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2章:異存
夕食はシチュー
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「つーくんたちは本当に帰ったんだね」
コトコトと大鍋でシチューを煮ていた伊吹が、蓮也と架瑠の気配に気付いてくるりと振り返る。
「今日は伊吹のシチューか。寒いから嬉しいね」
蓮也が同意を求めてきたので、架瑠は首肯した。おいしそうな匂いが鼻腔をくすぐり、ぐぅ、と架瑠のお腹の音が鳴った。
「出来立てホカホカだよ!」
シチューを器に盛り、テーブルに運んでいくようにお願いする伊吹に、架瑠と蓮也はそれぞれシチューの入った深めの皿を受け取った。こぼさないようにそうっと運んでいく。
「あ、ニンジンが飾り切りされてる」
「可愛くていいでしょ?」
全員分のスプーンを用意し、焼きたてのパンもテーブルに置く伊吹。彩り豊かなサラダも並び、架瑠の食欲を刺激した。
それぞれ椅子に座り、両手を合わせて「いただきます」と言葉を発してからスプーンを手に取り、シチューを掬い口に運ぶ。
まろやかなミルクとバターの風味、香ばしく柔らかい鶏肉、花の飾り切りになっている赤いニンジン、ブロッコリーはあとから入れたのか緑色が鮮やかだ。ジャガイモも煮崩れしていなく、ホクホクとしていた。
「美味しいです」
「うふふ、ありがとう」
嬉しそうに笑う伊吹に、蓮也もシチューを食べる。サラダやパンもパクパクとよく食べる架瑠を見て、伊吹と蓮也は視線を交えて小さくうなずく。
満腹になると満足そうに目元を細めてお茶を飲む架瑠の姿に、蓮也が口を開いた。
「友人ができてよかったね」
「ゆう、じん?」
「九鬼くんのことだよ」
紬のことを『友人』と言われて、架瑠は目を丸くした。そして、首を捻る。
「友人、でいいのでしょうか。クラスメイトで、同じ部活というだけなのですが……」
「家にまで招いてなにを言っているの。それに、友人かそうじゃないかなんて、個人の気持ち次第でしょ」
伊吹が呆れたように、ジトリとした目をしながら架瑠に声をかけた。
「友人、かぁ……」
口の中でそうつぶやき、軽く頬をかく。目を伏せて紬の姿を思い出し、ちらりと窓に視線を向ける。
カーテンを閉めてないから、自分の姿が映っていた。
「……鬼童丸の子孫って言っていましたね」
「子孫でもあれだけの妖力を持っているのは、さすがとしか言えないね」
先程のことを思い出し、架瑠は口を閉じた。彼の髪と同じような紅蓮の炎。それを見せてくれたのは、紬にとっても賭けだったのかもしれない。
そう考えて、架瑠は再び目を伏せる。
「……おれにそんな秘密を明かして、よかったのでしょうか」
「それは本人に聞いてみないとわからないよ。架瑠から見て、彼はどんな人かな?」
蓮也の問いに、架瑠は彼が転校してきてからの一ヶ月を思い返した。
コトコトと大鍋でシチューを煮ていた伊吹が、蓮也と架瑠の気配に気付いてくるりと振り返る。
「今日は伊吹のシチューか。寒いから嬉しいね」
蓮也が同意を求めてきたので、架瑠は首肯した。おいしそうな匂いが鼻腔をくすぐり、ぐぅ、と架瑠のお腹の音が鳴った。
「出来立てホカホカだよ!」
シチューを器に盛り、テーブルに運んでいくようにお願いする伊吹に、架瑠と蓮也はそれぞれシチューの入った深めの皿を受け取った。こぼさないようにそうっと運んでいく。
「あ、ニンジンが飾り切りされてる」
「可愛くていいでしょ?」
全員分のスプーンを用意し、焼きたてのパンもテーブルに置く伊吹。彩り豊かなサラダも並び、架瑠の食欲を刺激した。
それぞれ椅子に座り、両手を合わせて「いただきます」と言葉を発してからスプーンを手に取り、シチューを掬い口に運ぶ。
まろやかなミルクとバターの風味、香ばしく柔らかい鶏肉、花の飾り切りになっている赤いニンジン、ブロッコリーはあとから入れたのか緑色が鮮やかだ。ジャガイモも煮崩れしていなく、ホクホクとしていた。
「美味しいです」
「うふふ、ありがとう」
嬉しそうに笑う伊吹に、蓮也もシチューを食べる。サラダやパンもパクパクとよく食べる架瑠を見て、伊吹と蓮也は視線を交えて小さくうなずく。
満腹になると満足そうに目元を細めてお茶を飲む架瑠の姿に、蓮也が口を開いた。
「友人ができてよかったね」
「ゆう、じん?」
「九鬼くんのことだよ」
紬のことを『友人』と言われて、架瑠は目を丸くした。そして、首を捻る。
「友人、でいいのでしょうか。クラスメイトで、同じ部活というだけなのですが……」
「家にまで招いてなにを言っているの。それに、友人かそうじゃないかなんて、個人の気持ち次第でしょ」
伊吹が呆れたように、ジトリとした目をしながら架瑠に声をかけた。
「友人、かぁ……」
口の中でそうつぶやき、軽く頬をかく。目を伏せて紬の姿を思い出し、ちらりと窓に視線を向ける。
カーテンを閉めてないから、自分の姿が映っていた。
「……鬼童丸の子孫って言っていましたね」
「子孫でもあれだけの妖力を持っているのは、さすがとしか言えないね」
先程のことを思い出し、架瑠は口を閉じた。彼の髪と同じような紅蓮の炎。それを見せてくれたのは、紬にとっても賭けだったのかもしれない。
そう考えて、架瑠は再び目を伏せる。
「……おれにそんな秘密を明かして、よかったのでしょうか」
「それは本人に聞いてみないとわからないよ。架瑠から見て、彼はどんな人かな?」
蓮也の問いに、架瑠は彼が転校してきてからの一ヶ月を思い返した。
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