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3:魔導師として宮廷入りしたので、これは予期せぬ事態です。
仕事であれば仕方がないもの 2
しおりを挟む「はぁ……はぁ……」
肩で荒い息をつく。焦らされ続け、快感を極限まで引き出されていた。熱を帯びた身体は気だるい。
その後ろでベッドに倒れ込む音が聞こえた。
「そんなにメルヒオールがいいんですか? 私の方が上手いでしょうに、それでも彼の方がいいんですか?」
「あ、あたしは……、メルヒオールさまを……はぁ……好いていますから」
「身近にいたから恋だと錯覚したのでは?」
「身近になる前から、慕っていましたから」
「本当にそうですか? 魔力が似ていたから惹かれただけでしょう?」
指摘をされて、アルフォンシーヌはベッドに寝そべるリシャールを見やる。
鏡を使う都合で明々と灯された室内。目に入ったリシャールの裸身はメルヒオールよりも筋肉質に感じられる。それもそのはず、魔導師になれない彼は剣術や武術に精を出し、幼い頃から鍛えてきた。それが反映されているだけのこと。身を守る魔法が使えないなら、それ以外の方法を身につけるまでだろう。
肩幅があり、そこに筋肉がしっかりと乗っている。胸筋も発達していて、厚みがある。引き締まった腰、割れた腹筋、さらに足元の方に視線を向ければ、天井を仰ぐようにそそり立つ男性特有の部位が嫌でも目に入る。
「魔力が似ている?」
腰元は見なかったことにして、アルフォンシーヌはリシャールの顔に焦点を合わせた。
「十三年前のことを、君は忘れている――いや、忘れさせられている。あの場には私もいたのです。私と、メルと、アルちゃんの三人が確かに居合わせた。君は自分が何者なのか、思い出すべきです。君とメルは私から大事なものを奪った……恨んでいるつもりはないのですが、ね」
そう寂しげな声色で告げると、リシャールはガバッと上体を起こした。そしてアルフォンシーヌの腕を掴むと強引にベッドに引き上げる。
「殿下?」
「この際だから、リックと呼んで。そうしたら、思い出せるかもしれない」
「リック……?」
声に出す。その響きに懐かしさを覚え――。
激しい頭痛に襲われた。思わず両手を頭に当てて、背中を丸める。
「い、痛い……っ!」
頭が割れそうなほどの強烈な痛みは初めてだ。苦痛を訴える声も出せなくなり、歯を噛み締める。
「あ、アルちゃん!」
リシャールが名を呼ぶ声を認識したのを最後に、意識が飛んだ。
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