竜人族の末っ子皇女の珍☆道☆中

秋月一花

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2章:冒険者として

封印された場所へ! ☆2☆

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 気を失っているなら、と速度を上げて目的地まで向かう。馬車よりも早く、目的地についたので三人を地面に下ろして、「ついたぞー」と軽く頬をぺちぺち叩く。

「う、うぅん……?」

 エリオットが目を覚ますと、そこは見覚えのない場所だった。

「こ、ここは……?」
「目的地周辺じゃ。日が沈むまでに辿りつけて幸いじゃったな」

 にっと白い歯を見せるシュエに、エリオットは目を丸くした。馬車よりも速く移動できる人なんて、見たことがなかったからだ。だが、彼女たちの強さを見てきたので、なぜか納得できる。

「……っ、ぅ……?」
「……なんだ、あの、速さ……」

 エリオットの護衛であるアルフォンスと、暗殺者ギルドのボス、ルシアンも意識を取り戻し、辺りを見渡して怪訝けげんそう表情を浮かべた。

「ルシアンよ、おぬしが言っていたのはこの場所じゃろう?」
「あ、ああ……。よく、地図だけでわかったな」
「わかりやすかったですよ」

 リーズはちらりと封印された場所に視線を移す。竜人族の力を感じるので、とてもわかりやすかった。いったいここになにを封印しているのか……と疑問を抱きつつ、彼はふとなにかに気付いたように全員に向けて「静かに」と口元で人差し指を立てる。

「なにかあったか?」

 小声でシュエが問いかけると、リーズは立てた指をついと動かす。

 彼の指先を追っていくと、茶色のフードを被った人物が、封印された場所に進んでいくのが見えた。

「大人と子ども……のようじゃな」

 二人の身長差からそう判断し、シュエは首を傾げる。

 遠目とはいえ、はっきりと見えるので、すぅっと目を細めて彼らの動向を探った。

「なにか揉めているようですね」

 リーズの言葉にうなずく。他の三人には遠くて見えないようだ。竜人族であるシュエとリーズだけが、彼らの様子を確認できる。

 不思議そうな表情を浮かべる彼らに、シュエは安心させるように微笑み、リーズは茶色のフードを被った人物をじぃと眺めた。

 ぐいっと力強く子どもの腕を引く大人。どう見ても嫌がっているように見える。

 シュエに視線を向けると、彼女はゆっくりと息を吐いて、スタスタと彼らに近付いていった。

「シュエ……」

 呆れたようなリーズの声。聞こえないふりをして、シュエは扇子を投げた。シュッと風を切って扇子は大人と子どものちょうど真ん中を通り、壁に突き刺さる。

「な、何事だ!?」
「ごきげんよう、わらわは、冒険者のシュエ。ひょんなことからこの地に舞い降りたのじゃが、なにやら揉め事の気配を察してきた!」
「はぁっ?」

 茶色のフードを被った大人が声を荒げる。子どもの手を離していないのを確認し、シュエはにぃっと口角を上げて、足音を立てて近付いていく。

「のぅ、お主。そんなに強く掴んでは、その子の腕にくっきりとそなたの手のあとが残るぞ?」
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