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腹癒せにドラゴン退治に行ってきます!
特殊系の魔導師 3
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彼女は宮廷魔導師になってからも頻繁に城を抜け出し、外部と連絡を取っているようだった。一般の町娘の出身である彼女なので、カルチャーショックやホームシック的なもので実家に戻っているのだろうと私は考えることにしていた。
しかし、それにしてはいささか頻度が高すぎはしないだろうか。
宮廷魔導師は低位の人間は寮制であり、マリアンネも低位宮廷魔導師なので寮暮らしだ。なのに週末は必ず外出許可を得て出かけていたし、平日も深夜や早朝にこっそりと外に抜け出ているようだった。
まあ、私が全力でいじめるから逃げていたのかもしれないけど。
そんな彼女が何をしていたのか、私は知らない。外に男がいるんじゃないか――という噂すらまったく聞こえないくらい地味な彼女なのだった。
私が悩みながら唸っていると、マッチョさんが私の頬を優しく撫でた。
「――実は心当たりがあるんだ。俺はそれを確かめようと思っている。少々手荒な真似をすることになるかもしれないが、国を守るためだ」
「で、でも、あなたが無茶する必要はないんじゃない? 私と一緒に国外に逃げてもいいと思うんだけど」
真面目な物言いは命をかけてでも成し遂げようとしている雰囲気があって、私はつい口走っていた。
今の私は、彼を失いたくない。
伴侶になることについては、まだ承諾しかねるけども、彼のことをもっと知って、前向きに検討してもいいかな、くらいには考えている。ほら、魔力の相性のよさは捨てるにはもったいないというか……そうじゃなくて、私はたぶん、この人のことを好きになりかけているんだと思う。
私が誘うと、マッチョさんはクスクスと笑った。そして、真剣な表情で私を見つめる。
「ルツィエ。とても魅力的な提案だが、逃げることはできない。俺が生かされたのはこの日のためなんだと思っているんだ。貴女が王太子さまに頼まれて殴り込みにきたことも、こうなるように仕向けられたのだろうと考えているよ。――ただ、一晩付き合っただけでこんなに貴女を好きになってしまったのは誤算だった」
「……そう」
しかし、それにしてはいささか頻度が高すぎはしないだろうか。
宮廷魔導師は低位の人間は寮制であり、マリアンネも低位宮廷魔導師なので寮暮らしだ。なのに週末は必ず外出許可を得て出かけていたし、平日も深夜や早朝にこっそりと外に抜け出ているようだった。
まあ、私が全力でいじめるから逃げていたのかもしれないけど。
そんな彼女が何をしていたのか、私は知らない。外に男がいるんじゃないか――という噂すらまったく聞こえないくらい地味な彼女なのだった。
私が悩みながら唸っていると、マッチョさんが私の頬を優しく撫でた。
「――実は心当たりがあるんだ。俺はそれを確かめようと思っている。少々手荒な真似をすることになるかもしれないが、国を守るためだ」
「で、でも、あなたが無茶する必要はないんじゃない? 私と一緒に国外に逃げてもいいと思うんだけど」
真面目な物言いは命をかけてでも成し遂げようとしている雰囲気があって、私はつい口走っていた。
今の私は、彼を失いたくない。
伴侶になることについては、まだ承諾しかねるけども、彼のことをもっと知って、前向きに検討してもいいかな、くらいには考えている。ほら、魔力の相性のよさは捨てるにはもったいないというか……そうじゃなくて、私はたぶん、この人のことを好きになりかけているんだと思う。
私が誘うと、マッチョさんはクスクスと笑った。そして、真剣な表情で私を見つめる。
「ルツィエ。とても魅力的な提案だが、逃げることはできない。俺が生かされたのはこの日のためなんだと思っているんだ。貴女が王太子さまに頼まれて殴り込みにきたことも、こうなるように仕向けられたのだろうと考えているよ。――ただ、一晩付き合っただけでこんなに貴女を好きになってしまったのは誤算だった」
「……そう」
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