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目が覚めたら夕方だった。夕日が窓から差し込んでいて、狭い部屋が赤く染まっている。
……お腹空いた。
そう思いながら起き出して、テーブルの上にメモ用紙を発見した。
響子さん
鍵、お借りします。
夕方5時くらいにまた来ます。
ご飯作りますね。
幹人
へえ。こんな字を書くんだ。
男性らしい力強い、でも整った綺麗な字だった。
夕飯作ってくれるって。今日は何だろう? 思わず笑顔になっている自分に気付き、苦笑い。本気で餌付けされている。
今は……4時か。
牧村さんが来るまで時間あるしお風呂に入ろうとお湯をため始める。顔を洗い歯を磨くと少しスッキリした。
人心地着くと空腹を思い出して、残った柿の葉寿司を一つだけと口に入れると我慢できなくなって結局三つ食べた。これは昼ご飯だしと密かに自分に言い訳をする。
風呂上がりに髪の毛を乾かしていると呼び鈴が鳴った。
「はーい」
当然、牧村さんだと思って肩にタオルをかけたまま無造作にドアを開けた。
「……響子さん、誰か確認してからドア開けなきゃ」
開口一番、そう言いながら、牧村さんは困ったような顔をした。
「牧村さんしか来ないですよ?」
「今日はたまたまそうですけど、危ないですよ」
「そうですか? ……じゃあ、気を付けますね」
まあ、一応女性の一人暮らしだし気を付けるに越したことはないかな?
「本当に気を付けなきゃダメですよ?」
「……はい」
そんな心配をされるのは久しぶりすぎて、なんだかくすぐったい。
そのまま、どうぞと牧村さんを中に通す。牧村さんは今日も大きな袋を持っていた。でも、スーパーの白い袋じゃなく紙袋。
何が入っているんだろう?
「お邪魔します」
部屋に上がった牧村さんが台所に置いた紙袋をそっと覗く。
食材と……ミキサー?
スーツの上着を脱いでいた牧村さんがこちらを見て言った。
「今日はスムージーを作ろうと思って」
「……スムージー?」
って今日の夕飯?
私はよっぽど変な顔をしていたらしくて、牧村さんはクスッと笑みをこぼした。
「夕飯は別に作りますよ」
「……あ、そうですか」
「この前、ちょっと果物を買い込みすぎたので消費しておこうと思って」
「ああ、なるほど」
そういえば、冷蔵庫に果物が色々入ってた。
そっか、あれをスムージーにするのか。
気がつくと牧村さんはエプロンを装着し終えていた。
「響子さん、実は少し悩んでるんです」
「……はい?」
「スムージーは作りたいんですが、おやつには遅い時間です」
「ですね」
「でも、デザートに飲むには少し重いかな、と」
「ああ、確かに」
「明日の朝は……お仕事ですよね?」
そこまで聞いてようやく牧村さんの言いたいことが分かった。
「明日は仕事ですね~」
確かに果物たっぷりのスムージーはお腹にどっしり来る。
今食べるなら明日の朝かなとも思う。
でもそれなら……
「日曜日は休みです」
「え、本当に?」
「はい」
「じゃあ、日曜日の朝かおやつにしましょう。バナナを凍らせておけばちょうど良いし」
牧村さんは嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「日曜日、朝から来てもいいですか? それとも朝はゆっくり寝られますか?」
聞かれて一瞬迷う。確かに休みの日はいつも昼まで寝る。昼ごろ起きて大急ぎで洗濯して、掃除もする。でも、本当は早く起きてやることやって夜早く寝た方が身体に良いのも分かっている。
「朝からで大丈夫です」
日曜日か。何時に起きればいいかなぁ。
部屋の掃除……朝何時にやればいいんだ?
「ありがとうございます!」
牧村さんは満面の笑みを浮かべ、そのまま私を抱きしめてきた。
「ちょっ……牧村さん!?」
「響子さん、大好きです」
「いえそうじゃなくて」
「実は来週は出張で一週間来られないんです」
「え?」
「なので、日曜日、一日一緒にいられて本当に嬉しいです!」
いやそうじゃなくて、来週ずっと出張?
ずっとって一週間、月曜日から金曜日まで会えないってこと?
