BL短編書き散らかし

智紗人

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stay

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節操がない。

男でも女でも、色んな人と関係を持った。出かけた先で出会うこともあれば、SNSで知り合い発展することもあり、自由に経験を共有できた。
一夜限りの関係に留まらず、友情も恋愛も、この街にいれば年齢を重ねた後も出会いに困ることは無さそうだとさえ思える。
そういう光景を何度も目の当たりにしてきた。

「.....I got it. I'll be there soon」

通話を終え、のっそりとベッドから起き上がる。
すぐ隣を陣取っている人物の背を叩いて淡々と告げる。
「仕事行くから出てって」
「……?べつに…いいだ…ろ」
寝起きのかすれた声でそう言ったきり黙り込んだ。
「出ろよ」
前回もこのやりとりをした、と思う。
このまま置いていけば、またずるずると居座ることは明白で。
しばらくその横顔を見ていたが、全く動き出す気配がない。
御景みかげは起こすのを諦めて、ベッドから立ち上がり支度をすることにした。
クローゼットから適当な服を選び身につけると、昨日脱ぎ散らかした服をまとめて洗濯機に突っ込んだ。

軽食を済ませて、洗面台でそれなりに身嗜みを整えたら、時計を確認し鞄を取ると玄関へ向かった。
足下がひんやりする。
壁に掛けられていたダウンを羽織って、少しギリギリだなと思いながら靴を履いていたら、背後から足音がした。
左肩に手の重みが加わる。
後ろから右腕で腹を抱え込まれ、御景みかげの肩に顎を乗せて耳元で眠そうな声で兄の須々哉すずやが喋り掛けてくる。
「オシゴトか?…はたらき者、…留守番は、まかせとけ」
 身体にまとわりつくデカい図体を受け止めながら、御景はもう一度念を押すように言った。
「…帰るまでに、出てけよ」
…とは言え、どうせ二度寝する気なんだろうな……
今から仕事が待っているという人間の横で、大きな生あくびをかます顔を押し退ける。 
肩に乗った手を剥ぎとり出ようとしたが、須々哉すずやに腕をとられて向き合わされる。
「なんだよ…怒ってんのか…?」 
 気だるげに、こちらをうかがい言ってきた。
「別に…急ぐから」
「週明けには出てくから…ほんとに」
 ヘラリと笑う目の前の顔をじっとりと見て御景は溜息をついた。
「…わかったから…離せ」
掴まれていた腕を解放される。
身を翻し、ドアノブをつかんだ瞬間、再び肩を捕まれた。
引かれるまま振り向けば、近づく気配に瞼を伏せた。
ちゅ、と音を立て口の端、頬にも唇を落とし、前髪を横に流され、撫でられる。
正面から抱擁されると、どんな時でもじっとしてしまうのは何故なのか。
「……」
「いってら」
背中を押され外に出る。
閉まったドアを振り返り、御景はまた前に向き直った。
一度深呼吸すると、職場へと歩き出す。

















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