103 / 131
2章:冒険者として
初仕事! ☆7☆
しおりを挟む
シュエが縛られている黒ずくめの襲撃者に視線を合わせ、問いかける。
睨むように彼女を見る襲撃者に対し、リーズがすっと表情を消した。それを見た襲撃者は「ひっ」と短い悲鳴を上げた。
「これこれ、リーズよ。あまり怖がらせたら話せなくなるじゃろう」
シュエがリーズの服の袖を引っ張る。
恐怖に震えながらも、それに負けじと睨みつけてくる襲撃者を見て、二人は視線を交わして真っ直ぐに男性を見つめた。
「――そなた、妻子がおるな?」
びくり、と襲撃者の肩が跳ねる。
「いない」
「お主にはもったいない、美しい人のようじゃな。子どももまだ幼いようじゃし、妻子はこんな仕事をしていることを知らんのじゃろう?」
「どうやって誤魔化していたんでしょうね」
「おそらく、傭兵とでも言っておったんじゃなかろうか?」
目元を細めてじっくりと襲撃者の様子を眺めるシュエ。
彼は自分の鼓動がドッドッドッと早鐘を打っていることに気付く。
――この少女は、なぜそんなことを知っているのだろうか、と。
「しかし、こんな場所に放置すれば、魔物にぱくりと食べられそうじゃなぁ」
縛られて動けない人間は、魔物にとってとても狙いやすいだろう。
シュエがしみじみとそんなことを口にすると、意識を取り戻した人たちが身震いをした。
自分がどんな運命を辿るかを想像してしまったようで、顔を真っ青にしている。
「情況を吐かぬのなら、このまま放置するが?」
「――リーダー、おれ、死にたくないです……」
まだ日が高いとはいえ、魔物はいつ襲いかかってくるかわからない。
いつ脅威がくるのかわからず、逃げられない状況。このままでは魔物に無抵抗で負けてしまう、状況。
一緒に縛られていた襲撃者が、弱々しく言葉を吐く。
「うむうむ。短い人生、命を大切にせんとなぁ? ……というか、そなた、リーダーだったのか」
リーダーと呼ばれた襲撃の顔をじろじろと眺める。明らかに嫌そうに顔をしかめられた。
「さぁ、さっさとわらわたちに情報を渡せ」
にーっこり。
シュエが満開の笑顔を見せると、男性はわなわなと身体を震わせ――大きくため息を吐いた。どうやら、決心がついたらしい。
「ギルドの場所は森の中。暗殺者ギルドの者じゃないと、入れないようになっている」
悔しそうに表情を歪めながらも、その悔しさを言葉に乗せないように淡々と情報を伝える男性に、シュエはリーズを見上げた。
あとは、彼がやってくれるだろうと考え、少年と護衛の姿を探し彼らに駆け寄る。
睨むように彼女を見る襲撃者に対し、リーズがすっと表情を消した。それを見た襲撃者は「ひっ」と短い悲鳴を上げた。
「これこれ、リーズよ。あまり怖がらせたら話せなくなるじゃろう」
シュエがリーズの服の袖を引っ張る。
恐怖に震えながらも、それに負けじと睨みつけてくる襲撃者を見て、二人は視線を交わして真っ直ぐに男性を見つめた。
「――そなた、妻子がおるな?」
びくり、と襲撃者の肩が跳ねる。
「いない」
「お主にはもったいない、美しい人のようじゃな。子どももまだ幼いようじゃし、妻子はこんな仕事をしていることを知らんのじゃろう?」
「どうやって誤魔化していたんでしょうね」
「おそらく、傭兵とでも言っておったんじゃなかろうか?」
目元を細めてじっくりと襲撃者の様子を眺めるシュエ。
彼は自分の鼓動がドッドッドッと早鐘を打っていることに気付く。
――この少女は、なぜそんなことを知っているのだろうか、と。
「しかし、こんな場所に放置すれば、魔物にぱくりと食べられそうじゃなぁ」
縛られて動けない人間は、魔物にとってとても狙いやすいだろう。
シュエがしみじみとそんなことを口にすると、意識を取り戻した人たちが身震いをした。
自分がどんな運命を辿るかを想像してしまったようで、顔を真っ青にしている。
「情況を吐かぬのなら、このまま放置するが?」
「――リーダー、おれ、死にたくないです……」
まだ日が高いとはいえ、魔物はいつ襲いかかってくるかわからない。
いつ脅威がくるのかわからず、逃げられない状況。このままでは魔物に無抵抗で負けてしまう、状況。
一緒に縛られていた襲撃者が、弱々しく言葉を吐く。
「うむうむ。短い人生、命を大切にせんとなぁ? ……というか、そなた、リーダーだったのか」
リーダーと呼ばれた襲撃の顔をじろじろと眺める。明らかに嫌そうに顔をしかめられた。
「さぁ、さっさとわらわたちに情報を渡せ」
にーっこり。
シュエが満開の笑顔を見せると、男性はわなわなと身体を震わせ――大きくため息を吐いた。どうやら、決心がついたらしい。
「ギルドの場所は森の中。暗殺者ギルドの者じゃないと、入れないようになっている」
悔しそうに表情を歪めながらも、その悔しさを言葉に乗せないように淡々と情報を伝える男性に、シュエはリーズを見上げた。
あとは、彼がやってくれるだろうと考え、少年と護衛の姿を探し彼らに駆け寄る。
1
あなたにおすすめの小説
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
私ですか?
庭にハニワ
ファンタジー
うわ。
本当にやらかしたよ、あのボンクラ公子。
長年積み上げた婚約者の絆、なんてモノはひとっかけらもなかったようだ。
良く知らんけど。
この婚約、破棄するってコトは……貴族階級は騒ぎになるな。
それによって迷惑被るのは私なんだが。
あ、申し遅れました。
私、今婚約破棄された令嬢の影武者です。
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
特技は有効利用しよう。
庭にハニワ
ファンタジー
血の繋がらない義妹が、ボンクラ息子どもとはしゃいでる。
…………。
どうしてくれよう……。
婚約破棄、になるのかイマイチ自信が無いという事実。
この作者に色恋沙汰の話は、どーにもムリっポい。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる