〖完結〗俺が【聖女】でほんとうにいいのか? 人は助けるが毛も生やすぞ?

さるナース

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第009話、魔物とご対面

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2022/03/02、修正してます。

「ギュュュリィィィー!! ギューイ!」

俺が街の外に出ると冒険者が巨大な魔物を囲んでいた、だが劣勢のようだ、代わる代わる攻撃を繰り出しているが、たいして効いていないようにみえる、傷もつかず動きも変わらず魔物は暴れている、かなり興奮しているようだ。 ドラゴンのような外見をしている。

「あれが例の魔物か、、、 大きいな、ん~ドラゴン?」

(うわ~ 暴れまくってるね~ 激おこだ! 実は怖いっす)

巨体に似合わず、魔物は軽やかな動きで冒険者を翻弄している。

(あ、冒険者が吹っ飛ばされた …止まる気配は、ないな)


「ギュイッ! ギュイッ! ギュッ! ギュッ!」

俺は子どものドラゴポイをチラッと見ると、こちらに愛くるしい目線を向けている、こんな状況でなければ家に連れて帰ってご飯でもご馳走したい。

「キュ~?」

「よしよし、いい子だ 親のとこに帰ろうな~」

「キュ~~! キュッキュッ!」
(人懐っこいなぁ、とても可愛らしい)

俺は少しずつ、ドラゴン? に近づいていく、すると冒険者の1人が注意してきた。

「あ、コラッ! 危ないから近づくな!」

俺は魔物を指差して、冒険者に魔物の事を聞いてみる。

「治癒師のサルナスといいます! あれって、ドラゴンですか?」

「あれか? あれはドラゴポイだ、ドラゴンに似てはいるがドラゴンと比べて体型は丸っこい、羽は生えてるが飛べない、目は鋭くなくクリっとしている、性格は温厚、ただし母性本能がかなり強く子どもに危険が迫るとドラゴン並みの力を発揮する、ドラゴンっぽい魔物だ」

(○○もどき、みたいな名前、うーむ愛されゆるキャラのような魔物だ)

冒険者は俺が小脇に抱えている魔物の子ども見て、俺を睨み付ける、勘違いしたようだ。

「ん? それはドラゴポイの子どもじゃないか、お前が捕まえたのか?」
ギロッ!

「いえ、この子をさらってた人がいてその人から取り返しました、おそらくドラゴポイが暴れてるのはこの子が原因かと思います」

誤解はとけたようだ、冒険者は理解が早い。

「なるほど、それならあの暴れようにも納得がいく、ドラゴポイは母性が強い、バカなことをしたやつもいたもんだ」

「その男はいまは捕まえられて、なにかしらの罰が与えられていると思います」

どんな罰かは知らないがヨネーさん情報によると、罰の後はみんな大人しくなるらしい、けれど治癒院で暴れてた男とは比較にならないくらい、重罪だからな、どんな罰なのか。

(ノミー課長の罰か、、、 ゾッ!)

思い浮かべると背筋がゾクッとする、深くは考えないようにしよう。

「それで、その子を返せば大人しくなりそうか?」

「わかりません、見たところ親はかなりお怒りのようですし、俺がさらったと勘違いされたら怖いですね」

俺はドラゴポイの子どもを抱いたまま、親ドラゴポイを見つめ、親ドラゴポイの元へ歩き出す。

「ギュュルリィィ! ギュイ? グル~…」

俺が近づくと、親ドラゴポイはやや警戒している、子どもを見て、少し警戒が緩んだ気がした。

「キューイ、キュー」

子ドラゴポイは親に話しかけている。

(おっ、うまくいきそうかな)

「ギ、ギュル~ ギュルグイ!」

突然、親ドラゴポイの目つきが変わった! 子どもと俺に向かって襲ってきた、子どもは困惑している。

「キューーーー???」

「どうした!? 話したんじゃないのか?」

(子どもにも攻撃を加えようとしている? 親子じゃないのか? でも子どもは慕っているように見えるけど、、、)

その時、よく目をこらすと親ドラゴポイの周囲に黒い影が現れ、徐々に濃くなっていくのに気づいた、親ドラゴポイは目つきも怪しく、理性を失っているようにも見える、その後も親ドラゴポイの攻撃を避けつつ、考える、自分でもよくかわしているもんだ、と感心する。

「ん? なにか黒いモヤモヤしたものが親ドラゴポイの周りに見える、、、 煙? 霧?」

(魔物って元々あんな風に黒いものが出るのかな、ん~知識不足だな、、、 というか俺ってこんなに動けたっけ? あ、日頃の筋トレの成果か、治癒魔法の練習もかねて、筋トレ→治癒を繰り返してからな~)

「さて、どうするか、、、 俺は攻撃魔法は使えないし、使えたとしてもこの子の前で親を傷つけるのもどうなのかな~、子どもを返すだけと思ってかっこよく出てきたんだけどな~」

親ドラゴポイの攻撃を避けつつ、考えていると、俺を呼ぶ声が聞こえた。

「サルナス君!」

「あ、イワ先輩、近づいちゃ危ないですよ」

イワ先輩がやってきた、親ドラゴポイに近づくと危ないので俺の方からイワ先輩に近づく。

「それはあなたも同じです、子どもを返す作戦はうまくいかなかったようですし、いったん避難しましょう」

俺は先程の黒いモヤについて、聞いてみることにした。

「イワ先輩、あのドラゴポイって黒いモヤモヤに覆われてるんですけど、なにか知ってます?」

「黒? 私には見えませんが、、、」

イワ先輩は不思議そうな表情をしている、近くにいた冒険者にも同じように尋ねてみるが。

「他の冒険者さんたちは見えますか?」
「いや、何も見えないけど」

(俺にだけ見えている?)

イワ先輩は考え込み、なにか思い出したようだ。

「もしかして、、、 それは瘴気(しょうき)かもしれません、前に古い文献で読んだことがあります、かつて聖女と呼ばれた治癒師の記録ですが、魔物の中には瘴気という黒いものに覆われた特殊な個体がいる、、、 その瘴気は魔物だけでなく人にもまとわりつき、心を狂わせ理性を失くしてしまう、ただ聖女以外は誰もその瘴気を見ることができなかったので、今では確認がとれてないのです」

それなのに俺には見えているのか? 瘴気だという確証はないけど。

「なるほど、なぜ俺に見えるのかはわからない、、、 それでその聖女様はどうやって瘴気に覆われた魔物に対応したのですか? 強い仲間がいたとか?」

「えと、たしか記録では治癒魔法で対応したとありました」

そんな魔法があるなら、それで解決だな、気持ちが緩んだ。

「治癒魔法で? どんな魔法ですか?」

「呪文は "クロキエロ" 聖なる力を用いて瘴気を祓う魔法です! これも文献にはありましたが、そもそも黒いものが見えないので効果があるのかも確認できていません!」

(ふむ、でも俺には黒いものが見えている、それなら使えるのかもしれない)

「わかりました! その治癒魔法を試してみます! この子をお願いします」

俺はドラゴポイの子どもをイワ先輩に渡して、再び親ドラゴポイの元へ向かう、ぶっつけ本番だが、クロキエロを使ってみることにした。

「わ、わかったわ、気をつけて!」

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