4 / 32
旅立ちは突然に
真夜中の訪問者
しおりを挟む
――町が消滅するなんて、どうすればそんなことが起こりうるのかしら?
町長に呼び出されたその夜。あたしは寝台の中でふと思う。
町を一つ消滅させることができるほどの凶暴な生物は知らないし、そんな兵器も聞いたことはない。
――平和だと思っていたのにな……。
この世界には大きな戦争はなく、あちらこちらで小さな紛争が起こるくらいだって学校で習った。『あくまでも自分たちの身を護るための兵器であり、他者を侵害するための武器は持ってはならない』と各国々をまとめるえらい人が言ったとかなんとかで、今はそれがちゃんと機能している。それを破ると様々な制裁が加えられることが決まっているそうで「それを恐れているうちは平和なんだよ」と歴史の先生が言っていたと思う。
――それこそ神の仕業、か。
この世界を創ったとされる神様は、創造神であり破壊神でもある。気に入らなくなった世界を破壊して今の世界が作られた、という言い伝えもあるくらいだ。今の世界が気に入らなくなったので壊し始めたといわれても、そう違和感はない。ま、あたしには大迷惑だけど。
コンコン。
「ん?」
雨戸を叩かれる音に気付いたあたしは上体を起こす。
――こんな時間に一体誰?
夜もだいぶ更けた時間だ。そんな時間に町を出歩く人間も少ない。
あたしは警戒しながら窓の鍵を開ける。
ガチャ。
「お、親切だな」
声はマイト。
「なに? あたし寝ていたんだけど」
窓はまだ開けていない。鍵のみを開けた状態で、相手の出方を窺う。
「開けてくれないってことは、お前、素っ裸、とか?」
からかい口調全開のマイトの声。あたしは長くなった髪を枕元においていた髪紐で縛る。
「昼間とさして変わらない格好よ。――で、何の用?」
「ここじゃ話しにくいから入るぞ」
「どうぞ」
あたしはしぶしぶ窓を開けてやる。自分らが小さかった頃はこうやって窓から出入りしていた。それぞれの家の玄関に向かうよりもこの方が近いのだ。マイトの家はあたしの家の裏側だから。
「うわー。久しぶりに入ったけど昔と全然変わってないな。色気なし」
「そんなに久しぶりだっけ?」
小声で言うマイトにあたしは首をかしげて問う。
「お前のお袋さんが倒れた頃からこっちには出入してない」
「そっか。こっちから行くことはあっても来ることはなかったんだっけ」
思い返してみればそんな気もする。あたしが家のことをやるようになってからはあんまりマイトと遊んでいない。学校で顔を合わせるくらいだったことに今更気付く。その学校を卒業してしまった今となっては、お隣さんでもそう接点はなかった。
「療養中のお袋さんを起こすわけにはいかないだろ? 俺なりに気を遣っているわけだ」
「で、そのマイトが何の用事?」
あたしは寝台の上で胡坐をかきながら訊ねる。
「夜這い、とか?」
「泣き虫マイトが良い度胸しているじゃない」
反射的に戦闘態勢。明かりを灯していない自分の部屋なら、物の配置を熟知しているだけこちらが有利。負ける気がしない。
「そこ、馬鹿にするところじゃなくて、戸惑うところだ。そんなんだから良い年頃になっても言い寄る男がいないんだぞ」
「し、失礼ね!」
小声で反論。お母さんもお父さんも部屋で寝ているのだ。別室といえど騒げば起こしてしまうことだろう。
「それだけ整った顔で、綺麗な体型をしているのにもったいないと思わないか?」
「……え?」
身体を鍛えていたから全体的に締まっている。腕も足も筋肉質ではあるが、女らしさを帯びてきた今なら健康的な感じだ。お母さんが結構目立つ胸をしていたからか、あたしの胸も順調に発育中。お尻だって小さい方が理想的なのに徐々に大きくなってきている。
――あたしはあんまりもったいないとは思わないけどな。
外で身体を動かす方が好きであるあたしにとって、女らしい身体は不要なものだ。男を誘惑し子どもを宿すことを目的とした身体なんてあたしはいらない。あたしは戦いの最前線で軽やかに戦っていたい方の人間なのだ。
「俺は、お前のことが嫌いじゃない」
――って、待て待て。
寝台の方にゆっくりと近付いてくるマイト。結構表情が本気っぽい。何に対して本気なのかわからないけど。
「き、嫌いじゃないって言われても」
「じゃあ、素直に告白しよう。――ミマナのことが好きだ」
「!?!」
――な、何、この展開? あたしにどうしろと? ちょっと待て、待ってったら待って! ちょっと、この部屋狭すぎ! 逃げ場ないし、近付きすぎだし!
