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2章:異存
怪異の元凶 4話
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「そういえば……そうかも?」
誰かに謝ってばかりのような気がして、紬の言葉を肯定する架瑠に対し、彼は重々しくため息を吐く。
「なら、その口癖は改めることだな。謝られるようなことをされた覚えがない」
「でも、この怪異、完璧におれ狙いだよね?」
黒板に綴られた血文字も、黒板から現れた手も、架瑠を狙ってきた。
そんな状況だからこそ、この怪異の原因は自分にあると架瑠は考える。
「それを言ったら、俺が扉を燃やしたのも理由の一つかもしれないだろ」
この鬼ごっこ状態のことを話しているのだろうか、と架瑠は紬を見つめた。
「……呼吸は整ったか?」
こくり、と架瑠が小さくうなずいたのを確認してから、紬はそっと音を立てないように扉を開けてから辺りをきょろきょろと見渡す。
あのどす黒い人間の手が視界に入らないのを確認してから、架瑠とともに教室を出た。
「茉莉たちは、無事かな……」
「無事であることを祈っとこう。今のとこ、悲鳴も聞こえないから大丈夫そうだが……」
校内を慎重に歩き、架瑠と紬は小さく会話を交わす。
別方向に逃げた茉莉と佑心のことを思い浮かべ、架瑠はぐっと拳を握った。
蓮也と修行を何年もしていたのに、自分にできるのは霊視だけで、こんなことにみんなを巻き込んでしまった。そのことに架瑠が唇を噛み締めていると、紬がぽんと彼の背中を叩く。
「とりあえず、今はあの怪異をどうにかすることだけを考えろ」
「――……そうだね」
あの怪異の狙いは架瑠。
霊視をしても、なぜか視えないところもある。自分の心が拒んでいるように。
なぜ、自分の心が視るのを嫌がるのだろうか。『かける』『にげて』の文字が懐かしく感じた理由は? と考え込みながら、とりあえず昇降口に向かった。
「外には出られそう?」
「いや、この校舎内ぐるりと結界でも張ってあるみたいだ」
体育館に続く廊下も閉鎖されているらしく、紬がなにもない空間に手を伸ばすとパンッと弾かれるような感覚があることに目を見開く。
「どうやら、あの怪異をどうにかしないと帰れないみたいだな」
「……これ、戻ったらかなり時間が経ってるパターンかな?」
「それもあり得る」
架瑠は蓮也と伊吹が待ってくれていることを思い、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。
必ず帰らなければ、と瞳に決意を宿して辺りを眺め、ふと廊下の壁に血のように赤いものが流れていることに気付く。
段々と、壁一面に文字が綴られていった。
――ミィツケタ
「架瑠!」
ぐいっと紬が架瑠の腕を引っ張る。バランスを崩して、紬に体当たりするように倒れ込むと、彼はもう片方の手で炎を繰り出す。
ゴウゴウと燃える紅蓮の炎は、廊下の文字を一文字残らず燃やした。
誰かに謝ってばかりのような気がして、紬の言葉を肯定する架瑠に対し、彼は重々しくため息を吐く。
「なら、その口癖は改めることだな。謝られるようなことをされた覚えがない」
「でも、この怪異、完璧におれ狙いだよね?」
黒板に綴られた血文字も、黒板から現れた手も、架瑠を狙ってきた。
そんな状況だからこそ、この怪異の原因は自分にあると架瑠は考える。
「それを言ったら、俺が扉を燃やしたのも理由の一つかもしれないだろ」
この鬼ごっこ状態のことを話しているのだろうか、と架瑠は紬を見つめた。
「……呼吸は整ったか?」
こくり、と架瑠が小さくうなずいたのを確認してから、紬はそっと音を立てないように扉を開けてから辺りをきょろきょろと見渡す。
あのどす黒い人間の手が視界に入らないのを確認してから、架瑠とともに教室を出た。
「茉莉たちは、無事かな……」
「無事であることを祈っとこう。今のとこ、悲鳴も聞こえないから大丈夫そうだが……」
校内を慎重に歩き、架瑠と紬は小さく会話を交わす。
別方向に逃げた茉莉と佑心のことを思い浮かべ、架瑠はぐっと拳を握った。
蓮也と修行を何年もしていたのに、自分にできるのは霊視だけで、こんなことにみんなを巻き込んでしまった。そのことに架瑠が唇を噛み締めていると、紬がぽんと彼の背中を叩く。
「とりあえず、今はあの怪異をどうにかすることだけを考えろ」
「――……そうだね」
あの怪異の狙いは架瑠。
霊視をしても、なぜか視えないところもある。自分の心が拒んでいるように。
なぜ、自分の心が視るのを嫌がるのだろうか。『かける』『にげて』の文字が懐かしく感じた理由は? と考え込みながら、とりあえず昇降口に向かった。
「外には出られそう?」
「いや、この校舎内ぐるりと結界でも張ってあるみたいだ」
体育館に続く廊下も閉鎖されているらしく、紬がなにもない空間に手を伸ばすとパンッと弾かれるような感覚があることに目を見開く。
「どうやら、あの怪異をどうにかしないと帰れないみたいだな」
「……これ、戻ったらかなり時間が経ってるパターンかな?」
「それもあり得る」
架瑠は蓮也と伊吹が待ってくれていることを思い、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。
必ず帰らなければ、と瞳に決意を宿して辺りを眺め、ふと廊下の壁に血のように赤いものが流れていることに気付く。
段々と、壁一面に文字が綴られていった。
――ミィツケタ
「架瑠!」
ぐいっと紬が架瑠の腕を引っ張る。バランスを崩して、紬に体当たりするように倒れ込むと、彼はもう片方の手で炎を繰り出す。
ゴウゴウと燃える紅蓮の炎は、廊下の文字を一文字残らず燃やした。
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