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1章:旅人として
新たな国 ☆18☆
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右手を握り込み左手で包み込む。ぐぐぐ、と力を入れているのを見て、少年は彼の腕に触れて首を左右に振る。
「な、なぜですか、坊ちゃん!」
「今回はおれの不注意だし、彼に対する処罰は冒険者ギルドに任せている。だから、お前はなにもしなくていいんだ」
少年の言葉に目を大きく見開き、「しかし……っ」と言葉を続けようとする。そこに、シュエが口を挟んだ。
「のぅ、お主の主は誰じゃ?」
「それは坊ちゃんと、坊ちゃんのご両親ですが……」
「その坊ちゃんが、制裁するのを止めておるんじゃ。臣下なら主の言葉を受け入れるものではないのか?」
男性がぐっと言葉を詰まらせたように口を閉ざす。
「……それは、そうなのですが」
シュエが首を傾げた。リーズは目元を細めて護衛を眺め、コーヒーを飲んでいる。そのコーヒーを置いて、口を開いた。
「護衛の仕事は主を守ること。あなたはそれができなかった。それも腹立たしいのでしょうが、悔いることがもっとありますよ」
「も、もっと……?」
「幼い子は無謀なことをしがちです。あなたはもっと、その子に言い聞かせないといけませんでした。もちろん、あなただけではなく、その子の周りにいる大人全員の協力が必要だったと思います」
リーズの言葉に、シュエは彼から視線をそらす。耳に痛いことを、と窓の外を眺めて、溶けないうちにと塩ソフトを食べる。
「今回の教訓になったでしょう。そして、自分の胸に刻みなさい。人の子は脆いのですから、きちんと守らないといけないことを」
「……確かに、その通りだ。今回の件で、坊ちゃんの護衛を解かれる可能性もあるし……」
「えっ!? そんなのやだよ!」
「それを決めるのは、ご両親でしょう?」
こくりと護衛が首を縦に振る。少年はぶんぶんと頭を横に振って、「このまま護衛でいてよ……!」と哀願するような声を出していた。
「仲が良いんじゃな」
「……うん、だって、おれが生まれてからずっと一緒にいるから」
「なんじゃ、わらわとリーズと似たような関係じゃったのか」
えっ? と目を丸くしてシュエとリーズを見る二人に、彼女はにんまりと口元を緩める。
「もう家族のような関係よな」
「そうっ、そうなんだよ……!」
少年は大きく首を縦に動かした。そんな彼に、リーズはちらりと護衛の様子を見る。護衛は彼の言葉に感動したのか、瞳に涙を浮かべていた。
「よく話し合ったほうがいいと思いますよ」
「あ、ああ。そうだな……うん」
リーズの言葉に少年が護衛に顔を向け、ぽんぽんと肩を叩く。いったいどういう話し合いをするのかはわからないが、生まれたときからずっと一緒にいる相手を失うのはつらいだろうとシュエは考えを巡らせる。
隣に座っているリーズをじぃっと見つめる。シュエの視線が刺さり、「どうしました?」と彼が問いかけた。
「まぁ、わらわたちは大丈夫じゃな」
「なにがです?」
シュエの言葉が理解できず、リーズはきょとりと不思議そうな表情を浮かべた。
「な、なぜですか、坊ちゃん!」
「今回はおれの不注意だし、彼に対する処罰は冒険者ギルドに任せている。だから、お前はなにもしなくていいんだ」
少年の言葉に目を大きく見開き、「しかし……っ」と言葉を続けようとする。そこに、シュエが口を挟んだ。
「のぅ、お主の主は誰じゃ?」
「それは坊ちゃんと、坊ちゃんのご両親ですが……」
「その坊ちゃんが、制裁するのを止めておるんじゃ。臣下なら主の言葉を受け入れるものではないのか?」
男性がぐっと言葉を詰まらせたように口を閉ざす。
「……それは、そうなのですが」
シュエが首を傾げた。リーズは目元を細めて護衛を眺め、コーヒーを飲んでいる。そのコーヒーを置いて、口を開いた。
「護衛の仕事は主を守ること。あなたはそれができなかった。それも腹立たしいのでしょうが、悔いることがもっとありますよ」
「も、もっと……?」
「幼い子は無謀なことをしがちです。あなたはもっと、その子に言い聞かせないといけませんでした。もちろん、あなただけではなく、その子の周りにいる大人全員の協力が必要だったと思います」
リーズの言葉に、シュエは彼から視線をそらす。耳に痛いことを、と窓の外を眺めて、溶けないうちにと塩ソフトを食べる。
「今回の教訓になったでしょう。そして、自分の胸に刻みなさい。人の子は脆いのですから、きちんと守らないといけないことを」
「……確かに、その通りだ。今回の件で、坊ちゃんの護衛を解かれる可能性もあるし……」
「えっ!? そんなのやだよ!」
「それを決めるのは、ご両親でしょう?」
こくりと護衛が首を縦に振る。少年はぶんぶんと頭を横に振って、「このまま護衛でいてよ……!」と哀願するような声を出していた。
「仲が良いんじゃな」
「……うん、だって、おれが生まれてからずっと一緒にいるから」
「なんじゃ、わらわとリーズと似たような関係じゃったのか」
えっ? と目を丸くしてシュエとリーズを見る二人に、彼女はにんまりと口元を緩める。
「もう家族のような関係よな」
「そうっ、そうなんだよ……!」
少年は大きく首を縦に動かした。そんな彼に、リーズはちらりと護衛の様子を見る。護衛は彼の言葉に感動したのか、瞳に涙を浮かべていた。
「よく話し合ったほうがいいと思いますよ」
「あ、ああ。そうだな……うん」
リーズの言葉に少年が護衛に顔を向け、ぽんぽんと肩を叩く。いったいどういう話し合いをするのかはわからないが、生まれたときからずっと一緒にいる相手を失うのはつらいだろうとシュエは考えを巡らせる。
隣に座っているリーズをじぃっと見つめる。シュエの視線が刺さり、「どうしました?」と彼が問いかけた。
「まぁ、わらわたちは大丈夫じゃな」
「なにがです?」
シュエの言葉が理解できず、リーズはきょとりと不思議そうな表情を浮かべた。
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