「……寂しいと思ってくれるんですか?」
聞かれてドキッと心臓が跳ねた。
「嬉しいです」
何も返事をしていないのに牧村さんは熱い視線を私に送る。
……そんなに顔に出てた?
確かに、寂しいって思った。思いはしたけど。
牧村さんの顔が近づいて来る。あ、キスされると思ったところで、牧村さんは律儀に聞いてきた。
「響子さん、キスしても良い?」
いいともダメとも答えられなかったけど、思わず顔を上げて牧村さんの目をじっと見つめ返してしまった。ダメだ、これじゃあYESと返事をしたのと変わらない……。
私の頬に手を当て、とろけそうな笑みを浮かべた牧村さんの顔がスーッと近づいて来た。
額にキスを落とされ、次に頬に。それで終わりかと思ったら、最後に唇にもキスされる。
抱き締められて、頭を撫でられたところで牧村さんが我に返った。
「髪、濡れてますね。乾かしましょう」
「半分乾いてるんで、このままで大丈夫ですよ」
そう答えると、
「ダメです」
と、またギュッと抱き締められた。
そのまま耳元で牧村さんの声がする。ここでしゃべられるの、苦手なんだけど! と思うんだけど、牧村さんは私を抱きしめたままに続けた。
「来週は響子さんが熱を出しても助けられません。元気でいてもらわなくちゃ」
そう言うと、牧村さんは洗面所に足を運び出しっぱなしだったドライヤーを持ってくる。手を引かれてベッド横のラグに座らせられた。
「乾かしますね」
「え、自分で……」
「早めに来たので時間はたっぷりあります」
……いや、そう言う問題じゃ。
でも、牧村さんは有無をいわせずコンセントにプラグを挿してドライヤーのスイッチを入れた。
あたたかい風が当たり、髪がふわっと顔の横に舞い上がる。牧村さんは髪の毛に指を通しながら器用に風を当ててくれた。
うわ~、気持ちいい~。
思わず、目を閉じてふう~っと吐息をもらすと、背中側で牧村さんが笑ったのを気配で感じた。
髪の毛触られるのって気持ち良いんだよね。
面倒くさくて滅多に美容院も行かないけど、髪を洗ってもらったり乾かしてもらうのは結構好きだったりする。
手慣れた様子で牧村さんは頭のてっぺんから髪の先まで順番に乾かして行く。
「……至福」
思わず呟くと、私が何を言ったか聞こえなかったらしく、
「え? 熱かったですか?」
と聞かれた。
「気持ちいいです~」
少し声を大きくして答えたら、
「それはよかったです」
と嬉しそうな声が返ってきた。
髪が乾くと、牧村さんはしばらく私の髪の毛を指ですいたりなでたりした後、
「ご飯、作って来ますね」
と言って立ち上がる。
何となく寂しくて、そのままついていき、台所で材料を取り出す牧村さんの隣から袋を覗き込む。
「今日は何ですか?」
「何が食べたいですか?」
「え、リクエストできるんですか?」
驚いて聞き返すと、
「もちろんです。材料があるものじゃなきゃ作れないですけど、足りなければ買い出しに行けば良いですし」
「じゃあ、カレーライス」
思わずそう言うと、
「え、カレーライスですか?」
と不思議そうに聞き返された。
「ジャガイモと人参がゴロゴロ入ったカレーが食べたいです」
「えーっと、さすがにカレーのルーは持ってきてないので、買いに行ってきますね?」
「あ、そっか」
カレーなら簡単かなって思ったんだけど、ルーがいるんだった。
もちろん、我が家にカレールーの買い置きなどあるはずもない。
「じゃあ、違うので良いです」
「大丈夫ですよ。せっかく響子さんがリクエストしてくれたんだから、作りますよ?」
「でも」
「一緒に買出しいに行きましょうか?」
牧村さんはにっこり笑って、私の顔を覗き込む。
そして、そのまま、頬にキスをされた。
「ちょっ……牧村さん!」
「すみません。だって、響子さんがあんまり可愛いから、つい」
「もう」
そうは言いながらも、実はまったく嫌ではなくて、そんな自分に戸惑いを感じた。
だけど、深く考える間もなく、
「遅くなるので、行きましょう」
と手を引かれ、そのまま材料を買いに出ることになった。
それから、たった一時間半。
私の目の前には湯気を立てキラキラ輝くカレーライスが置かれていた。
