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翠玉の女王は微笑まない
*12* 9月5日木曜日、放課後【♭】
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地学室は四階の突き当たり、体育館側とは反対の芸術棟側の端に位置する。紅《こう》は地学室の扉を開けた。
「山香《やまが》先生……?」
人の気配がするが、見当たらない。紅は中に踏み込む。
「火群《ほむら》です。用事って何ですか?」
教室に響くように言ってやると、机の陰に隠れていた人物が姿を現した。男子生徒が二人。知らない生徒だ。
紅は戸惑う。反射的に後退りすると、人にぶつかった。
「先生?」
肩に手を置いてきた人物を期待して見上げると、見知らぬ男子生徒だった。
――どういうこと?
「残念。山香先生なら、今職員会議中だぜ?」
その台詞に察する。はめられたのだと。
逃げようとする紅を背後の生徒が腕を掴んで阻止。中にいた生徒が近付いてきて、扉を閉める。
「やっぱ実物は良いもんだな。巨乳って聞いていたが、本物みたいだな」
両腕を背中側で拘束されたところで、別の男子が紅の胸をつつく。
「やっ……」
「良いよなぁ、白浪《しらなみ》先輩はさ。このふかふかの胸とか形のいいケツとか、好きなだけ触ってんだろ?」
身体をなぞる指が胸から腹部へと下りていく。逃れたくて身を捩るが、意味をなさない。
「星章《せいしょう》先輩も紳士ぶっておきながら、この女とヤってるって話じゃん」
「二人はそんな男じゃないわよ! ってか、放してよっ!」
「あいつらがどんな男なのか、君の身体を調べりゃわかるだろ?」
正面の男子生徒が舌なめずりをしたのを見て、紅はぞっとした。背筋が寒い。
「だ、誰かっ助けてっ!」
「あまり騒ぐなよな」
男子生徒の手に握られていたのはハンカチ。彼は迷うことなく紅の口の中に、丸めたハンカチを押し込んだ。もごもごして声が出せない。それどころか、口の中の水分も取られて苦しい。
「んんっ……」
足をバタバタさせて抵抗してみると、蹴り飛ばそうとする足を避けて別の生徒が押さえた。動けないうちに学校指定のスカーフが外され、後ろで拘束している生徒に渡される。どうやらスカーフで腕を縛る気らしい。
「んぐっ……」
縛るためには一瞬解放する必要があるだろう。その瞬間を狙って逃げようと画策する。
だが体勢が変化、紅の身体は胸側を机に押し付けられ、逃れられぬままに腕を後ろで縛られてしまう。
まもなく床に倒された。仰向けになった紅は見下ろしてくる男子生徒たちを睨《にら》む。拘束された腕は動かない。
「そんな嫌そうな顔をするなって」
自由な足を使って後方に移動するも、すぐに壁が迫ってきた。男子生徒の手が襟を捕らえる。紅は恐怖のあまり両目をきつく閉じた。
「山香《やまが》先生……?」
人の気配がするが、見当たらない。紅は中に踏み込む。
「火群《ほむら》です。用事って何ですか?」
教室に響くように言ってやると、机の陰に隠れていた人物が姿を現した。男子生徒が二人。知らない生徒だ。
紅は戸惑う。反射的に後退りすると、人にぶつかった。
「先生?」
肩に手を置いてきた人物を期待して見上げると、見知らぬ男子生徒だった。
――どういうこと?
「残念。山香先生なら、今職員会議中だぜ?」
その台詞に察する。はめられたのだと。
逃げようとする紅を背後の生徒が腕を掴んで阻止。中にいた生徒が近付いてきて、扉を閉める。
「やっぱ実物は良いもんだな。巨乳って聞いていたが、本物みたいだな」
両腕を背中側で拘束されたところで、別の男子が紅の胸をつつく。
「やっ……」
「良いよなぁ、白浪《しらなみ》先輩はさ。このふかふかの胸とか形のいいケツとか、好きなだけ触ってんだろ?」
身体をなぞる指が胸から腹部へと下りていく。逃れたくて身を捩るが、意味をなさない。
「星章《せいしょう》先輩も紳士ぶっておきながら、この女とヤってるって話じゃん」
「二人はそんな男じゃないわよ! ってか、放してよっ!」
「あいつらがどんな男なのか、君の身体を調べりゃわかるだろ?」
正面の男子生徒が舌なめずりをしたのを見て、紅はぞっとした。背筋が寒い。
「だ、誰かっ助けてっ!」
「あまり騒ぐなよな」
男子生徒の手に握られていたのはハンカチ。彼は迷うことなく紅の口の中に、丸めたハンカチを押し込んだ。もごもごして声が出せない。それどころか、口の中の水分も取られて苦しい。
「んんっ……」
足をバタバタさせて抵抗してみると、蹴り飛ばそうとする足を避けて別の生徒が押さえた。動けないうちに学校指定のスカーフが外され、後ろで拘束している生徒に渡される。どうやらスカーフで腕を縛る気らしい。
「んぐっ……」
縛るためには一瞬解放する必要があるだろう。その瞬間を狙って逃げようと画策する。
だが体勢が変化、紅の身体は胸側を机に押し付けられ、逃れられぬままに腕を後ろで縛られてしまう。
まもなく床に倒された。仰向けになった紅は見下ろしてくる男子生徒たちを睨《にら》む。拘束された腕は動かない。
「そんな嫌そうな顔をするなって」
自由な足を使って後方に移動するも、すぐに壁が迫ってきた。男子生徒の手が襟を捕らえる。紅は恐怖のあまり両目をきつく閉じた。
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