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1章:旅人として
新たな国 ☆7☆
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屈強そうな男性は差し出されたカードを受け取り、視線を落とす。
十五歳以下の人間には反応しないように調整されている水晶玉と、カードを何度も見比べた。
十五歳以上に見える胡桃色の長髪の男性であるリーズはともかく、どう見ても十五歳以下に見える濃緑色の髪をまとめている少女がなぜ、カードを出せたのだろうかと考え――思考を放棄することにした。
「もうよいか?」
「あ、ああ。……コホンッ、ようそこ、冒険者の道へ」
「はい、どうも。では、我々はこれで」
「い、いや、ちょっと待ってくれ! せっかくカードを作ったんだから、説明くらいさせてくれよ!」
シュエとリーズにカードを返す男性。二人はカードを受け取り部屋から出ていこうとソファから立ち上がるところを、男性が引きとめる。
「説明? 身分証明書みたいなもんじゃろ?」
「いやまぁ、確かにそうだが」
リーズは視線をカードに移す。
この世界の……いや、この国の冒険者カードの仕組みは、おそらく『魔法』でできたものだ。
竜人族であるシュエとリーズの情報を読み取り、カードを出したのだからかなり高度な『魔法』が掛けられている。
これを『人間』が作れるとは思わない。
自分たちと同族か、もっと別の種族が作ったと考えたほうが、しっくりくるのだ。
「年に数回、ランクが上がる試験を受けられる。今の階級から上がれば、大きな仕事ができるようになるぞ。初めのランクは見ての通り最下位だ」
シュエはカードを見る。数字が刻まれていることに気付き、「ほう?」と首を傾げて問う。
「最下位のままではいかんのか?」
「それだと本当にただの身分証明書だろう。試験を受けないとカードは消滅するぞ」
「消滅ぅ?」
硬めのカードを振ってみる。どうやって消えるのか興味があるようで、猫のような目をカードに向けていた。そんな彼女に、リーズが声をかけた。
「依頼をこなさないと、冒険者として認められないということですよ。試験を受けるのは数回依頼をこなさないといけませんし」
「そうなのか? 面倒な仕組みじゃのぅ」
眉間に皺を刻むシュエに、リーズは人差し指を押し当てて「皺になりますよ」とくすりと笑う。
シュエはむぅ、と頬を膨らませてから、男性に視線をやった。
「のぅ、お主はこのギルドの長か?」
「そうだが?」
「ならば、ちぃと、わらわと戦ってもらえんか?」
シュエの頼み事に、男性は大きく目を見開いた。そして、保護者に見えるリーズに勢いよく顔を向ける。
「殺してはいけませんよ」
「がんばる」
「待ってくれ、こっちが倒される前提なのか!?」
十五歳以下の人間には反応しないように調整されている水晶玉と、カードを何度も見比べた。
十五歳以上に見える胡桃色の長髪の男性であるリーズはともかく、どう見ても十五歳以下に見える濃緑色の髪をまとめている少女がなぜ、カードを出せたのだろうかと考え――思考を放棄することにした。
「もうよいか?」
「あ、ああ。……コホンッ、ようそこ、冒険者の道へ」
「はい、どうも。では、我々はこれで」
「い、いや、ちょっと待ってくれ! せっかくカードを作ったんだから、説明くらいさせてくれよ!」
シュエとリーズにカードを返す男性。二人はカードを受け取り部屋から出ていこうとソファから立ち上がるところを、男性が引きとめる。
「説明? 身分証明書みたいなもんじゃろ?」
「いやまぁ、確かにそうだが」
リーズは視線をカードに移す。
この世界の……いや、この国の冒険者カードの仕組みは、おそらく『魔法』でできたものだ。
竜人族であるシュエとリーズの情報を読み取り、カードを出したのだからかなり高度な『魔法』が掛けられている。
これを『人間』が作れるとは思わない。
自分たちと同族か、もっと別の種族が作ったと考えたほうが、しっくりくるのだ。
「年に数回、ランクが上がる試験を受けられる。今の階級から上がれば、大きな仕事ができるようになるぞ。初めのランクは見ての通り最下位だ」
シュエはカードを見る。数字が刻まれていることに気付き、「ほう?」と首を傾げて問う。
「最下位のままではいかんのか?」
「それだと本当にただの身分証明書だろう。試験を受けないとカードは消滅するぞ」
「消滅ぅ?」
硬めのカードを振ってみる。どうやって消えるのか興味があるようで、猫のような目をカードに向けていた。そんな彼女に、リーズが声をかけた。
「依頼をこなさないと、冒険者として認められないということですよ。試験を受けるのは数回依頼をこなさないといけませんし」
「そうなのか? 面倒な仕組みじゃのぅ」
眉間に皺を刻むシュエに、リーズは人差し指を押し当てて「皺になりますよ」とくすりと笑う。
シュエはむぅ、と頬を膨らませてから、男性に視線をやった。
「のぅ、お主はこのギルドの長か?」
「そうだが?」
「ならば、ちぃと、わらわと戦ってもらえんか?」
シュエの頼み事に、男性は大きく目を見開いた。そして、保護者に見えるリーズに勢いよく顔を向ける。
「殺してはいけませんよ」
「がんばる」
「待ってくれ、こっちが倒される前提なのか!?」
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