「お待たせしました」
リクエスト通りにジャガイモと人参がゴロゴロ入っていて、ついでにキノコと鶏肉も見え隠れする。
見た目だけじゃなく、匂いも完璧なザ・カレーライス。ホテルのカレーみたいにお上品じゃないところが良い。
「いただきます!」
「召し上がれ」
向かいに座る牧村さんの背中に後光が差している気がした。
つやつや光るご飯とカレーを少し混ぜて、まずは一口。
んー。最高。
思わず目を閉じ頬を押さえて味わってしまう。
「美味しいです!」
「それは良かった」
そう言って、牧村さんも「いただだきます」とカレーライスに手を付けた。
牧村さんは煮込み時間を減らすために、電子レンジでジャガイモと人参を柔らかくしていた。
調理時間が一時間に満たないのに、スプーンを入れるとジャガイモはほっこりと二つに割れた。すごいな。
今日は牧村さんが料理する横でずっと見ていた。
牧村さんは「休憩していて大丈夫ですよ?」と言ってくれたけど、しっかり寝た後だったしお風呂も入ってすっきりしていたし。
いつも、あまりに手際よく作ってくれるので、なんだか気になって。ただ見ているだけで、ほとんど手伝っていないけど。うん。でも食器を出すくらいはした。……幼稚園児のお手伝いレベル?
「カレーって煮込まないといけないと思ってました」
添えられたサラダに箸を伸ばしつつ、そう聞くと牧村さんはニコリと笑って教えてくれた。
「実は、響子さんとお付き合いすることになってから、時短料理を少し勉強したんです」
「時短料理?」
「はい。調理時間が短ければ、早く食べられるでしょう? 早速役に立ちました」
ちょっと得意げな牧村さん。いつもと同じはずなのに笑顔がなんだか可愛く見えた。
「ありがとうございます」
真顔でお礼を言うと、牧村さんはクスッと笑った。
「また作りますね」
「楽しみにしてます!」
と答えてから、でもそうだ、来週は牧村さんいないって言ってたっけと思い出す。
まあでも、一週間なんてきっとあっという間だ。いつもみたいに仕事に忙殺されていたら、いつの間にか終わっているはず。
だから大丈夫、と思ったところで、まったく大丈夫じゃないから、わざわざ自分に言い訳するようなことをしているのだと気がついた。
「響子さん? 大丈夫ですか?」
気がつくとスプーンを持つ手が止まっていたようで、牧村さんが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「……すみません。えっと……大丈夫です」
何か言おうと思ったけど、何を言っていいのか分からず、結局、言葉を濁してもう一度カレーライスに意識を戻す。
「うん。やっぱり美味しい」
そう言って、久しぶりの家庭の味のカレーライスをしっかりと味わう。
もちろん、懐かしい母の味とは少し違う。でも、一緒に買い物に行って、一緒に中に入れるものを決めたから面影はある。野菜がゴロゴロいっぱい入っていて、お肉は鶏肉の時が多くて、トマトやすりおろしたリンゴも入っていて。
働いていた母はよく「野菜たっぷりのカレーライスは忙しい主婦の強い味方ね」なんて言っていた。一回作ると2~3日は楽しめる。
寂しいな。一週間か。
仕事に忙殺されていたら本当にあっという間だと思う。だけど、きっと私は何度も牧村さんのことを思い出すのだろう。牧村さんのご飯食べたいな、とか。
……うん。完全に餌付けされてる。
でも、多分、それだけじゃない。
一人の時なら切なくなる懐かしい想い出も、牧村さんの料理を食べながらだとほっこりと温かく幸せな気持ちになれるんだ。ご飯だけじゃなくて、きっと、それは牧村さんの人柄のおかげもあって……。
気がついたら、最後の一口になっていた。
しまった。もっと味わって食べれば良かった。
名残惜しくスプーンを見つめていると、牧村さんは優しく言った。
「また、いつでも作りますよ?」
その言葉に、思わず心の中で、来週は作れないくせに、と思う。
そんな自分に驚いて、気がつくとマジマジと牧村さんを見つめてしまった。
「えーっと、すみません。来週は来られないんですけど」
うわっ。バレバレだった!?
