宝石の呪いで逆ハーになりましたが、やっぱり嬉しくありません!

一花カナウ

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【番外編】青玉の束縛(R-18)

*6*【ABC】

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 ――何の音だろう……?

 うっすらと目を開ける。部屋は薄暗いが、奥の方で光がちらついているように見える。

 ――蒼衣兄様?

 身体が少し重たい。気怠い理由が、蒼衣にいいようにされたからだと思い出す。
 ベッドの中には彼の姿はない。
 上体をゆっくりと起こし、掛けられていた毛布で裸体を包むと、揺れる光の方に向かって紅は歩き出す。部屋の奥には二人掛けのソファーと大きなテレビがあるようだ。
 そっと足音を忍ばせて近付いていく。
 音声を低くして、つけられた画面を見入っているのは蒼衣に間違いないらしい。漏れる音声はいやらしい嬌声で、彼が見ているのはアダルトビデオの類だろうと、紅は自分の少ない知識で推測する。

 ――最後まではしないって言ったからかな?

 彼なりに一線を越えないように気をつかっているのかもしれない。気づかなかった振りをしてベッドに戻ろうと身体の向きを変えたとき、画面に映っている人物が誰なのかを理解した。
 すっと血の気が引いていく。
 映っていたのは、紅だった。
 驚きのあまり、毛布を握っていた力が弱まり、すとんと足下に落ちる。

 ――何、これ。

 状況を理解できない。
 広いベッドの上に仰向けに転がる裸体。豊満な胸を揺らして身体をくねらせながら脚を大きく割り開き、蒼衣によって秘めた場所に与えられる快感を貪っている。
 構図を見るに、カメラはベッドの真上の天井に隠されていたようだ。

「――おや。お目覚めですか?」

 蒼衣が紅に気づいたらしく、動画を止めて顔を向けた。いつもの紳士らしい表情で。

「……何よ、これ」

 言葉が出ない。震える台詞。言えたのはそれだけだった。

「綺麗でしょう?」

 そう言われても、反応のしようがない。
 黙ったまま固まっていると、蒼衣がソファーから立ち上がり、ゆっくりと紅に近づいてくる。

「貴女も見ますか?」

 首を横に振ったつもりだったのに、彼は紅を抱きかかえるとソファーに座る。人形のように身体を動かせない紅を、自分の膝の上に座らせたまま画面と向き合うように動かした。そこで改めて動画を再生し、音量を上げる。

「ほら。肌が綺麗な桜色に染まって、美しいでしょう? これが貴女なのですよ」

 告げて、紅の身体を触りだす。右手は股間へ、左手は胸を下から持ち上げて。

「あっ……んっ……」

 右手で溝をなぞられると、そこは湿り気を帯びていた。花びらを確認するように指の腹が往復すれば、身体が期待をして甘く震える。

「従順ですね」

 蒼衣が脚を広げれば、載せられていた紅の膝も自然に開かれる。

「やっ……もう……」

 くちゅくちゅと鳴る水音が、画面からのものなのか自身の身体から発せられたものなのか区別がつかない。

「にいさま……ねえ、にいさま……」

 蒼衣にやめてほしくて告げれば、彼はいっそう激しく胸を揉みしだき、開ききらない蕾の中に指を沈めてかき混ぜた。

「やっ、ああっ、んっ」
「そういうことを言うから、躾したくなるんですよ、紅。煽っているつもりでしたら、もっと激しくしてあげます」
「違っ……あぁっ、んっ、蒼衣、やめてっ」

 感じてはいけないのに、たまらなくもどかしい。

「紅。観念して私を受け入れなさい。優しくしますから」
「嫌っ」
「気持ちがいいくせに」

 耳のそばで低く囁いて、首筋を舐め上げる。セミロングの髪が邪魔になるはずなのに、蒼衣はそんなことには構わないようだ。肩口から耳の裏まで舐め、舌を耳の穴に差し込む。

「あぁんっ、待っ、はぁっ」

 逃れたくて背を反らす。そのタイミングで体内に沈められていた指がお腹側に折られた。擦られると、視界に火花が散り、全身が激しく震えた。

「ひゃあぁっ!」

 甘い痺れに支配されて、身体に力が入らない。痙攣後に弛緩して、蒼衣に身体を委ねた。
 紅は浅い呼吸を繰り返し、蒼衣の肩に頭を預ける。

「そういう色っぽい顔は、まだ誰にも見せていないのでしょう?」

 紅の身体から指が引き抜かれた。濡れた指先で立ち上がったままの乳首をなぞり、唇を濡らす。そしてソファーに紅を横たえて、唇を唇で塞いだ。

「んっ、んんっ……」

 唇を舐められて、開かれた唇から舌が入り、口腔内を荒らす。唾液を流し込まれて、それをなんとか飲み込んだ。

「破瓜は彼に譲るとしても、それ以外はすべて私のものにしたい。この身体を開拓するのは私でありたいのです」

 切なさの滲む声。そしていやらしい色に染まる胸の先端を口に含まれて強く吸われる。

「やぁっ」

 痛みの中に快感がある。拒絶せねばと思うほど、もの足りなさに渇望を覚える。

「あぅ……んっ」

 汗でじっとりとしている肌を、蒼衣の舌が蹂躙していく。

「さっさと処女を捨てればいいのに。そうしたら、私が極上の官能を貴女の身体にいくらでも刻めるのに」
「そ、んなっ……はぁっ……」

 彼がとんでもないことを考えていることはわかった。だが、それを止める手段が浮かばないし、この状況から脱するための方策すら浮かばない。

「今日の私たちの姿を動画で見せれば、少しは進展しますかね? 彼の誕生日に送りつけて、焚き付けてやりましょうか?」

 蒼衣の企みにゾッとする一方で、紅の身体は不意に達してビクビクと痙攣した。ソファーを溢れた蜜で汚す。

「ふっ。想像してイくなんて、余程ですね」
「お、お願い……それはやめて」

 誰にもこんな痴態を見られたくない。そして、こんなことをきっかけにして恋人に抱かれたくはない。

「では、やめる見返りに何を貴女はしてくれるのですか?」

 冷たく笑って、蒼衣は見下ろしてくる。言いなりになっている自覚はあった。だが、もう何もかも手遅れで、なかったことにはできない。

「……この動画は消さなくていいから、誰にも見せないで。お願い……」

 泣きそうになるのを堪えて、紅は懇願した。彼の性格なら、消さなくていいと許可することは、充分なメリットがあると判断するだろう。
 紅の提案に、蒼衣は満足そうに笑んだ。

「そういうことでしたら、飲みましょう」

 返事をして、再びディープキス。
 蒼衣は紅が気絶するまで何度も身体を弄り、目が覚めたら覚めたで快楽を与え続けた。
 彼がおとなしく眠る明け方まで、それは数えられないほどに繰り返されたのだった。
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