竜人族の末っ子皇女の珍☆道☆中

秋月一花

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2章:冒険者として

初仕事! ☆6☆

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(リーズがわらわのことを心配するのは、父上に頼まれたからというのが強いじゃろう。それに、生まれたときから付き合いだからの。妹のように思っているのかもしれんな)

 そっちのほうがしっくりくる、と扇子を持たない手を胸元に添える。

「――話さないなら、舌を斬りますよ。喋らないのでしたら、不要ですよね」

 脅し文句が耳に届き、慌てて彼の袖を引っ張った。

「その脅しで口を割るか?」
「本来なら拷問するところなんですけどね……年端もいかない人の前だと、衝撃が強いでしょうし」
「……もしやその『年端もいかない』者の中に、わらわも入っておるのか?」

 おろおろしたようにこちらを見ている少年と護衛を視界に入れてから、リーズに視線を戻す。シュエは自身の年齢を思い浮かべながら彼を睨む。

 リーズはもちろん、というように首を縦に振った。

 納得いかない、とリーズを睨むシュエに、彼はこほんと一度咳払いをしてから、再び襲撃者に問いかける。

「言わないつもりか?」
「俺たちはただ、雇われただけ、だ……」

 ぐっと顔をしかめながらも、男性がぽつりと答えた。

 苦々しいその姿を見ながら、リーズは淡々と情報を引き出していく。彼の手にナイフが握られていたから、話してくれたのかもしれないとシュエは考える。

 襲撃者曰く――少年を誘拐せよ、とギルドに依頼があった。

 その依頼は匿名だったらしい。

 しかし報酬はかなり高額だったので、おそらく貴族だったのだろうということだ。

「……ギルド? お主ら、ただの盗賊や山賊ではなかったのか?」
「嬢ちゃん、いろんなギルドがあるもんなんだよ」
「なんのギルドじゃろ……?」

 黒ずくめの襲撃者たちがいるギルドの活動がさっぱりわからず、シュエは考え込む。リーズは見当がついているのか、心底嫌そうに眉根を寄せて、

「――暗殺者ギルドですか?」

 そう、男性にたずねた。

 びくり、と彼の肩が大きく跳ねたのを見て、当たりか、と思考を巡らせる。

「暗殺者ギルド? そんなものもあるのか、この世界」
「暗殺者という名の汚れ仕事ギルドですね。主に罪を犯し、闇にしか所属できない人が入るギルドです」
「詳しいのぅ」
「私が旅をした場所にもありましたから。懐かしい響きです」

 本当に懐かしんでいるように、目元を細めて遠くを見つめていた。

 リーズが旅をしていたときに、暗殺者ギルドがどう関わってきたのかとても気になるところだったが、それよりも男性の話を聞くのが先だろうと、リーズの後ろから顔を覗かせるシュエ。

「のぅ、先程『匿名』と言っておったな? おぬしら、下っ端ということか?」
「……否定はしないが、ずかずかと言うお嬢ちゃんだな……」
「さすがにお主らより上層部の者は知っておろう。ギルドの場所はどこじゃ?」
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