驚いて、そのまま顔がカッと熱くなるのを感じた。
赤面を隠すかのように、慌てて最後の一口を口に放り込んだ。
「響子さん」
一足先に食べ終わっていた牧村さんがすっと立ち上がると私の横にやって来た。
「大好きです。……愛してます」
そう言って、私の隣にひざまずくと牧村さんは私をそっと抱きしめた。
私は牧村さん脳での中で、赤くなりながら最後のカレーライスをゴクリと飲み込んだ。
夜九時半。
食後、一緒に後片付けをして、それからニュースを見たり他愛のないおしゃべりをしたりしていると、あっという間に牧村さんの帰る時間になってしまった。
「響子さん、明日は……」
「六時過ぎには出られると思います。土曜日だし」
「お迎え行きますね?」
当然のように笑顔で告げられる言葉に小さく頷いた。
そして付け足す。
「もし遅くなるようなら電話しますね」
何もないといいなと思うけど、自分ではまったくコントロールできないから。
「はい」
「……えーっと、忘れるかもですが」
そう言えば、元彼との約束を急患だかなんだかで何度もすっぽかしたのを思い出して付け加えると、牧村さんはにっこり笑った。
「気にしなくて大丈夫ですよ。一、二時間くらいなら待ちますし、それ以上なら何かあったかなと思って帰りますので」
「い、一、二時間って……そんなに待たないで下さい」
それはさすがに待ちすぎでしょう!?
「あ、すみません。……重いですか? いやでも、少しでも顔が見られるなら見たいし、えーっと、あんまり待たないようにしますが、うっかり待ってたら許して下さいね?」
いつも落ち着いてる牧村さんが慌てている姿がやけに可愛い。
「牧村さんが嫌じゃないなら、別にいいですけど……」
それに、本当に何度もすっぽかされたら、牧村さんだって待たなくなるんじゃないかな。
……と言うか、もしかして、何度もすれ違っている内に牧村さんの気持ちだって冷めてしまうかも知れないし。
そうだよね。きっと、こんな風に想ってくれるのは今だけだよね。
「響子さん?」
「いつも、ありがとうございます」
一ヶ月か。
お試し期間の一ヶ月。まだ最初の一週間。
来週は会えないとしても、その後の二週間で、牧村さんが私に嫌気がさしてしまうかも知れない。
「え、響子さん?」
気持ちを引き締めよう。
一人で生きていくって心に決めていたのに。なんで、今、こんなに牧村さんに依存しかかっているのだろう?
「ごめんなさい」
思わず謝るけど、牧村さんは何のことか分からないという顔で、私の両肩に手を置く。それから、大きな身体をかがめて私の顔を覗き込んだ。
「すみません。……えっと、そんなに重かったですか? 響子さんが嫌なら待たないようにしますし、気に入らないところは言ってもらえたら直すように努力するので」
何で牧村さんが慌てるんだろう?
私、やってもらってばっかりなのに。おかしいでしょ。
そう、牧村さんが悪いとしたら……
「ご飯が美味しすぎるんですよ!」
「え?」
「……ご飯が美味しすぎて、餌付けされちゃって。こんなのが続いたら、私、牧村さんから離れられなくなっちゃうじゃないですか」
そこまで言ってから我に返った。
え、私、何言った、今。
「響子さん!」
「わあっ、ごめんなさい!」
逆ギレもいいところだ。美味しい手料理食べさせてもらって、職場まで迎えに来てもらって、何文句言ってるの、私!?
