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第29話 カウガールの調べに乗せて……
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俺は牛飼いの資格を得るために、資格審査を受けることになった。
牛飼い生活六十年のジイサンのお墨付きだ。
ついでに給料も上げてくれるって話だ。
二つ目の資格取得に、俺は萌えた、いや、違った、燃えたよ!
で、試験当日。
役所の畜産課の試験官が見守る中、俺は手を叩いて牝牛ちゃんを横並びに整列させると、一頭一頭の前脚を取って次々に二本足で起立させていった。
おおっ~!
二人の試験官が感嘆の声を上げた。
「クララが立ったときよりも感動的だ」
年配の試験官の口から、そんな意味不明な呟きが漏れた。
俺がホイッスルを一回吹くと、牝牛ちゃんたちは一斉に前へ倒れた。
片手を上げて”かもめ”のポース。それを左右で交互に繰り返す。
両脚を揃えて持ち上げるV字バランス。
肩倒立からブリッジ、そして前転へ。
ホイッスルの音が長く鳴り響く。
牝牛ちゃんたちは二人組になって、補助倒立を披露する。そこから肩車へ移行するとき、葉子、聡子、桜子の三頭がよろめいてバランスを崩しかけたが、なんとか持ち直して、相手の脚を太腿の上に乗せる”サボテン”を完成させた。
俺は思わず拳を握り締めた。
再びホイッスルを長く吹いて、牝牛ちゃんたちに五人組になるよう促す。
そして見事な扇バランスからピラミッドへ移行させて、俺と牝牛ちゃんたちの汗と努力の結晶、”牝牛ちゃんの組体操”を終了させた。
パチパチパチ……。
二人の試験官は拍手を惜しまなかった。
パトラもさかんに拍手している。
ジイサンの双眸から涙が溢れ出た。
そして俺は……。
あっちの世界では終ぞ味わったことのない深い達成感に満たされていた。
「あの、どうでしたか?」
「いや、素晴らしい! あなたのような牛飼いは見たことがありませんよ」
「じゃあ、資格の方は?」
「間違いなく、Sランク認定です」
やったぁ~!
思わずガッツポーズを決めたね!
誰かが俺の肩に手をかけた。
ジイサンだ。
「おめでとう、青年よ。まさかわずか三か月足らずで、牛飼い生活六十年のこのわしを追い越すとは。初めて一緒に仕事をしたときから、才能のあるやつとは思っておったが……。しかし、これほどとはのう。いや、恐れ入った」
パトラが俺の首に抱き付いた。
「おめでとうございます、ご主人様! やっぱあなたは誰よりも魔生物に愛されるお方なのです!」
いや、余り嬉しくないから、その物言い。
どうせなら魔生物よりも美少女に愛されたかった。
いつもならパトラをぶん殴る場面なのだが、今日はめでたい日なので許してやることにする。
牝牛ちゃんたちも場の雰囲気を敏感に感じ取って、俺を祝福するかのように寄り集まってきた。
俺は嬉しさの余り、一頭一頭の額に感謝の気持ちを込めて接吻した。
■■■
その夜、俺の牛飼い資格取得を祝うために、ジイサンがささやかな祝宴を開いてくれた。
牧場の中央に設えた焚火を囲んで、みんなで一晩踊り明かそうというのだ。
最初、牝牛ちゃんたちは焚火を怖がって近づこうとしなかったが、俺が一頭一頭手を引いて導いてやると、その周りに円を描いて体育座りした。
大柄な牝牛ちゃんには青のスカーフを、小柄な牝牛ちゃんには赤のスカーフを首に結んでやると、それぞれを相対させて、これでフォークダンスの準備は完了。
全員が牝牛なので、青のスカーフを男性に、赤のスカーフを女性に見立てたのだ。
ジイサンがヴァイオリンを手に、そしてパトラがギターを持って現れた。
「あれ、おまえ、楽器が弾けたの?」
ジイサンが余技でヴァイオリンを弾いているのは知っていたが、パトラがギターを弾けるとは知らなかった。
そしたらあいつ、照れ笑いを浮かべて、
「いま、おじいさんに即席で弾けるようにしてもらったんです」
う~ん、なんて器用なやつ。
「さて、ではそろそろ始めようか」
ジイサン、目を閉じると、徐にヴァイオリンを弾き始めた。
