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1章:旅人として
新たな国 ☆19☆
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「そなたたちにはそなたたちの絆があるのじゃろう。その絆、大事にせいよ」
シュエは二人に視線をやってから、塩ソフトをすべて食べ終えた。満足そうな笑顔を見て、少年はふっと笑みを浮かべる。
「そうだね、うん。ありがとう」
「どういたしまして」
「……あ、ねぇ。きみたちはいつまでこの街にいるの?」
「とりあえず、三泊はする予定じゃよ。なぜそんなことを気にする?」
少年は塩ソフトに落としてから、顔を上げた。そして、口を開いた。
「隣国に帰る日に、きみたちを護衛として雇いたいんだ」
「でしたら、冒険者ギルドで依頼をしてください。私たちは冒険者ですので」
「は、はい!」
リーズは淡々とした口調で伝え、アイスコーヒーを飲む。すべて飲み終えたのを見て、シュエがくいくいと彼の服の袖を引っ張る。
「なぜ冒険者ギルドを介する必要があるんじゃ?」
「そういう仕組みだからですよ。我々は冒険者になったので、個人を指名してもらうことになります。冒険者カードを使って依頼を管理しているんですよ」
リーズの説明を聞いて、冒険者カードを思い浮かべる。
「ただの身分証明書ではないんじゃなぁ」
「はい。それに、これで一回は依頼を受けたことになりますからね。指名のときには必ず『シュエとリーズに』と伝えてくださいね」
「わかった、そうするよ!」
少年は元気にうなずいて、残りの塩ソフトを食べた。
彼らとは喫茶店で別れ、シュエとリーズは喫茶店の前でこれからどうするかを話し合う。
「とりあえず、散らばって逃げたやつらを探すか?」
「探さなくても、見つけられますよ」
リーズはすっと己の左手を空にかざした。彼の指には白い糸が、逃げた人数分巻き付いていた。
「抜かりないのぅ」
「万が一のためですよ」
シュエが目を丸くしてリーズの左手を見つめる。すぅっと目元を細めると、彼の背中をばしばしと叩く。少し痛そうにしながらも、「行きますか?」と彼女に問いかけた。「もちろん!」と笑顔でうなずくのを見て、逃げた人たちを見つけることに集中する。
「それにしても、よく人数分つけられたな?」
「姫さまが注目を集めていたおかげで、簡単でしたよ」
「ふふん」
自慢気に胸を張るシュエに、リーズは肩をすくめる。楽しそうに軽い足取りで糸を追う彼女を見て、ゆっくりと息を吐いた。
「のぅ、リーズ。わらわたち、実は結構仲が良い主従関係なのでは?」
「今頃気付いたのですか?」
意外そうに目を瞬かせるリーズに、シュエは「むぅ」と頬を膨らませる。
「だって、他の主従関係の者たちは見たことなかったもん」
「家族の主従関係は見ていたでしょう?」
「それはそうじゃが、長い付き合いじゃろう? じゃから、主従というよりも家族に近い関係に見えるんじゃ」
翠竜国に住む竜人たちの寿命は長い。長いため、付き合いも相当の長さになる。だからこそ、緊張感のある関係ではなく、家族のような感覚で接していた。シュエにとって、リーズがそうであるように。
シュエは二人に視線をやってから、塩ソフトをすべて食べ終えた。満足そうな笑顔を見て、少年はふっと笑みを浮かべる。
「そうだね、うん。ありがとう」
「どういたしまして」
「……あ、ねぇ。きみたちはいつまでこの街にいるの?」
「とりあえず、三泊はする予定じゃよ。なぜそんなことを気にする?」
少年は塩ソフトに落としてから、顔を上げた。そして、口を開いた。
「隣国に帰る日に、きみたちを護衛として雇いたいんだ」
「でしたら、冒険者ギルドで依頼をしてください。私たちは冒険者ですので」
「は、はい!」
リーズは淡々とした口調で伝え、アイスコーヒーを飲む。すべて飲み終えたのを見て、シュエがくいくいと彼の服の袖を引っ張る。
「なぜ冒険者ギルドを介する必要があるんじゃ?」
「そういう仕組みだからですよ。我々は冒険者になったので、個人を指名してもらうことになります。冒険者カードを使って依頼を管理しているんですよ」
リーズの説明を聞いて、冒険者カードを思い浮かべる。
「ただの身分証明書ではないんじゃなぁ」
「はい。それに、これで一回は依頼を受けたことになりますからね。指名のときには必ず『シュエとリーズに』と伝えてくださいね」
「わかった、そうするよ!」
少年は元気にうなずいて、残りの塩ソフトを食べた。
彼らとは喫茶店で別れ、シュエとリーズは喫茶店の前でこれからどうするかを話し合う。
「とりあえず、散らばって逃げたやつらを探すか?」
「探さなくても、見つけられますよ」
リーズはすっと己の左手を空にかざした。彼の指には白い糸が、逃げた人数分巻き付いていた。
「抜かりないのぅ」
「万が一のためですよ」
シュエが目を丸くしてリーズの左手を見つめる。すぅっと目元を細めると、彼の背中をばしばしと叩く。少し痛そうにしながらも、「行きますか?」と彼女に問いかけた。「もちろん!」と笑顔でうなずくのを見て、逃げた人たちを見つけることに集中する。
「それにしても、よく人数分つけられたな?」
「姫さまが注目を集めていたおかげで、簡単でしたよ」
「ふふん」
自慢気に胸を張るシュエに、リーズは肩をすくめる。楽しそうに軽い足取りで糸を追う彼女を見て、ゆっくりと息を吐いた。
「のぅ、リーズ。わらわたち、実は結構仲が良い主従関係なのでは?」
「今頃気付いたのですか?」
意外そうに目を瞬かせるリーズに、シュエは「むぅ」と頬を膨らませる。
「だって、他の主従関係の者たちは見たことなかったもん」
「家族の主従関係は見ていたでしょう?」
「それはそうじゃが、長い付き合いじゃろう? じゃから、主従というよりも家族に近い関係に見えるんじゃ」
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