あきれられてもおかしくない、しまった、と思ったのに、気がついたら牧村さんの腕の中にいた。
「ありがとうございます!」
「……はい?」
「離れなくて良いんですよ? も、今すぐ結婚しましょうか? お互い大人ですし、今から役所に行って婚姻届出しましょうか?」
「牧村さん!?」
「えーっと、新居はすぐに用意するとして、取りあえず今日、ここに泊まっても良いですか?」
耳元でささやかれて、言われた言葉の意味を理解すると同時に身体がビクッと跳ね上がる。
「ダメですっ! 何言ってるんですか!」
突然の話に一気に冷静になって、牧村さんの胸板を押し返す。
「響子さん。……でも、僕も離れたくないんです」
切なげな瞳にじっと見つめられて、思わず言葉を失う。
牧村さんの手が私の頬に添えられ、顔がすっと近づいてきた。唇に数度軽くキスを落とされたと思うと、牧村さんの動きがピタリと止まり、数秒後ゆっくりと離れていった。
それから、牧村さんはフーッと大きく息を吐いた。
「すみません。理性がすり切れそうなので、今日は帰りますね」
「え?」
「それじゃあ、明日の六時に。……おやすみなさい」
「あ、はい。おやすみなさい」
牧村さんは私の後頭部に手を置くと私を抱き寄せ、
「ゆっくり休んで下さいね」
とささやいた。
「あの……牧村さんも気を付けて帰ってくださいね」
「ありがとう」
牧村さんは身体を離し際、私の頬に軽くキスを落とすと我が家を後にした。
……お腹空いた。
そう思いながら起き出して、テーブルの上にメモ用紙を発見した。
響子さん
鍵、お借りします。
夕方5時くらいにまた来ます。
ご飯作りますね。
幹人
へえ。こんな字を書くんだ。
男性らしい力強い、でも整った綺麗な字だった。
夕飯作ってくれるって。今日は何だろう? 思わず笑顔になっている自分に気付き、苦笑い。本気で餌付けされている。
今は……4時か。
牧村さんが来るまで時間あるしお風呂に入ろうとお湯をため始める。顔を洗い歯を磨くと少しスッキリした。
人心地着くと空腹を思い出して、残った柿の葉寿司を一つだけと口に入れると我慢できなくなって結局三つ食べた。これは昼ご飯だしと密かに自分に言い訳をする。
風呂上がりに髪の毛を乾かしていると呼び鈴が鳴った。
「はーい」
当然、牧村さんだと思って肩にタオルをかけたまま無造作にドアを開けた。
「……響子さん、誰か確認してからドア開けなきゃ」
開口一番、そう言いながら、牧村さんは困ったような顔をした。
「牧村さんしか来ないですよ?」
「今日はたまたまそうですけど、危ないですよ」
「そうですか? ……じゃあ、気を付けますね」
まあ、一応女性の一人暮らしだし気を付けるに越したことはないかな?
「本当に気を付けなきゃダメですよ?」
「……はい」
そんな心配をされるのは久しぶりすぎて、なんだかくすぐったい。
そのまま、どうぞと牧村さんを中に通す。牧村さんは今日も大きな袋を持っていた。でも、スーパーの白い袋じゃなく紙袋。
何が入っているんだろう?
「お邪魔します」
部屋に上がった牧村さんが台所に置いた紙袋をそっと覗く。
食材と……ミキサー?
スーツの上着を脱いでいた牧村さんがこちらを見て言った。
「今日はスムージーを作ろうと思って」
「……スムージー?」
って今日の夕飯?
私はよっぽど変な顔をしていたらしくて、牧村さんはクスッと笑みをこぼした。
「夕飯は別に作りますよ」
「……あ、そうですか」
「この前、ちょっと果物を買い込みすぎたので消費しておこうと思って」
「ああ、なるほど」
そういえば、冷蔵庫に果物が色々入ってた。
そっか、あれをスムージーにするのか。
気がつくと牧村さんはエプロンを装着し終えていた。
「響子さん、実は少し悩んでるんです」
「……はい?」
「スムージーは作りたいんですが、おやつには遅い時間です」
「ですね」
「でも、デザートに飲むには少し重いかな、と」
「ああ、確かに」
「明日の朝は……お仕事ですよね?」
そこまで聞いてようやく牧村さんの言いたいことが分かった。
「明日は仕事ですね~」
確かに果物たっぷりのスムージーはお腹にどっしり来る。
今食べるなら明日の朝かなとも思う。
でもそれなら……
「日曜日は休みです」
「え、本当に?」
「はい」
「じゃあ、日曜日の朝かおやつにしましょう。バナナを凍らせておけばちょうど良いし」
牧村さんは嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「日曜日、朝から来てもいいですか? それとも朝はゆっくり寝られますか?」
聞かれて一瞬迷う。確かに休みの日はいつも昼まで寝る。昼ごろ起きて大急ぎで洗濯して、掃除もする。でも、本当は早く起きてやることやって夜早く寝た方が身体に良いのも分かっている。
「朝からで大丈夫です」
日曜日か。何時に起きればいいかなぁ。
部屋の掃除……朝何時にやればいいんだ?