降りる前にマイトはあたしの寝台に入ってきた。あたしの後ろは壁。
「じょ、冗談ならそこでやめておきなさいよ! 後悔するわよ!」
「俺は後悔しないし、後悔もさせないよ」
本気で逃げ場がなくなった。
「あたしはあんたのことは好きでもなんでもないしっ! ただの幼なじみとしか思っていないし! 大体あたしに勝てない弱っちいマイトに惚れるわけないでしょ! あたしはあたしより強い男じゃないと嫌!」
「馬鹿だなぁ、ミマナ」
追い払おうと振り上げた腕をあっさり捕まれ、あたしは壁に押さえつけられる。
――だから、だからだからだからっ! 顔が近い! あたしに触れるだなんて十年早い!
そう言ってやりたいのに言葉が口から出ない。
「お前を本気で殴れるわけないじゃん」
文句の一つも言ってやろうかとしたとき、唇をふさがれた。マイトの唇で。
「!」
「――ん……。もう少し抵抗されるかと警戒していたんだが」
マイトはそう呟くと、それ以上のことはしないでおとなしく離れた。
で、あたしはというと。
自由になったにもかかわらず、そのままの体勢で固まっていた。
――き……キスされた?
思い出すだけで全身が熱くなる。その上、思い出さないようにしようと思えば思うほどと身体がまったくいうことを利かない。突然の出来事に対処できず、固まってしまっているのだった。
「あのー。ミマナ? それ以上のことはしないつもりだから緊張を解いて大丈夫だぞ? その先も期待しているなら考えなくもないが」
「……」
パクパクと口を動かすことはできるが、どうにも声が出ない。情けない。
「くっ……おもしれーな。男にこういうことされるって想像したこともなかったのか?」
大声で笑いそうになるのを必死にこらえながら問いかけるマイト。
――む、失礼な奴ね!
そうは思えど声が出ない。身体の緊張はだいぶほぐれてたものの、振り上げたままの腕は地面と仲良しになったまま固定。さっぱり身体が動かない。
町長に呼び出されたその夜。あたしは寝台の中でふと思う。
町を一つ消滅させることができるほどの凶暴な生物は知らないし、そんな兵器も聞いたことはない。
――平和だと思っていたのにな……。
この世界には大きな戦争はなく、あちらこちらで小さな紛争が起こるくらいだって学校で習った。『あくまでも自分たちの身を護るための兵器であり、他者を侵害するための武器は持ってはならない』と各国々をまとめるえらい人が言ったとかなんとかで、今はそれがちゃんと機能している。それを破ると様々な制裁が加えられることが決まっているそうで「それを恐れているうちは平和なんだよ」と歴史の先生が言っていたと思う。
――それこそ神の仕業、か。
この世界を創ったとされる神様は、創造神であり破壊神でもある。気に入らなくなった世界を破壊して今の世界が作られた、という言い伝えもあるくらいだ。今の世界が気に入らなくなったので壊し始めたといわれても、そう違和感はない。ま、あたしには大迷惑だけど。
コンコン。
「ん?」
雨戸を叩かれる音に気付いたあたしは上体を起こす。
――こんな時間に一体誰?
