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Ⅲ 八神×教師=それは自由と規律のチェーンデスマッチ
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額に流れる汗が冷や汗なら、わたしは長距離を走り抜くだけの体力を維持していることになる。
体育が嫌いだってこと、久しい間忘れてた。
はは、自嘲気味に自分を励ますようじゃ、やっぱ堪えてるんだ。その遅刻って事実に……。
中学以来、ずっと無遅刻無欠席で通してきたが、とうとうその記録も途絶える時が来たようだ。でもまだ一縷の望みはある。なにかの都合でH・Rが長引けば、あるいは一時間目の授業に間に合うかもしれない。縋るような眼差しで確認した腕時計は、既に九時を一分ほど超過している。通りすがりにチラ見した駅の時計も、自分の腕時計を再確認しただけだった。改札口のフラップドアをぶち破らんばかりの勢いで飛び出して、さらに重大なことに気が付いた。
確か一時間目は現国。梨本の授業か。こりゃ、ヤバい!
ねちねちと真綿で首を絞めるような説教には定評がある。二度の遅刻を一度の欠席に換算して出席簿の付けるような陰湿な教師だ。学校伝説では遅刻だけで落第させられた哀れな生徒も存在すると、真しやかに囁かれている。厳格な教育を標榜しているというよりは、むしろ生徒を虐めて欲求不満の解消を図っているというのが真相のようだ。選りによって、そんな時に遅刻するなんて。
あいつがいけないんだ。あの女が……。
あの夢と見紛う不条理な記憶が、わたしの足を次第に鈍らせる。
ふと指先が唇に触れた。あの微熱を孕んだ物憂い感触。
指先に付いた朱色のルージュ。
彼女、口紅引いてたんだ。これってもしかして校則違反!?
既に通学路には学生の姿はなく、擦れ違う人々の目は、わたしを異邦人のごとく冷たくあしらう。根が真面目なわたしには、ちょっとばかり気にかかる視線だ。
時間帯による住み分けは人間社会に厳然として存在する。わたしは人々の認識のうちに、この場所にあってはならない存在なのだ。これもサラリーマン社会の弊害というべきか。あらゆる時間帯に君臨できる主婦が図々しいのも頷ける。制服による存在証明の不要な場所なら、それこそ至る所に存在する。
いけない! なに考えているの! そうと気付かないうちに、八神に感化されたのかしら? 今朝は調子が狂いっぱなし。まるで自分が自分じゃないような……。
立ち止まっている暇はないはずだ。
その焦燥に再び疲れた足に鞭打った。
閉じられた校門を横目に通用門を潜り抜ける。
目指す1ーC組は校舎の最上階。息せき切って階段を駆け上がるわたしの前に、のんびりとした足取りで階段を昇る現国教師梨本の姿があった。
あの厳格な教師が時間に遅れるなんて……。これはちょっとした幸運だ。
その幸運に後押しされて、足取りはスキップを踏むように軽やかになった。
「なんだ、おまえが遅刻なんて珍しいな」
一応、目立たぬ程度の優等生であるわたしには、梨本も悪罵を控えるようだ。
「先生も遅刻ですか?」
追い抜くついでに、さりげなく皮肉を囁く。
偏差値の優劣がそのまま差別意識に結び付く教師だ。これが気に入らない生徒の戯言であれば、烈火のごとく怒り出すから始末が悪い。
「つまらんこと言ってないで、さっさと教室へ行かんか」
幸いにしてわたしにはこの程度だ。
これが優等生ならつまらない冗談の一つも返したかもしれないし、劣等生なら怒声を頭から浴びせかけたかもしれない。その条件反射としか言いようのない割り切った反応は、生活指導としての長年の経験から優等生=従順、劣等生=反抗の図式が後天的に刷り込まれたせいと思われる。だがそんな硬直化した思考では分別しきれない生徒も厳然として存在する。
八神が教師の反定立として存在するとき、それはわたしにとって心ときめく瞬間でもあった。でもそれを恋愛感情と取られてははっきり言って迷惑だ。八神絡みのトラブルほど傍で見ていて面白いものはない。
あいつは成績優秀なのになぜか梨本と相性が悪い。授業中、梨本が八神を指呼しなくなってどのくらい経つだろう? 今では八神を欠席者のごとく扱い、目さえ合わせようとはしなかった。八神も八神で、現国のテストだけは意地になって赤点ギリギリの点数を取り続ける。別に現国が苦手なわけじゃない。他の教科は常にトップクラスの成績を収めているのだから、現国だって取ろうと思えばそれなりの点数は取れるはずだ。
「どうして現国だけいい点取れねえのかな? そうか、きっと教師の教え方に問題があるんだ」
梨本がテストを返却している最中に、八神が聞こえよがしに呟いた言葉だ。それが梨本に対する面当てであることは誰の目にも明らかだ。なぜそうも意固地になって反目するのか? わたしは以前、八神にその理由を尋ねたことがある。
「気に入らないからさ。それ以外理由はねえよ」
また随分と幼稚な理由じゃない?