パトラが遅れじとギターを爪弾き始める。
曲目は”カウガール”。
ジイサンがあっちの世界にいた時分の愛唱歌だそうだ。
牧場で可愛い少女に出会った
僕らは月明かりの下で踊った
カウガール 今夜出かけないか
月明かりの下で踊ろうよ
牝牛の彼女と踊った
ひざはガクガク くつはクタクタ
牝牛の彼女と踊った
僕らは月明かりの下で踊った
俺は桜子の前脚を取ると、リズムに合わせて踊り出した。
つられて桜子も身体を動かし始める。
最初はぎこちなかったが、慣れてくると、ほほ笑みながら踊り始めた。
他の牝牛ちゃんたちも各々手に手を取って踊り出す。
ほんと、身体のリズムはばらばらだが、それでもみんな楽しそうだ。
俺は次々にパートナーを替えて、三十頭の牝牛ちゃんたちと一頻り踊り終えると、
「おい、パトラ、来いよ! 一緒に踊ろうぜ!」
「えっ? いいんですか?」
「さあ、早く来いよ!」
「ええ、喜んで!」
俺の前に立ったパトラは、スカートの裾をつかんでペコリとお辞儀をした。
つられて俺も腰を屈めた。
手に手を取ると、ジイサンのヴァイオリンのリズムに合わせて、俺とパトラは踊り始めた。
パトラが嬉しそうに微笑んでいる。
俺はふと思った。
こいつ、やっぱ女の子だったんだって。
だって、こいつのこんなに嬉しそうな顔見たことねえもん。
牝牛ちゃんたちも踊るのを止めて、俺とパトラが踊るのを不思議そうに眺めている。
あるいは嫉妬していたのかもしれない。
パトラが余りにも長く、俺を独占していたから。
その後は飲めや歌えの大騒ぎ!
大量のビールを振舞ったせいで、牝牛ちゃんたちはあちこちで頭を突き合わせて喧嘩をおっぱじめる始末。
俺も酔っ払っているもんだから、喧嘩してるやつにヘッドロック噛ましてワンパンを入れまくって。止めは回転足首固めや子牛の焼印押しまで繰り出して。
どうにかこうにか喧嘩を諫めた。
最後に今は亡き優子ちゃんの冥福を祈って、みんなで”ドナドナ”を合唱して祝宴はお開きとなった。
ジイサンは、--年寄りに夜露は毒だから、と言って小屋へ帰っていった。
パトラもモフモフになってグーグー鼾をかいて寝てやがる。
俺は草っ原に寝っ転がって星を眺めていた。
俺、思ったんだ。
もし死なずにあっちの世界で暮らしていたら、こんな充実感を得ることができたのかなって。
いくらMMORPGでポイント上げてランキング上げてトップになったとしても、今の充実感には遠く及ばねえ気がするんだ。
そういや、ゲームもアニメも、いつの間にやら遠き日の思い出になっちまった。
ニート王の矜持もひと月近く忘れてたし。
ぼんやりした頭でそんな感慨に浸っていると、左右からごろごろと順子ちゃんと桃子ちゃんが転がってきて、俺をサンドイッチしやがった!
一瞬、暑苦しさと酒臭さでムッとしたが、二人の可愛い寝顔を眺めていると、そんなささいなこと、すぐに忘れてしまう。
俺は今、幸せを噛み締めていた。
■■■
翌朝、スカーフを回収しようとしたら、なぜか牝牛ちゃんたちはそっぽを向いて、俺から逃げ出そうとしやがる。
こら、待て! 雪子、静子、桜子!
捕まえようとすると、俺の腕を巧みに擦り抜けてゆく。
いくら追いかけても埒が明かねえ。
牝牛ちゃんの頑強な抵抗に、俺はほとほと弱り果てた。
まったく、いつからこんなに我がままになったんだ?
「気に入ってるんですよ。スカーフが。牝牛ちゃんだって女の子ですから」
振り返ると、そこにパトラがいた。
首に赤いスカーフを巻いたりして、腰に手を当てたりして、これ見よがしにポーズを取ってやがる。
きっと発情期を迎えたんだ。うん、そうだ、そうに違えねえ。
二日酔いで頭痛がするので、ワンパンは入れずにそのまま放置しておく。
それにしても、まさか牝牛ちゃんが色気づくとは。
仕方ねえ、スカーフは牝牛ちゃんへのプレゼントだ。
それから間もなくして、うちは涎掛けをした牛がいる牧場として、ちょっとばかりマスコミの話題となった。
牛飼い生活六十年のジイサンのお墨付きだ。
ついでに給料も上げてくれるって話だ。
二つ目の資格取得に、俺は萌えた、いや、違った、燃えたよ!
