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3章:アシュリンと再会。
アシュリンとリーリクル。 3話
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それから、アシュリンたちはメイソンの家まで歩いていった。メイソンの家は湖畔にあり、アシュリンのおばあちゃんであるロッティが玄関をそうじしていた。孫に気付いたロッティは「あらまぁ」と目を丸くして微笑む。
「今日だったのねぇ。そっちの子はラルフくん?」
「は、はい。初めまして」
アシュリンはメイソンにずっと抱っこをされて移動してきたので、降ろしてもらい「おばあちゃん!」とロッティに駆けていった。
ロッティはアシュリンを抱きとめ、その頭を撫でている。
ぽん、とラルフの肩にメイソンが手を置いてから、歩き出した。ついてきなさい、というように。
「あの、これ、良かったら……」
ラルフは買ったおかしをロッティに差し出す。
「あらあら、お気遣いいただいて。ゆっくりしていってね」
にこりと笑うロッティは、人懐っこそうに見えた。おかしの箱を受け取って、アシュリンから離れて家の中に入っていく。アシュリンもそのあとに続いた。
「ラルフ! 入って入って!」
「う、うん……」
少し緊張したように、ラルフはメイソンとロッティが暮らしている家を見上げてから、家の中に足を踏み入れる。
「おじゃまします」
「こっちの家、久しぶりー!」
『ここがご主人さまのお母さんの実家なんですね!』
「そうだよー!」
家の中に入り、手洗い、うがいをするようにうながされた。
アシュリンとラルフはしっかりと手洗い、うがいをしてからリビングに向かう。
「……わぁ……」
「すごいでしょ! 湖が見放題!」
リビングの窓はとても大きく、湖がよく見えた。そのことにラルフが思わず声を出すと、得意げに笑うアシュリンが胸を張って彼の手を引っ張った。
「おばあちゃん、窓開けても良い?」
「いいよぉ。今、お茶淹れるからねぇ」
はーい、と元気よく返事をしたアシュリンは、リビングの窓を開けて、こっちだよとラルフを誘う。
「リビングと繋がっているんだ」
「うん、屋根もあるし、椅子もあるし、開放感があって最高でしょ!」
「リビングバルコニーか……。確かに開放感があるし、湖がよく見えるね」
湖面はキラキラと輝き、澄んだ青色はラルフの心を和ませてくれた。
「おや、こっちにいたのかい。こっちでお茶を飲まないか?」
「飲むー! ノド、カラカラ!」
「えっと、いただきます」
ラルフにとって、友だちの祖父母の家にいくことは、なかなか不思議なことだった。
だからなのか、心がさっきからソワソワしていて、落ち着かない。
湖を見たことでほんの少しだけ和んだが、慣れないなと小さく息を吐いた。
リビングに入り、勧められるまま椅子に座るアシュリンとラルフ。
四人分のカップがテーブルに並び、ラルフが買ったおかしも並んでいた。
「ここのマドレーヌ美味しいのよねぇ。良いセンスだわ、ラルフくん」
「あ、ありがとうございます……」
「今日だったのねぇ。そっちの子はラルフくん?」
「は、はい。初めまして」
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ロッティはアシュリンを抱きとめ、その頭を撫でている。
ぽん、とラルフの肩にメイソンが手を置いてから、歩き出した。ついてきなさい、というように。
「あの、これ、良かったら……」
ラルフは買ったおかしをロッティに差し出す。
「あらあら、お気遣いいただいて。ゆっくりしていってね」
にこりと笑うロッティは、人懐っこそうに見えた。おかしの箱を受け取って、アシュリンから離れて家の中に入っていく。アシュリンもそのあとに続いた。
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「……わぁ……」
「すごいでしょ! 湖が見放題!」
リビングの窓はとても大きく、湖がよく見えた。そのことにラルフが思わず声を出すと、得意げに笑うアシュリンが胸を張って彼の手を引っ張った。
「おばあちゃん、窓開けても良い?」
「いいよぉ。今、お茶淹れるからねぇ」
はーい、と元気よく返事をしたアシュリンは、リビングの窓を開けて、こっちだよとラルフを誘う。
「リビングと繋がっているんだ」
「うん、屋根もあるし、椅子もあるし、開放感があって最高でしょ!」
「リビングバルコニーか……。確かに開放感があるし、湖がよく見えるね」
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「おや、こっちにいたのかい。こっちでお茶を飲まないか?」
「飲むー! ノド、カラカラ!」
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だからなのか、心がさっきからソワソワしていて、落ち着かない。
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四人分のカップがテーブルに並び、ラルフが買ったおかしも並んでいた。
「ここのマドレーヌ美味しいのよねぇ。良いセンスだわ、ラルフくん」
「あ、ありがとうございます……」
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