「おまえだってそうだろ? あの野郎が好きだなんて奇特な生徒が、この学校のどこにいるっていうんだ? ああいう教師がのさばっているから、高校生活がつまらねえもんになっちまうんだ。あいつらは俺ら生徒の人生が一流大学とその背後に控える一流企業に収斂されるとしか考えねえんだ。それが人生のすべてなんだろうぜ。まったく、自分たちの都合で勝手な幻想こしらえやがって」
「その幻想が優秀な生徒と金持ちの親を有名校に群がらせるじゃないの? その点では梨本のしていることは正解って気がするけど」
「ふん、言っておくがな、優秀な生徒は集めるもんじゃなくて作り出すものなんだ。それが教育の建前、もとい、理念ってもんだろ? 集めなきゃならないのはむしろ教師の方さ。教育現場にもリストラは必要なんじゃねえか。梨本みてえなやつはさっさと首頸にしてよ」
「梨本が先か、八神が先か。あんたが先に退学にならないことを祈ってるわ」
「さて、そいつはどうかな? 個性を堅守する人間が問題児なら、やつも立派な問題児さ。もっともやつの個性は他人に踏み固めてもらったもんだから、個性と呼べるかどうかはわかれねえけど。まったく、なぜ教員資格に人格が問われねえのか、俺は不思議でならねえぜ」
「もっともな意見だとは思うけど、だからってなにもテストで手を抜くことはないでしょ?」
「一つくらい不得手な教科があった方が真面ってもんさ。要は愛嬌だよ。愛嬌……」
愛嬌か。その余裕が羨ましいよ。
「そう嘆くなって。勉強なんかできたって、なんの自慢にもなりゃしないさ。少なくとも高等学校が純粋な学問の追及の場でないことは、おまえだって知っているはずだ。興味のない知識を無理やり詰め込んでも、すぐに綺麗さっぱり忘れちまうのが人間ってもんさ。ハハッ、まるで煙草の煙と同じだねえ。虚しいぜ」
体育が嫌いだってこと、久しい間忘れてた。
はは、自嘲気味に自分を励ますようじゃ、やっぱ堪えてるんだ。その遅刻って事実に……。
中学以来、ずっと無遅刻無欠席で通してきたが、とうとうその記録も途絶える時が来たようだ。でもまだ一縷の望みはある。なにかの都合でH・Rが長引けば、あるいは一時間目の授業に間に合うかもしれない。縋るような眼差しで確認した腕時計は、既に九時を一分ほど超過している。通りすがりにチラ見した駅の時計も、自分の腕時計を再確認しただけだった。改札口のフラップドアをぶち破らんばかりの勢いで飛び出して、さらに重大なことに気が付いた。
確か一時間目は現国。梨本の授業か。こりゃ、ヤバい!
ねちねちと真綿で首を絞めるような説教には定評がある。二度の遅刻を一度の欠席に換算して出席簿の付けるような陰湿な教師だ。学校伝説では遅刻だけで落第させられた哀れな生徒も存在すると、真しやかに囁かれている。厳格な教育を標榜しているというよりは、むしろ生徒を虐めて欲求不満の解消を図っているというのが真相のようだ。選りによって、そんな時に遅刻するなんて。
あいつがいけないんだ。あの女が……。
あの夢と見紛う不条理な記憶が、わたしの足を次第に鈍らせる。
ふと指先が唇に触れた。あの微熱を孕んだ物憂い感触。
指先に付いた朱色のルージュ。
彼女、口紅引いてたんだ。これってもしかして校則違反!?