で、試験当日。
役所の畜産課の試験官が見守る中、俺は手を叩いて牝牛ちゃんを横並びに整列させると、一頭一頭の前脚を取って次々に二本足で起立させていった。
おおっ~!
二人の試験官が感嘆の声を上げた。
「クララが立ったときよりも感動的だ」
年配の試験官の口から、そんな意味不明な呟きが漏れた。
俺がホイッスルを一回吹くと、牝牛ちゃんたちは一斉に前へ倒れた。
片手を上げて”かもめ”のポース。それを左右で交互に繰り返す。
両脚を揃えて持ち上げるV字バランス。
肩倒立からブリッジ、そして前転へ。
ホイッスルの音が長く鳴り響く。
牝牛ちゃんたちは二人組になって、補助倒立を披露する。そこから肩車へ移行するとき、葉子、聡子、桜子の三頭がよろめいてバランスを崩しかけたが、なんとか持ち直して、相手の脚を太腿の上に乗せる”サボテン”を完成させた。
俺は思わず拳を握り締めた。
再びホイッスルを長く吹いて、牝牛ちゃんたちに五人組になるよう促す。
そして見事な扇バランスからピラミッドへ移行させて、俺と牝牛ちゃんたちの汗と努力の結晶、”牝牛ちゃんの組体操”を終了させた。
パチパチパチ……。
二人の試験官は拍手を惜しまなかった。
パトラもさかんに拍手している。
ジイサンの双眸から涙が溢れ出た。
そして俺は……。
あっちの世界では終ぞ味わったことのない深い達成感に満たされていた。
「あの、どうでしたか?」
「いや、素晴らしい! あなたのような牛飼いは見たことがありませんよ」
「じゃあ、資格の方は?」
「間違いなく、Sランク認定です」
やったぁ~!
思わずガッツポーズを決めたね!
誰かが俺の肩に手をかけた。
ジイサンだ。
「おめでとう、青年よ。まさかわずか三か月足らずで、牛飼い生活六十年のこのわしを追い越すとは。初めて一緒に仕事をしたときから、才能のあるやつとは思っておったが……。しかし、これほどとはのう。いや、恐れ入った」
パトラが俺の首に抱き付いた。
「おめでとうございます、ご主人様! やっぱあなたは誰よりも魔生物に愛されるお方なのです!」
いや、余り嬉しくないから、その物言い。
どうせなら魔生物よりも美少女に愛されたかった。
いつもならパトラをぶん殴る場面なのだが、今日はめでたい日なので許してやることにする。
牝牛ちゃんたちも場の雰囲気を敏感に感じ取って、俺を祝福するかのように寄り集まってきた。
俺は嬉しさの余り、一頭一頭の額に感謝の気持ちを込めて接吻した。
■■■
その夜、俺の牛飼い資格取得を祝うために、ジイサンがささやかな祝宴を開いてくれた。
牧場の中央に設えた焚火を囲んで、みんなで一晩踊り明かそうというのだ。
最初、牝牛ちゃんたちは焚火を怖がって近づこうとしなかったが、俺が一頭一頭手を引いて導いてやると、その周りに円を描いて体育座りした。
大柄な牝牛ちゃんには青のスカーフを、小柄な牝牛ちゃんには赤のスカーフを首に結んでやると、それぞれを相対させて、これでフォークダンスの準備は完了。
全員が牝牛なので、青のスカーフを男性に、赤のスカーフを女性に見立てたのだ。
ジイサンがヴァイオリンを手に、そしてパトラがギターを持って現れた。
「あれ、おまえ、楽器が弾けたの?」
ジイサンが余技でヴァイオリンを弾いているのは知っていたが、パトラがギターを弾けるとは知らなかった。
そしたらあいつ、照れ笑いを浮かべて、
「いま、おじいさんに即席で弾けるようにしてもらったんです」
う~ん、なんて器用なやつ。
「さて、ではそろそろ始めようか」
ジイサン、目を閉じると、徐にヴァイオリンを弾き始めた。
パトラが遅れじとギターを爪弾き始める。
曲目は”カウガール”。
ジイサンがあっちの世界にいた時分の愛唱歌だそうだ。
