
眼鏡をかけて部屋を出て行こうとする店長のシャツを掴んだ。店長は足を止めて俺を見やる。
「どうしたかな?」
「は、半日気絶する程度で済むくらいなら」
なんと言って誘えばいいのだろう。
俺が引き止めると、店長は目を見開いてあからさまに動揺していた。
「あんたが俺を必要とするなら、味見くらい、その」
店長の口元が緩む。そして俺の頭に手をのせた。
「獅子野くんが僕を押し倒せる程度に元気なら考えなくもないが、そんな力はないだろう? 今の僕は弱体化している。その状態で君が勝てるようでなければ、君は僕の邪気に抗えない」
猫耳を避けるようにさわさわと頭を撫でて、店長の大きな手が離れていく。
線を引かれてしまった。
今の俺では、ダメなんだ。
「それは……そうだな」
「獅子野くん。僕は遠慮しているわけでも、嫌っているわけでもない。だから、可愛く誘惑するのはそこまでだよ」
ふわりと抱き締められる。
あ。
触れたところから店長が堪えているのを察してしまって、俺は改めて店長の顔を見た。困っている顔。
「わりい……俺」
「君の優しさにつけ込むほど僕は悪い男ではないのだよ」
「自分で言うな」
店長は大人なのだな、と理解して俺は一歩下がった。
「さあ、朝ごはんにしよう」
「俺もやるから指示を出せ」
俺は店長について寝室を出たのだった。
起きなきゃ……。
心地のいい夢を見ていた気がする。背中側に温もりを感じて、俺はハッと目を開ける。
「にゃーっ!」
「……おやおや。お目覚めかい?」
「にゃにゃにゃ、にゃっ」
店長に背中側から抱き締められている。が、なにかがおかしい。
俺の体、こんなに小さかったか?
身じろぎするが、逃げられない。
「ふふ、奇妙なこともあるものだ。やはり君は猫じゃないか」
「にゃ!」
両脇に手を差し込まれたかと思えば、簡単に抱き上げられてしまった。
店長と向かい合う。彼の目に俺の姿が映った。猫がいる。
「にゃ……」
「いや、猫にしてはいささか大きいか。とても愛らしい」
店長の顔に俺の体が近づけられる。そしてお腹を吸われた。
「にゃーっ!」
突然のことに驚いて、俺は店長の頭を引っ掻いた。拘束が緩んだ隙に俺は後方に跳躍する。いつもよりも身のこなしが軽い。ふわりとバク転宙返りをして、音もなく床に着地した。
影が見慣れたサイズだ。猫の姿から人型に戻れたらしい。
「……な、なにすんだよ!」
「猫の腹はいい匂いがすると聞いていたのでね」
「だから俺は猫じゃねえ!」
「そうはいうが――」
店長が俺の頭を指さした。
俺は示された場所を触る。ふわふわしたそれは耳だ。視界の端にふわふわした細いものが揺れている。
「その耳と尻尾は猫科のそれだろう?」
「……つかぬことを聞くが、店長は猫派か? 犬派か?」
「どちらも好きだよ」
「そうかよ」
俺は頭を掻く。店長とは距離を取ったまま。
動揺して変なことを聞いた気がするが、落ち着きを取り戻せたのでよしとしよう。
「その姿だと店には立てそうにないね」
「悪りいな……半日くらいすれば戻る」
午後からならカフェ百鬼夜行に立てるだろうか。こんな半獣の姿になったのは十数年ぶりなので、どうなるかは正確には読めない。
「気にしなくていい。彼女に連絡はしてある」
「ユリさんに?」
そう尋ねると店長に頷かれた。
ユリさんというのは、俺の前にカフェ百鬼夜行で働いていた女性である。彼女もまた怪異で、自己都合により勤務日数を減らしているのだ。
「どこまで計算していたんだ?」
「そういうこともあるかと思っただけさ。僕自身も調子はよくないから、彼女を呼んでおいたんだよ」
そうだ、店長も調子が悪いんだったな。
ユリさんには丁寧に御礼をしておこうと心に誓う。
「それってやっぱさ……俺の影響を受けているからか?」
「どうかな。影響を受けてみたいと思ったのは確かだが」
影響を受けてみたいってなんだよ。
店長は穏やかな表情でとんでもないことを言い放つ。
「面倒なだけだろ」
「君に巻き込まれるなら本望だ」
ベッドの上に落ちていたシャツを店長が拾って、俺に投げてよこす。俺は素直にキャッチした。素っ裸でどうしようかと思っていたのだ。
「ん」
「目の毒だ。着てほしい」
「貧相で申し訳ないな」
ボタンは留めたままだったので、俺は頭を通してシャツを着る。
ほんと、肌触りが最高だな。半獣のときって敏感になりがちだから助かる。
「もう少し食べてもいいんじゃないかとは思ったよ」
「太りにくい体質なんだよ」
尻尾が立ってしまって後ろが捲れている。困ったものだ。
「必要なら、一時的に君の姿を変えることも可能だが」
ぞくりとする店長の視線を感じて、俺は首を横に振る。
「いや、時間が解決するし」
「……そうか」
なんでガッカリしてる風なんだよ。
