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1章:旅人として
新たな国 ☆11☆
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「リーズ、わらわは疲れた」
シュエが足を止めて、リーズに手を伸ばす。
もちろん、疲れてはいないがこう伝えれば彼が抱き上げてくれることを知っている。
「では、こちらへ」
ひょいとリーズはシュエを抱き上げる。子どもは羨ましそうに二人を見上げていた。
「リーズ、もう一人いけるじゃろう?」
「ええ、もちろん。抱っこしますか?」
「えっ、ええと……いいの?」
「もちろんじゃよ。案内は抱っこされていてもできるじゃろ?」
ぱぁっと表情を明るくする子どもを見て、リーズが抱き上げる。
右腕にシュエ、左腕に子どもを抱き歩き出した。
重さを感じさせない歩きに、子どもは目をきらきらときらめかせる。
「この坂の上が、目的地ですか?」
「うんっ、きっとお客さんたちも気に入ると思う!」
子どもの声は弾んでいた。リーズは息を切らすことなく、上り坂を歩く。
そして、坂の上に広がる景色を見て、シュエとリーズは大きく目を見開いた。
「これは見事じゃな!」
「ええ、海がとても綺麗に見えますね。満月の日は見応えがありそうです」
シュエは大きくうなずく。水平線がよく見えた。海と街並みを一望して、ほぅと感嘆の息を吐く。
「そなたはこの街で暮らしているんじゃなぁ……」
「そうだよ! お客さんたちは、どんなところに住んでいたの?」
「そうだのぅ……どこじゃと思う?」
じっと景色を眺望するシュエに問いかける子どもに対し、彼女はちらりと視線をやるとすぐにふっと表情を緩めて逆に問いかけた。
「えー、わかんないよ」
むぅ、と頬を膨らませるのを見て、シュエは八重歯をみせて笑う。
再び視線を海に戻すと、すっと海の向こうを指した。
「ここよりもずーっと遠いところじゃ」
「ずーっと?」
「うむ」
子どもは首を傾げてシュエの指先を視線で追う。
この場所は子どもにとって、とても大切な場所だ。
ずっと仕事ばかりしていた両親が、『今日は特別よ』と、一日だけ仕事を休んで連れてきてくれたところだから。
だからこそ、自分よりも少しだけ年の離れているように見えるシュエが、『ずっと遠く』からきたと聞いて、目を丸くして彼女の顔を見つめた。
「さびしくないの?」
「目新しいことがたくさんあるから、寂しさはあまり感じんな」
「そういうもの……?」
意外そうに目を瞬かせる子どもに、シュエはくふくふと肩を震わせて笑う。
「リーズもいるしのぅ」
「お兄さんといるから?」
「……のぅ、わらわとリーズはそんなに似ておるか?」
シュエの問いに、子どもは素直に首を横に振った。それを見て、シュエはほっとしたように安堵の息を吐いた。
これで似ていると思われていたら、この世界の人たちの視力を疑っていた。
シュエが足を止めて、リーズに手を伸ばす。
もちろん、疲れてはいないがこう伝えれば彼が抱き上げてくれることを知っている。
「では、こちらへ」
ひょいとリーズはシュエを抱き上げる。子どもは羨ましそうに二人を見上げていた。
「リーズ、もう一人いけるじゃろう?」
「ええ、もちろん。抱っこしますか?」
「えっ、ええと……いいの?」
「もちろんじゃよ。案内は抱っこされていてもできるじゃろ?」
ぱぁっと表情を明るくする子どもを見て、リーズが抱き上げる。
右腕にシュエ、左腕に子どもを抱き歩き出した。
重さを感じさせない歩きに、子どもは目をきらきらときらめかせる。
「この坂の上が、目的地ですか?」
「うんっ、きっとお客さんたちも気に入ると思う!」
子どもの声は弾んでいた。リーズは息を切らすことなく、上り坂を歩く。
そして、坂の上に広がる景色を見て、シュエとリーズは大きく目を見開いた。
「これは見事じゃな!」
「ええ、海がとても綺麗に見えますね。満月の日は見応えがありそうです」
シュエは大きくうなずく。水平線がよく見えた。海と街並みを一望して、ほぅと感嘆の息を吐く。
「そなたはこの街で暮らしているんじゃなぁ……」
「そうだよ! お客さんたちは、どんなところに住んでいたの?」
「そうだのぅ……どこじゃと思う?」
じっと景色を眺望するシュエに問いかける子どもに対し、彼女はちらりと視線をやるとすぐにふっと表情を緩めて逆に問いかけた。
「えー、わかんないよ」
むぅ、と頬を膨らませるのを見て、シュエは八重歯をみせて笑う。
再び視線を海に戻すと、すっと海の向こうを指した。
「ここよりもずーっと遠いところじゃ」
「ずーっと?」
「うむ」
子どもは首を傾げてシュエの指先を視線で追う。
この場所は子どもにとって、とても大切な場所だ。
ずっと仕事ばかりしていた両親が、『今日は特別よ』と、一日だけ仕事を休んで連れてきてくれたところだから。
だからこそ、自分よりも少しだけ年の離れているように見えるシュエが、『ずっと遠く』からきたと聞いて、目を丸くして彼女の顔を見つめた。
「さびしくないの?」
「目新しいことがたくさんあるから、寂しさはあまり感じんな」
「そういうもの……?」
意外そうに目を瞬かせる子どもに、シュエはくふくふと肩を震わせて笑う。
「リーズもいるしのぅ」
「お兄さんといるから?」
「……のぅ、わらわとリーズはそんなに似ておるか?」
シュエの問いに、子どもは素直に首を横に振った。それを見て、シュエはほっとしたように安堵の息を吐いた。
これで似ていると思われていたら、この世界の人たちの視力を疑っていた。
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