牧場で可愛い少女に出会った
僕らは月明かりの下で踊った
カウガール 今夜出かけないか
月明かりの下で踊ろうよ
牝牛の彼女と踊った
ひざはガクガク くつはクタクタ
牝牛の彼女と踊った
僕らは月明かりの下で踊った
俺は桜子の前脚を取ると、リズムに合わせて踊り出した。
つられて桜子も身体を動かし始める。
最初はぎこちなかったが、慣れてくると、ほほ笑みながら踊り始めた。
他の牝牛ちゃんたちも各々手に手を取って踊り出す。
ほんと、身体のリズムはばらばらだが、それでもみんな楽しそうだ。
俺は次々にパートナーを替えて、三十頭の牝牛ちゃんたちと一頻り踊り終えると、
「おい、パトラ、来いよ! 一緒に踊ろうぜ!」
「えっ? いいんですか?」
「さあ、早く来いよ!」
「ええ、喜んで!」
俺の前に立ったパトラは、スカートの裾をつかんでペコリとお辞儀をした。
つられて俺も腰を屈めた。
手に手を取ると、ジイサンのヴァイオリンのリズムに合わせて、俺とパトラは踊り始めた。
パトラが嬉しそうに微笑んでいる。
俺はふと思った。
こいつ、やっぱ女の子だったんだって。
だって、こいつのこんなに嬉しそうな顔見たことねえもん。
牝牛ちゃんたちも踊るのを止めて、俺とパトラが踊るのを不思議そうに眺めている。
あるいは嫉妬していたのかもしれない。
パトラが余りにも長く、俺を独占していたから。
その後は飲めや歌えの大騒ぎ!
大量のビールを振舞ったせいで、牝牛ちゃんたちはあちこちで頭を突き合わせて喧嘩をおっぱじめる始末。
俺も酔っ払っているもんだから、喧嘩してるやつにヘッドロック噛ましてワンパンを入れまくって。止めは回転足首固めや子牛の焼印押しまで繰り出して。
どうにかこうにか喧嘩を諫めた。
最後に今は亡き優子ちゃんの冥福を祈って、みんなで”ドナドナ”を合唱して祝宴はお開きとなった。
ジイサンは、--年寄りに夜露は毒だから、と言って小屋へ帰っていった。
パトラもモフモフになってグーグー鼾をかいて寝てやがる。
俺は草っ原に寝っ転がって星を眺めていた。
俺、思ったんだ。
もし死なずにあっちの世界で暮らしていたら、こんな充実感を得ることができたのかなって。
いくらMMORPGでポイント上げてランキング上げてトップになったとしても、今の充実感には遠く及ばねえ気がするんだ。
そういや、ゲームもアニメも、いつの間にやら遠き日の思い出になっちまった。
ニート王の矜持もひと月近く忘れてたし。
ぼんやりした頭でそんな感慨に浸っていると、左右からごろごろと順子ちゃんと桃子ちゃんが転がってきて、俺をサンドイッチしやがった!
一瞬、暑苦しさと酒臭さでムッとしたが、二人の可愛い寝顔を眺めていると、そんなささいなこと、すぐに忘れてしまう。
俺は今、幸せを噛み締めていた。
■■■
翌朝、スカーフを回収しようとしたら、なぜか牝牛ちゃんたちはそっぽを向いて、俺から逃げ出そうとしやがる。
こら、待て! 雪子、静子、桜子!
捕まえようとすると、俺の腕を巧みに擦り抜けてゆく。
いくら追いかけても埒が明かねえ。
牝牛ちゃんの頑強な抵抗に、俺はほとほと弱り果てた。
まったく、いつからこんなに我がままになったんだ?
「気に入ってるんですよ。スカーフが。牝牛ちゃんだって女の子ですから」
振り返ると、そこにパトラがいた。
首に赤いスカーフを巻いたりして、腰に手を当てたりして、これ見よがしにポーズを取ってやがる。
きっと発情期を迎えたんだ。うん、そうだ、そうに違えねえ。
二日酔いで頭痛がするので、ワンパンは入れずにそのまま放置しておく。
それにしても、まさか牝牛ちゃんが色気づくとは。
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