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1章:旅人として
新たな国 ☆5☆
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「あるよ、冒険者ギルド!」
自分の知っている場所で安心したのか、目をきらきらと輝かせて、任せてとばかりに胸を叩く。
「それでは、案内を頼むぞ」
「うん!」
「お客さまに失礼のないようにね」
子どもを心配する母親の表情に、シュエはふと自身の母を思い出し、ふっと目元を細めた。
どの世界でも母が子を想う気持ちは同じなのかもしれない。
「行きましょう! わたし、近道を知っています」
子どもは意気揚々と宿屋から飛び出た。
それを追いかけるように、シュエとリーズも外に出る。
「こっちだよ!」
大きく手を振る子どもは楽しそうにはしゃいでいる。自分にできることがあると、胸を張れるのが誇らしいのだろう。
「ふふ」
小さく口角を上げるシュエに、リーズが「どうしました?」と声をかける。
彼女は子ども視線を向けてから、空を見上げた。
早朝に到着したから、まだ午前中だ。
彼の問いには答えず、雲一つない晴天を見て、リーズに視線をやると、「転びますよ」と前を見るように促される。
子どものあとを追いかけていくと、十分もしないうちに冒険者ギルドについた。
「ここだよ!」
「……ここが、冒険者ギルド……。……のぅ、リーズ。今ふと思ったんじゃが、なんでわらわたち、世界を越えても言葉を交えたり、文字が読めたりするんじゃ?」
「シュエ……、あなたにいろいろ教えていた先生が泣きますよ」
小声でリーズに尋ねるシュエに、彼は彼女にいろいろなことを教えた教師たちの顔を思い浮かべて額に手を置き、軽く首を横に振る。
本当に食のことしか頭になかったようだ。
分かってはいたことだが、目の当たりにすると当時の教師たちが苦労しただろうと憐憫の情を催した。
「入らないの?」
冒険者ギルドの看板の前で、シュエとリーズを見つめる子どもに、彼女は近付いていく。
「もちろん入る。案内ご苦労じゃったな」
懐から飴玉を取り出し、子どもに渡した。
「あめ?」
「うむ、ここまで案内してくれた礼じゃ」
手を伸ばしてぽんぽんと子どもの頭を撫でるシュエ。
その姿を、リーズは微笑ましそうに目元を細めて眺めた。
シュエはリーズを見上げて、小さくうなずく。
「失礼するぞ!」
扉を開けて大きな声を上げると、一斉に視線が集まった。
冒険者ギルドの中は思ったよりも綺麗だった。ただ、人がとても多い。その人たちの視線を浴びながら、二人は中に足を踏み入れる。
「受付は――ああ、あそこじゃな」
辺りをきょろりと見渡して、シュエは早足で受付まで向かい、こちらを不思議そうに見ている二十代前半ほどの女性に声をかけた。
自分の知っている場所で安心したのか、目をきらきらと輝かせて、任せてとばかりに胸を叩く。
「それでは、案内を頼むぞ」
「うん!」
「お客さまに失礼のないようにね」
子どもを心配する母親の表情に、シュエはふと自身の母を思い出し、ふっと目元を細めた。
どの世界でも母が子を想う気持ちは同じなのかもしれない。
「行きましょう! わたし、近道を知っています」
子どもは意気揚々と宿屋から飛び出た。
それを追いかけるように、シュエとリーズも外に出る。
「こっちだよ!」
大きく手を振る子どもは楽しそうにはしゃいでいる。自分にできることがあると、胸を張れるのが誇らしいのだろう。
「ふふ」
小さく口角を上げるシュエに、リーズが「どうしました?」と声をかける。
彼女は子ども視線を向けてから、空を見上げた。
早朝に到着したから、まだ午前中だ。
彼の問いには答えず、雲一つない晴天を見て、リーズに視線をやると、「転びますよ」と前を見るように促される。
子どものあとを追いかけていくと、十分もしないうちに冒険者ギルドについた。
「ここだよ!」
「……ここが、冒険者ギルド……。……のぅ、リーズ。今ふと思ったんじゃが、なんでわらわたち、世界を越えても言葉を交えたり、文字が読めたりするんじゃ?」
「シュエ……、あなたにいろいろ教えていた先生が泣きますよ」
小声でリーズに尋ねるシュエに、彼は彼女にいろいろなことを教えた教師たちの顔を思い浮かべて額に手を置き、軽く首を横に振る。
本当に食のことしか頭になかったようだ。
分かってはいたことだが、目の当たりにすると当時の教師たちが苦労しただろうと憐憫の情を催した。
「入らないの?」
冒険者ギルドの看板の前で、シュエとリーズを見つめる子どもに、彼女は近付いていく。
「もちろん入る。案内ご苦労じゃったな」
懐から飴玉を取り出し、子どもに渡した。
「あめ?」
「うむ、ここまで案内してくれた礼じゃ」
手を伸ばしてぽんぽんと子どもの頭を撫でるシュエ。
その姿を、リーズは微笑ましそうに目元を細めて眺めた。
シュエはリーズを見上げて、小さくうなずく。
「失礼するぞ!」
扉を開けて大きな声を上げると、一斉に視線が集まった。
冒険者ギルドの中は思ったよりも綺麗だった。ただ、人がとても多い。その人たちの視線を浴びながら、二人は中に足を踏み入れる。
「受付は――ああ、あそこじゃな」
辺りをきょろりと見渡して、シュエは早足で受付まで向かい、こちらを不思議そうに見ている二十代前半ほどの女性に声をかけた。
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