「ありがとうございます!」
牧村さんは満面の笑みを浮かべ、そのまま私を抱きしめてきた。
「ちょっ……牧村さん!?」
「響子さん、大好きです」
「いえそうじゃなくて」
「実は来週は出張で一週間来られないんです」
「え?」
「なので、日曜日、一日一緒にいられて本当に嬉しいです!」
いやそうじゃなくて、来週ずっと出張?
ずっとって一週間、月曜日から金曜日まで会えないってこと?
「……寂しいと思ってくれるんですか?」
聞かれてドキッと心臓が跳ねた。
「嬉しいです」
何も返事をしていないのに牧村さんは熱い視線を私に送る。
……そんなに顔に出てた?
確かに、寂しいって思った。思いはしたけど。
牧村さんの顔が近づいて来る。あ、キスされると思ったところで、牧村さんは律儀に聞いてきた。
「響子さん、キスしても良い?」
いいともダメとも答えられなかったけど、思わず顔を上げて牧村さんの目をじっと見つめ返してしまった。ダメだ、これじゃあYESと返事をしたのと変わらない……。
私の頬に手を当て、とろけそうな笑みを浮かべた牧村さんの顔がスーッと近づいて来た。
額にキスを落とされ、次に頬に。それで終わりかと思ったら、最後に唇にもキスされる。
抱き締められて、頭を撫でられたところで牧村さんが我に返った。
「髪、濡れてますね。乾かしましょう」
「半分乾いてるんで、このままで大丈夫ですよ」
そう答えると、
「ダメです」
と、またギュッと抱き締められた。
そのまま耳元で牧村さんの声がする。ここでしゃべられるの、苦手なんだけど! と思うんだけど、牧村さんは私を抱きしめたままに続けた。
「来週は響子さんが熱を出しても助けられません。元気でいてもらわなくちゃ」
そう言うと、牧村さんは洗面所に足を運び出しっぱなしだったドライヤーを持ってくる。手を引かれてベッド横のラグに座らせられた。
「乾かしますね」
「え、自分で……」
「早めに来たので時間はたっぷりあります」
……いや、そう言う問題じゃ。
でも、牧村さんは有無をいわせずコンセントにプラグを挿してドライヤーのスイッチを入れた。
あたたかい風が当たり、髪がふわっと顔の横に舞い上がる。牧村さんは髪の毛に指を通しながら器用に風を当ててくれた。
うわ~、気持ちいい~。
思わず、目を閉じてふう~っと吐息をもらすと、背中側で牧村さんが笑ったのを気配で感じた。
髪の毛触られるのって気持ち良いんだよね。
面倒くさくて滅多に美容院も行かないけど、髪を洗ってもらったり乾かしてもらうのは結構好きだったりする。
手慣れた様子で牧村さんは頭のてっぺんから髪の先まで順番に乾かして行く。
「……至福」
思わず呟くと、私が何を言ったか聞こえなかったらしく、
「え? 熱かったですか?」
と聞かれた。
「気持ちいいです~」
少し声を大きくして答えたら、
「それはよかったです」
と嬉しそうな声が返ってきた。
髪が乾くと、牧村さんはしばらく私の髪の毛を指ですいたりなでたりした後、
「ご飯、作って来ますね」
と言って立ち上がる。
何となく寂しくて、そのままついていき、台所で材料を取り出す牧村さんの隣から袋を覗き込む。
「今日は何ですか?」
「何が食べたいですか?」
「え、リクエストできるんですか?」
驚いて聞き返すと、
「もちろんです。材料があるものじゃなきゃ作れないですけど、足りなければ買い出しに行けば良いですし」
「じゃあ、カレーライス」
思わずそう言うと、
「え、カレーライスですか?」
と不思議そうに聞き返された。
「ジャガイモと人参がゴロゴロ入ったカレーが食べたいです」
「えーっと、さすがにカレーのルーは持ってきてないので、買いに行ってきますね?」
「あ、そっか」
カレーなら簡単かなって思ったんだけど、ルーがいるんだった。
もちろん、我が家にカレールーの買い置きなどあるはずもない。
「じゃあ、違うので良いです」
「大丈夫ですよ。せっかく響子さんがリクエストしてくれたんだから、作りますよ?」
「でも」
「一緒に買出しいに行きましょうか?」
牧村さんはにっこり笑って、私の顔を覗き込む。
そして、そのまま、頬にキスをされた。
「ちょっ……牧村さん!」
「すみません。だって、響子さんがあんまり可愛いから、つい」
「もう」
そうは言いながらも、実はまったく嫌ではなくて、そんな自分に戸惑いを感じた。