「この姿はこの姿で気に入ってんだ」
「猫耳が?」
「そっちじゃねえ!」
返すと、店長はぷっと吹き出して笑った。
「元気そうでなによりだ」
猫耳、意外とアリなんだな、店長のやつ……。
現実的には結構不気味なものなので、二次元キャラみたいに可愛いと思われることの方が稀だったりする。だが怪異どうしだし、その点は気にならないのかもしれない。
ってか、いつまで笑ってるんだよ。
俺は楽しそうに笑っている店長を、彼が落ち着くまで観察することにした。
いつ見ても美人だよな……。肩幅があって筋肉質な体格は、ちょっと、羨ましい。
じっと見ていて、彼が着ている光沢のある白シャツが俺が着ているシャツとお揃いであることに今さら気がついた。もしかすると、同じサイズなのかもしれない。
まあ、俺があの体格になったら動きにくくて困るんだろうけど。
店長の身体から色気のようなものを感じ取ってしまい、俺は視線を少し外した。
「……そっちはどうなんだよ」
「うん?」
「邪気を抑えているんだろ?」
話題を変える。せめてもの抵抗だ。
店長は腕を組んで小さく唸った。
「概ね健康に問題はないが、君が魅力的に見えることと、いろいろと体の準備をしたことが不要になってしまったようで残念に思っているかな」
準備していたのか。
ローテーブルの上に残されていたハウツー本を思い出して頭痛を覚える。俺の身を案じての行動なのだろうけれど、勘弁してほしい。
「あんたとはそういう関係にはなりたくねえよ」
「ふむ、実に残念だ」
残念だとは言うが、内心はどうだか。
「あんたが本気を出したら、誘惑くらいできるんだろ?」
「君が望まないならしないさ。獅子野くんは傷ついているからね。土足で踏み込むことはしない」
意外な返答だった。
店長は俺のことを調べているのだろうか。過去に何があったのか、どういう経緯でこの社会で人間ごっこをするに至ったのか。
未遂、の一言だけで傷ついていると判断したのなら、店長は気遣ってくれているのだろう。俺がこれ以上傷つかないように。
「百目鬼店長だって、いい思い出はないんだろ? 尻込みしているじゃねえか」
手籠めにしようとしてこなかったことに俺は感謝している。その一方で、店長が残念だと思う程度に俺を魅力的だと感じていたなら行動に移しただろうとも想像できた。
俺と店長の力の差は歴然としている。俺ではきっと敵わない。
店長は困ったように笑った。
「尻込み……ああ、そうなのだろうね」
「全治三ヶ月は勘弁してほしい」
「獅子野くんなら一週間の昏睡状態で済むよ」
「充分に問題だろ……」
キスで一週間身動きできないことが問題にならないわけがない。
いや、その先まで込みで一週間なのか?
店長は俺に何をどこまでする心算(こころづもり)があったのだろう。
「ふふ。僕にとっては些細なことなんだがね」
「はぁ……」
俺は大きく息を吐いて、はっと気づく。
ああ、そうか。
彼とは時間の感覚が違うのだと思い至って、俺はなんとも言えない気持ちになった。
この人は、どれだけの時間を孤独の中で過ごしたのだろう。そばにいるだけで相手を壊してしまうその強い力を、どれだけ持て余してきたのだろう。
「さて、朝ごはんを用意しようか。食べるのだろう?」
「……なあ」
眼鏡をかけて部屋を出て行こうとする店長のシャツを掴んだ。店長は足を止めて俺を見やる。
「どうしたかな?」
「は、半日気絶する程度で済むくらいなら」
なんと言って誘えばいいのだろう。
俺が引き止めると、店長は目を見開いてあからさまに動揺していた。
「あんたが俺を必要とするなら、味見くらい、その」
店長の口元が緩む。そして俺の頭に手をのせた。
「獅子野くんが僕を押し倒せる程度に元気なら考えなくもないが、そんな力はないだろう? 今の僕は弱体化している。その状態で君が勝てるようでなければ、君は僕の邪気に抗えない」
猫耳を避けるようにさわさわと頭を撫でて、店長の大きな手が離れていく。
線を引かれてしまった。
今の俺では、ダメなんだ。
「それは……そうだな」
「獅子野くん。僕は遠慮しているわけでも、嫌っているわけでもない。だから、可愛く誘惑するのはそこまでだよ」
ふわりと抱き締められる。
あ。
触れたところから店長が堪えているのを察してしまって、俺は改めて店長の顔を見た。困っている顔。
「わりい……俺」
「君の優しさにつけ込むほど僕は悪い男ではないのだよ」
「自分で言うな」
店長は大人なのだな、と理解して俺は一歩下がった。
「さあ、朝ごはんにしよう」
「俺もやるから指示を出せ」
俺は店長について寝室を出たのだった。
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