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1章:旅人として
海の近くの街で ☆18☆
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ピッと人差し指を立てて注意するリーズに、シュエは「はいはい」と軽く返してお風呂に持っていくものを用意し、風呂場へ足を運ぶ。
そのうちにザァーとシャワーを浴びる音と鼻歌が聞こえ、リーズは小さく肩をすくめた。
シュエはシャワーを浴びながら、頭と髪を洗う。
旅をする前から、シュエを世話していたばあやから、『自分のことは自分でできるようになったほうが、気が楽ですよ』と教えられたことを思い出した。
竜人族は成人前に一度旅に出て、外の世界に触れる。
そのため、自分の身の回りのことをできるようになるのは必要なことだ。
シュエも、いつか旅立つだろうと思われていた。
なかなか旅立たず、百歳の今になったのは、結構面白いともシュエは思う。
人肌よりも少し温かいシャワーを浴びながら、ぼんやりと今まで過ごしてきた時間を思い返し、ほぼ食と剣術だったなと口元に弧を描く。
シャワーを止め、曇った鏡をきゅっと自分の手で拭く。移った姿は幼く、シュエは目元を細めてじっくりと自分の身体を眺めた。
「そんなに弱そうに見えるかのぅ?」
ぽつりとつぶやくと、思っていたよりも浴室に響いて、慌てて口を閉じる。
シュエだって竜人族の王族だ。それなりの強さは身につけている。しかし、周りからはそう見えないようだと肩をすくめ、湯船に浸かった。
リーズがいつ用意したかはわからなかったが、熱くもなく冷たくもなく、ちょうどよい温度が保たれていた。
肩まで浸かり、はぁぁあ~と大きな息を吐く。
身体の力が抜けていくのがわかる。耳を澄ませば波の音が聞こえてきた。
「うーん、なんとも贅沢な風呂じゃな」
身も心も癒されるような気がして、シュエが満足に笑みを浮かべる。
気分が良くなってきて、母から教わった歌を小さく口ずさむ。
まだ旅を始めたばかりだというのに、家族に心配をかけてしまったようだと反省した。
(あんまり気にしてはいないのじゃが……)
思えば、誰かに拒絶されたのは先日の出来事が初めてかもしれない。
国にいれば、皇女という立場や、家族に溺愛されているということもあり、誰もシュエを拒絶したことなんてなかった。
(――なるほど、だからわらわはちょっと傷付いたんじゃな。本当にちょっとじゃが)
自分の気持ちを分析して、ようやく腑に落ちた気がした。
この街につくまでも、いろいろと悪鬼を倒し、困っている人を助け、を繰り返していた。
自分の心を落ち着かせてから、シュエは湯船から上がる。
「明日はクラーケン退治じゃ! 張り切らねばな!」
ぐっと拳を握って決意するように言葉を出すと、すっと胸に刻まれた気がした。
そのうちにザァーとシャワーを浴びる音と鼻歌が聞こえ、リーズは小さく肩をすくめた。
シュエはシャワーを浴びながら、頭と髪を洗う。
旅をする前から、シュエを世話していたばあやから、『自分のことは自分でできるようになったほうが、気が楽ですよ』と教えられたことを思い出した。
竜人族は成人前に一度旅に出て、外の世界に触れる。
そのため、自分の身の回りのことをできるようになるのは必要なことだ。
シュエも、いつか旅立つだろうと思われていた。
なかなか旅立たず、百歳の今になったのは、結構面白いともシュエは思う。
人肌よりも少し温かいシャワーを浴びながら、ぼんやりと今まで過ごしてきた時間を思い返し、ほぼ食と剣術だったなと口元に弧を描く。
シャワーを止め、曇った鏡をきゅっと自分の手で拭く。移った姿は幼く、シュエは目元を細めてじっくりと自分の身体を眺めた。
「そんなに弱そうに見えるかのぅ?」
ぽつりとつぶやくと、思っていたよりも浴室に響いて、慌てて口を閉じる。
シュエだって竜人族の王族だ。それなりの強さは身につけている。しかし、周りからはそう見えないようだと肩をすくめ、湯船に浸かった。
リーズがいつ用意したかはわからなかったが、熱くもなく冷たくもなく、ちょうどよい温度が保たれていた。
肩まで浸かり、はぁぁあ~と大きな息を吐く。
身体の力が抜けていくのがわかる。耳を澄ませば波の音が聞こえてきた。
「うーん、なんとも贅沢な風呂じゃな」
身も心も癒されるような気がして、シュエが満足に笑みを浮かべる。
気分が良くなってきて、母から教わった歌を小さく口ずさむ。
まだ旅を始めたばかりだというのに、家族に心配をかけてしまったようだと反省した。
(あんまり気にしてはいないのじゃが……)
思えば、誰かに拒絶されたのは先日の出来事が初めてかもしれない。
国にいれば、皇女という立場や、家族に溺愛されているということもあり、誰もシュエを拒絶したことなんてなかった。
(――なるほど、だからわらわはちょっと傷付いたんじゃな。本当にちょっとじゃが)
自分の気持ちを分析して、ようやく腑に落ちた気がした。
この街につくまでも、いろいろと悪鬼を倒し、困っている人を助け、を繰り返していた。
自分の心を落ち着かせてから、シュエは湯船から上がる。
「明日はクラーケン退治じゃ! 張り切らねばな!」
ぐっと拳を握って決意するように言葉を出すと、すっと胸に刻まれた気がした。
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