だけど、深く考える間もなく、
「遅くなるので、行きましょう」
と手を引かれ、そのまま材料を買いに出ることになった。
それから、たった一時間半。
私の目の前には湯気を立てキラキラ輝くカレーライスが置かれていた。
「お待たせしました」
リクエスト通りにジャガイモと人参がゴロゴロ入っていて、ついでにキノコと鶏肉も見え隠れする。
見た目だけじゃなく、匂いも完璧なザ・カレーライス。ホテルのカレーみたいにお上品じゃないところが良い。
「いただきます!」
「召し上がれ」
向かいに座る牧村さんの背中に後光が差している気がした。
つやつや光るご飯とカレーを少し混ぜて、まずは一口。
んー。最高。
思わず目を閉じ頬を押さえて味わってしまう。
「美味しいです!」
「それは良かった」
そう言って、牧村さんも「いただだきます」とカレーライスに手を付けた。
牧村さんは煮込み時間を減らすために、電子レンジでジャガイモと人参を柔らかくしていた。
調理時間が一時間に満たないのに、スプーンを入れるとジャガイモはほっこりと二つに割れた。すごいな。
今日は牧村さんが料理する横でずっと見ていた。
牧村さんは「休憩していて大丈夫ですよ?」と言ってくれたけど、しっかり寝た後だったしお風呂も入ってすっきりしていたし。
いつも、あまりに手際よく作ってくれるので、なんだか気になって。ただ見ているだけで、ほとんど手伝っていないけど。うん。でも食器を出すくらいはした。……幼稚園児のお手伝いレベル?
「カレーって煮込まないといけないと思ってました」
添えられたサラダに箸を伸ばしつつ、そう聞くと牧村さんはニコリと笑って教えてくれた。
「実は、響子さんとお付き合いすることになってから、時短料理を少し勉強したんです」
「時短料理?」
「はい。調理時間が短ければ、早く食べられるでしょう? 早速役に立ちました」
ちょっと得意げな牧村さん。いつもと同じはずなのに笑顔がなんだか可愛く見えた。
「ありがとうございます」
真顔でお礼を言うと、牧村さんはクスッと笑った。
「また作りますね」
「楽しみにしてます!」
と答えてから、でもそうだ、来週は牧村さんいないって言ってたっけと思い出す。
まあでも、一週間なんてきっとあっという間だ。いつもみたいに仕事に忙殺されていたら、いつの間にか終わっているはず。
だから大丈夫、と思ったところで、まったく大丈夫じゃないから、わざわざ自分に言い訳するようなことをしているのだと気がついた。
「響子さん? 大丈夫ですか?」
気がつくとスプーンを持つ手が止まっていたようで、牧村さんが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「……すみません。えっと……大丈夫です」
何か言おうと思ったけど、何を言っていいのか分からず、結局、言葉を濁してもう一度カレーライスに意識を戻す。
「うん。やっぱり美味しい」
そう言って、久しぶりの家庭の味のカレーライスをしっかりと味わう。
もちろん、懐かしい母の味とは少し違う。でも、一緒に買い物に行って、一緒に中に入れるものを決めたから面影はある。野菜がゴロゴロいっぱい入っていて、お肉は鶏肉の時が多くて、トマトやすりおろしたリンゴも入っていて。
働いていた母はよく「野菜たっぷりのカレーライスは忙しい主婦の強い味方ね」なんて言っていた。一回作ると2~3日は楽しめる。
寂しいな。一週間か。
仕事に忙殺されていたら本当にあっという間だと思う。だけど、きっと私は何度も牧村さんのことを思い出すのだろう。牧村さんのご飯食べたいな、とか。
……うん。完全に餌付けされてる。
でも、多分、それだけじゃない。
一人の時なら切なくなる懐かしい想い出も、牧村さんの料理を食べながらだとほっこりと温かく幸せな気持ちになれるんだ。ご飯だけじゃなくて、きっと、それは牧村さんの人柄のおかげもあって……。
気がついたら、最後の一口になっていた。
しまった。もっと味わって食べれば良かった。
名残惜しくスプーンを見つめていると、牧村さんは優しく言った。
「また、いつでも作りますよ?」
その言葉に、思わず心の中で、来週は作れないくせに、と思う。
そんな自分に驚いて、気がつくとマジマジと牧村さんを見つめてしまった。
「えーっと、すみません。来週は来られないんですけど」
うわっ。バレバレだった!?