既に通学路には学生の姿はなく、擦れ違う人々の目は、わたしを異邦人のごとく冷たくあしらう。根が真面目なわたしには、ちょっとばかり気にかかる視線だ。
時間帯による住み分けは人間社会に厳然として存在する。わたしは人々の認識のうちに、この場所にあってはならない存在なのだ。これもサラリーマン社会の弊害というべきか。あらゆる時間帯に君臨できる主婦が図々しいのも頷ける。制服による存在証明の不要な場所なら、それこそ至る所に存在する。
いけない! なに考えているの! そうと気付かないうちに、八神に感化されたのかしら? 今朝は調子が狂いっぱなし。まるで自分が自分じゃないような……。
立ち止まっている暇はないはずだ。
その焦燥に再び疲れた足に鞭打った。
閉じられた校門を横目に通用門を潜り抜ける。
目指す1ーC組は校舎の最上階。息せき切って階段を駆け上がるわたしの前に、のんびりとした足取りで階段を昇る現国教師梨本の姿があった。
あの厳格な教師が時間に遅れるなんて……。これはちょっとした幸運だ。
その幸運に後押しされて、足取りはスキップを踏むように軽やかになった。
「なんだ、おまえが遅刻なんて珍しいな」
一応、目立たぬ程度の優等生であるわたしには、梨本も悪罵を控えるようだ。
「先生も遅刻ですか?」
追い抜くついでに、さりげなく皮肉を囁く。
偏差値の優劣がそのまま差別意識に結び付く教師だ。これが気に入らない生徒の戯言であれば、烈火のごとく怒り出すから始末が悪い。
「つまらんこと言ってないで、さっさと教室へ行かんか」
幸いにしてわたしにはこの程度だ。
これが優等生ならつまらない冗談の一つも返したかもしれないし、劣等生なら怒声を頭から浴びせかけたかもしれない。その条件反射としか言いようのない割り切った反応は、生活指導としての長年の経験から優等生=従順、劣等生=反抗の図式が後天的に刷り込まれたせいと思われる。だがそんな硬直化した思考では分別しきれない生徒も厳然として存在する。
八神が教師の反定立として存在するとき、それはわたしにとって心ときめく瞬間でもあった。でもそれを恋愛感情と取られてははっきり言って迷惑だ。八神絡みのトラブルほど傍で見ていて面白いものはない。
あいつは成績優秀なのになぜか梨本と相性が悪い。授業中、梨本が八神を指呼しなくなってどのくらい経つだろう? 今では八神を欠席者のごとく扱い、目さえ合わせようとはしなかった。八神も八神で、現国のテストだけは意地になって赤点ギリギリの点数を取り続ける。別に現国が苦手なわけじゃない。他の教科は常にトップクラスの成績を収めているのだから、現国だって取ろうと思えばそれなりの点数は取れるはずだ。
「どうして現国だけいい点取れねえのかな? そうか、きっと教師の教え方に問題があるんだ」
梨本がテストを返却している最中に、八神が聞こえよがしに呟いた言葉だ。それが梨本に対する面当てであることは誰の目にも明らかだ。なぜそうも意固地になって反目するのか? わたしは以前、八神にその理由を尋ねたことがある。
「気に入らないからさ。それ以外理由はねえよ」
また随分と幼稚な理由じゃない?
「おまえだってそうだろ? あの野郎が好きだなんて奇特な生徒が、この学校のどこにいるっていうんだ? ああいう教師がのさばっているから、高校生活がつまらねえもんになっちまうんだ。あいつらは俺ら生徒の人生が一流大学とその背後に控える一流企業に収斂されるとしか考えねえんだ。それが人生のすべてなんだろうぜ。まったく、自分たちの都合で勝手な幻想こしらえやがって」
「その幻想が優秀な生徒と金持ちの親を有名校に群がらせるじゃないの? その点では梨本のしていることは正解って気がするけど」
「ふん、言っておくがな、優秀な生徒は集めるもんじゃなくて作り出すものなんだ。それが教育の建前、もとい、理念ってもんだろ? 集めなきゃならないのはむしろ教師の方さ。教育現場にもリストラは必要なんじゃねえか。梨本みてえなやつはさっさと首頸にしてよ」
「梨本が先か、八神が先か。あんたが先に退学にならないことを祈ってるわ」
「さて、そいつはどうかな? 個性を堅守する人間が問題児なら、やつも立派な問題児さ。もっともやつの個性は他人に踏み固めてもらったもんだから、個性と呼べるかどうかはわかれねえけど。まったく、なぜ教員資格に人格が問われねえのか、俺は不思議でならねえぜ」
「もっともな意見だとは思うけど、だからってなにもテストで手を抜くことはないでしょ?」
「一つくらい不得手な教科があった方が真面ってもんさ。要は愛嬌だよ。愛嬌……」
愛嬌か。その余裕が羨ましいよ。
「そう嘆くなって。勉強なんかできたって、なんの自慢にもなりゃしないさ。少なくとも高等学校が純粋な学問の追及の場でないことは、おまえだって知っているはずだ。興味のない知識を無理やり詰め込んでも、すぐに綺麗さっぱり忘れちまうのが人間ってもんさ。ハハッ、まるで煙草の煙と同じだねえ。虚しいぜ」
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