夜もだいぶ更けた時間だ。そんな時間に町を出歩く人間も少ない。
あたしは警戒しながら窓の鍵を開ける。
ガチャ。
「お、親切だな」
声はマイト。
「なに? あたし寝ていたんだけど」
窓はまだ開けていない。鍵のみを開けた状態で、相手の出方を窺う。
「開けてくれないってことは、お前、素っ裸、とか?」
からかい口調全開のマイトの声。あたしは長くなった髪を枕元においていた髪紐で縛る。
「昼間とさして変わらない格好よ。――で、何の用?」
「ここじゃ話しにくいから入るぞ」
「どうぞ」
あたしはしぶしぶ窓を開けてやる。自分らが小さかった頃はこうやって窓から出入りしていた。それぞれの家の玄関に向かうよりもこの方が近いのだ。マイトの家はあたしの家の裏側だから。
「うわー。久しぶりに入ったけど昔と全然変わってないな。色気なし」
「そんなに久しぶりだっけ?」
小声で言うマイトにあたしは首をかしげて問う。
「お前のお袋さんが倒れた頃からこっちには出入してない」
「そっか。こっちから行くことはあっても来ることはなかったんだっけ」
思い返してみればそんな気もする。あたしが家のことをやるようになってからはあんまりマイトと遊んでいない。学校で顔を合わせるくらいだったことに今更気付く。その学校を卒業してしまった今となっては、お隣さんでもそう接点はなかった。
「療養中のお袋さんを起こすわけにはいかないだろ? 俺なりに気を遣っているわけだ」
「で、そのマイトが何の用事?」
あたしは寝台の上で胡坐をかきながら訊ねる。
「夜這い、とか?」
「泣き虫マイトが良い度胸しているじゃない」
反射的に戦闘態勢。明かりを灯していない自分の部屋なら、物の配置を熟知しているだけこちらが有利。負ける気がしない。
「そこ、馬鹿にするところじゃなくて、戸惑うところだ。そんなんだから良い年頃になっても言い寄る男がいないんだぞ」
「し、失礼ね!」
小声で反論。お母さんもお父さんも部屋で寝ているのだ。別室といえど騒げば起こしてしまうことだろう。
「それだけ整った顔で、綺麗な体型をしているのにもったいないと思わないか?」
「……え?」
身体を鍛えていたから全体的に締まっている。腕も足も筋肉質ではあるが、女らしさを帯びてきた今なら健康的な感じだ。お母さんが結構目立つ胸をしていたからか、あたしの胸も順調に発育中。お尻だって小さい方が理想的なのに徐々に大きくなってきている。
――あたしはあんまりもったいないとは思わないけどな。
外で身体を動かす方が好きであるあたしにとって、女らしい身体は不要なものだ。男を誘惑し子どもを宿すことを目的とした身体なんてあたしはいらない。あたしは戦いの最前線で軽やかに戦っていたい方の人間なのだ。
「俺は、お前のことが嫌いじゃない」
――って、待て待て。
寝台の方にゆっくりと近付いてくるマイト。結構表情が本気っぽい。何に対して本気なのかわからないけど。
「き、嫌いじゃないって言われても」
「じゃあ、素直に告白しよう。――ミマナのことが好きだ」
「!?!」
――な、何、この展開? あたしにどうしろと? ちょっと待て、待ってったら待って! ちょっと、この部屋狭すぎ! 逃げ場ないし、近付きすぎだし!
降りる前にマイトはあたしの寝台に入ってきた。あたしの後ろは壁。
「じょ、冗談ならそこでやめておきなさいよ! 後悔するわよ!」
「俺は後悔しないし、後悔もさせないよ」
本気で逃げ場がなくなった。
「あたしはあんたのことは好きでもなんでもないしっ! ただの幼なじみとしか思っていないし! 大体あたしに勝てない弱っちいマイトに惚れるわけないでしょ! あたしはあたしより強い男じゃないと嫌!」
「馬鹿だなぁ、ミマナ」
追い払おうと振り上げた腕をあっさり捕まれ、あたしは壁に押さえつけられる。
――だから、だからだからだからっ! 顔が近い! あたしに触れるだなんて十年早い!
そう言ってやりたいのに言葉が口から出ない。
「お前を本気で殴れるわけないじゃん」
文句の一つも言ってやろうかとしたとき、唇をふさがれた。マイトの唇で。
「!」
「――ん……。もう少し抵抗されるかと警戒していたんだが」
マイトはそう呟くと、それ以上のことはしないでおとなしく離れた。
で、あたしはというと。
自由になったにもかかわらず、そのままの体勢で固まっていた。
――き……キスされた?
思い出すだけで全身が熱くなる。その上、思い出さないようにしようと思えば思うほどと身体がまったくいうことを利かない。突然の出来事に対処できず、固まってしまっているのだった。
「あのー。ミマナ? それ以上のことはしないつもりだから緊張を解いて大丈夫だぞ? その先も期待しているなら考えなくもないが」
「……」
パクパクと口を動かすことはできるが、どうにも声が出ない。情けない。
「くっ……おもしれーな。男にこういうことされるって想像したこともなかったのか?」
大声で笑いそうになるのを必死にこらえながら問いかけるマイト。
――む、失礼な奴ね!
そうは思えど声が出ない。身体の緊張はだいぶほぐれてたものの、振り上げたままの腕は地面と仲良しになったまま固定。さっぱり身体が動かない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる