竜人族の末っ子皇女の珍☆道☆中

秋月一花

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2章:冒険者として

シュエの決意 ☆3☆

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「子どもの心は繊細じゃぞ? なぁ、エリオット?」
「えっと……うん、寂しかったのは本当だけど……」

 家族のことを思うと、エリオットの胸が締め付けられるように痛くなる。

 痛みを感じながらも、『仕方ないこと』と諦めていたのも事実だ。彼はそっと目を伏せた。

「それはともかく、なぜアクアマリンとエリオットを狙ったんじゃ?」
「――そのアクアマリン、『鍵』らしい」
「鍵?」

 エリオットはアクアマリンを取り出して、じっと見つめる。ただの宝石にしか見えない。リーズが「よく見せていただいても?」と声をかけると、こくりとうなずいてアクアマリンをリーズに渡した。

「……ああ、なるほど。確かに『鍵』ですね」
「なにかわかるのか?」
「シュエも持ってみればわかりますよ」

 シュエの手にアクアマリンが渡る。そこから竜人族の力を感じ、バッとリーズを見上げる。

 彼は目を細めて、小さくうなずいた。

 どうやらこの世界に竜人族の誰かが旅をしていたようで、そのとき、このアクアマリンに力を注いだのだろう。

「でも、いったいなんの『鍵』なんだろう?」
「お前の家、鉱山を持っているだろ」

 ルシアンがゆっくりと息を吐いてから、銀灰色の髪をかきあげた。彼の灰紫色の瞳が細められ、テーブルに肘をついて淡々と話す。

「う、うん……」
「依頼主の名はギュスターヴ・クロゼ。その鉱山を狙っていると有名なやつだ」
「え、おれ知らないよ……? アルフォンス、知ってる?」

 エリオットに問われたアルフォンスは、目を閉じて記憶をたどる。エリオットが生まれる前にあった騒動のことを思い出し、ハッとしたように目を開けた。

「昔、鉱山を共同管理していたときがあります。そのときの共同管理者が、クロゼ家だった記憶があります。あまり……好印象な方ではありませんでしたが……」
「鉱山って共同管理できるのか?」
「領地の狭間にあったので……。ギュスターヴが管理していた村にも渡っていたんですよね……。ただ、確か……彼は不正をして追放されたはずです」

 シュエとエリオットは目を大きく見開いて、アルフォンスを見上げた。それから事情を知っていそうなルシアンに顔を向ける。

「その通り。ギュスターヴは鉱山の権利を自分だけのものにするため、いろいろ画策したがすべて失敗しクロゼ男爵家は没落した。そして、そこの坊ちゃん家が所有している鉱山の一つには封印されている場所がある」
「……封印? 鉱山に?」

 エリオットが混乱したように額に手を置いて、小声でたずねた。ルシアンはそうだ、とうなずき、彼をした。

「その封印を解くのに、アクアマリンとその血族が必要なんだと」
「それがエリオットを狙った理由か。……というか、お主詳しいな?」
「情報を集めるのは得意だからな」

 ふん、と鼻を鳴らすルシアンに、シュエは呆れたように息を吐き、アクアマリンをエリオットに返す。

 このアクアマリンには、シュエとリーズにはなじみ深い力が吹きこまれているようだ。

 そのことは伝えずに、「封印された場所の『鍵』、とは面白そうだとは思うがの」とくふくふ笑う。

「それで? これからどうするんだい?」
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