竜人族の末っ子皇女の珍☆道☆中

秋月一花

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2章:冒険者として

暗殺者ギルド ☆1☆

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 室内にいる暗殺者たちは、とても戸惑っているようで誰も動かない。

 困惑するまま、縋るようにボスに視線を向ける。襲撃者のリーダーも捕まっているので、余計に混乱しているようだ。

 襲いかかってこないところをみると、組織としての連携がまだあまりできていないのだろうと結論付け、シュエは肩をすくめる。

「……その前に、ここには台所があるのか?」
「……え?」
「腹が減ったから、なにか作りたい。特別にそなたたちにも食べさせてやろう」

 白い歯を見せて笑うシュエに、リーズが目をパチパチとまたたかせて呆れたような視線を彼女に向けた。

「見たところ、そなたたちまともに食えておらんじゃろ?」

 この場にいる暗殺ギルドの人たちの身体は、細すぎた。筋肉のある細さではなく、まるで骨と皮だけの人もいる。

「ま、そなたたちには重いかもしれんがのぅ」

 くすっと笑ってシュエは「台所はどこじゃ?」と家の中を歩き出す。彼女のマイペースさに、暗殺ギルドのボスは同情のまなざしをリーズに注いだ。

「……ここで大人しくしていれば、命は取りません。あなたたち全員です」

 リーズが淡々とした口調でそう宣言してから、少年の護衛に近付いてぽんと軽く肩を叩いて、シュエに近付いていく。

「なにを作るつもりですか?」
「からあげじゃ。身体を動かしたからの、たくさん食べるのじゃ」

 ホクホクとした顔で話すシュエに、リーズは呆然としている暗殺者ギルドの人たちを眺めて、ゆっくり息を吐いた。

「勝手に台所使っていいんですか?」
「構わんじゃろ。……それに、ちぃと気になることもあるしのぅ」

 台所に? とリーズが目を丸くすると、シュエはくふくふと笑いながら、目的の台所を見つけた。ずらりと並んだスパイスたちを視界に入れ、彼女はぱぁっ表情を明るくする。

「いろいろなスパイス! 暗殺者ギルドやめてスパイスを使った料理でも作ればいいのに」
「……待ってください、このスパイスの中に、毒があるようなのですが……」
「うむ。毒の耐性をつけようとしたんじゃろうな」

 図鑑などでよく見るものから、シュエもわからないものまで様々な毒も並んでいた。リーズはどんな毒なのかを理解しているのか、うわぁ、と小さく声を上げた。

「どんなものがあるかのぅ」
「……蠱毒こどくもありそうですねぇ。なにも台所に置かなくても……」
「あの壺じゃろ? よくまぁ集めたもんじゃ」

 ひそひそと話しているシュエとリーズ。ちらっと後ろを振り返ってから、その場にいる全員に聞こえるように口を開く。
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