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第3章
アイザック・バスティン
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早速私は、もう一度図書館を訪れた。
長時間調べ物をするわけではないというのと、前回の失態ということもあり、今回は念には念を入れてすぐに帰ることにした。
例のごとく深夜にベッドから這い出し、私は部屋から出る。
私が夜抜け出していることに気づいた誰かが、私を見張っているんじゃないかと内心ひやひやしていたけれど、廊下からは人の気配がなく、私はとりあえずひと安心する。
いつものように廊下を忍び足で進み、城内に作られた図書館へ向かう。
静まり返った暗闇を抜ければ、見覚えのある重厚な扉が待っている。
私はそれをゆっくりと押して、部屋の中に入った。
普段ならそのまままっすぐ隠し部屋に向かうけれど、今日は違う。
図書館の本はアルファベット順で本棚に押し込められている。
その本棚から、「I」に分類された段を探し出し、「Isaac(アイザック)」という名前の作者を探す。
文字が目の上を滑っていく。
何度も同じところを往復して、ようやく目的の名前を発見した。
その本は何かの革で出来ており、背表紙には金の文字が彫られている。
かなり昔のものらしく、人の手によって表紙がすっかり擦り切れてしまっており、そのせいで背表紙の文字を解読するのに苦労した。
私は踏み台を本棚の真下に置き、その上に乗って背伸びをする。
目的の本は、7歳のセレナでは絶妙に届きにくい場所にあった。
腕を限界まで伸ばし、ようやくその本の角に触れることが出来た。
指を使って地道にそれを引っ張り出し、本を掴む。
「よしっ」
だが、勢い余って背中から倒れ、私は強かに腰を打った。
「――っ!」
声にならない悲鳴を上げる。
お尻が尋常じゃないくらいに鈍く痛み、私はしばらくその場で悶えた。
少し痛みが和らぎ、私は後ろに転倒した際に放り投げてしまった例の書籍をもう一度手に取った。
ビンゴだ。
真っ暗闇の中、私は持ってきた燭台の灯をかざしながら、ゆっくりと本の表紙を撫でた。
そこにははっきりと、
「魔力過多 アイザック・バスティン」
というタイトルが書かれていた。
長時間調べ物をするわけではないというのと、前回の失態ということもあり、今回は念には念を入れてすぐに帰ることにした。
例のごとく深夜にベッドから這い出し、私は部屋から出る。
私が夜抜け出していることに気づいた誰かが、私を見張っているんじゃないかと内心ひやひやしていたけれど、廊下からは人の気配がなく、私はとりあえずひと安心する。
いつものように廊下を忍び足で進み、城内に作られた図書館へ向かう。
静まり返った暗闇を抜ければ、見覚えのある重厚な扉が待っている。
私はそれをゆっくりと押して、部屋の中に入った。
普段ならそのまままっすぐ隠し部屋に向かうけれど、今日は違う。
図書館の本はアルファベット順で本棚に押し込められている。
その本棚から、「I」に分類された段を探し出し、「Isaac(アイザック)」という名前の作者を探す。
文字が目の上を滑っていく。
何度も同じところを往復して、ようやく目的の名前を発見した。
その本は何かの革で出来ており、背表紙には金の文字が彫られている。
かなり昔のものらしく、人の手によって表紙がすっかり擦り切れてしまっており、そのせいで背表紙の文字を解読するのに苦労した。
私は踏み台を本棚の真下に置き、その上に乗って背伸びをする。
目的の本は、7歳のセレナでは絶妙に届きにくい場所にあった。
腕を限界まで伸ばし、ようやくその本の角に触れることが出来た。
指を使って地道にそれを引っ張り出し、本を掴む。
「よしっ」
だが、勢い余って背中から倒れ、私は強かに腰を打った。
「――っ!」
声にならない悲鳴を上げる。
お尻が尋常じゃないくらいに鈍く痛み、私はしばらくその場で悶えた。
少し痛みが和らぎ、私は後ろに転倒した際に放り投げてしまった例の書籍をもう一度手に取った。
ビンゴだ。
真っ暗闇の中、私は持ってきた燭台の灯をかざしながら、ゆっくりと本の表紙を撫でた。
そこにははっきりと、
「魔力過多 アイザック・バスティン」
というタイトルが書かれていた。
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