驚いて、そのまま顔がカッと熱くなるのを感じた。
赤面を隠すかのように、慌てて最後の一口を口に放り込んだ。
「響子さん」
一足先に食べ終わっていた牧村さんがすっと立ち上がると私の横にやって来た。
「大好きです。……愛してます」
そう言って、私の隣にひざまずくと牧村さんは私をそっと抱きしめた。
私は牧村さん脳での中で、赤くなりながら最後のカレーライスをゴクリと飲み込んだ。
夜九時半。
食後、一緒に後片付けをして、それからニュースを見たり他愛のないおしゃべりをしたりしていると、あっという間に牧村さんの帰る時間になってしまった。
「響子さん、明日は……」
「六時過ぎには出られると思います。土曜日だし」
「お迎え行きますね?」
当然のように笑顔で告げられる言葉に小さく頷いた。
そして付け足す。
「もし遅くなるようなら電話しますね」
何もないといいなと思うけど、自分ではまったくコントロールできないから。
「はい」
「……えーっと、忘れるかもですが」
そう言えば、元彼との約束を急患だかなんだかで何度もすっぽかしたのを思い出して付け加えると、牧村さんはにっこり笑った。
「気にしなくて大丈夫ですよ。一、二時間くらいなら待ちますし、それ以上なら何かあったかなと思って帰りますので」
「い、一、二時間って……そんなに待たないで下さい」
それはさすがに待ちすぎでしょう!?
「あ、すみません。……重いですか? いやでも、少しでも顔が見られるなら見たいし、えーっと、あんまり待たないようにしますが、うっかり待ってたら許して下さいね?」
いつも落ち着いてる牧村さんが慌てている姿がやけに可愛い。
「牧村さんが嫌じゃないなら、別にいいですけど……」
それに、本当に何度もすっぽかされたら、牧村さんだって待たなくなるんじゃないかな。
……と言うか、もしかして、何度もすれ違っている内に牧村さんの気持ちだって冷めてしまうかも知れないし。
そうだよね。きっと、こんな風に想ってくれるのは今だけだよね。
「響子さん?」
「いつも、ありがとうございます」
一ヶ月か。
お試し期間の一ヶ月。まだ最初の一週間。
来週は会えないとしても、その後の二週間で、牧村さんが私に嫌気がさしてしまうかも知れない。
「え、響子さん?」
気持ちを引き締めよう。
一人で生きていくって心に決めていたのに。なんで、今、こんなに牧村さんに依存しかかっているのだろう?
「ごめんなさい」
思わず謝るけど、牧村さんは何のことか分からないという顔で、私の両肩に手を置く。それから、大きな身体をかがめて私の顔を覗き込んだ。
「すみません。……えっと、そんなに重かったですか? 響子さんが嫌なら待たないようにしますし、気に入らないところは言ってもらえたら直すように努力するので」
何で牧村さんが慌てるんだろう?
私、やってもらってばっかりなのに。おかしいでしょ。
そう、牧村さんが悪いとしたら……
「ご飯が美味しすぎるんですよ!」
「え?」
「……ご飯が美味しすぎて、餌付けされちゃって。こんなのが続いたら、私、牧村さんから離れられなくなっちゃうじゃないですか」
そこまで言ってから我に返った。
え、私、何言った、今。
「響子さん!」
「わあっ、ごめんなさい!」
逆ギレもいいところだ。美味しい手料理食べさせてもらって、職場まで迎えに来てもらって、何文句言ってるの、私!?
あきれられてもおかしくない、しまった、と思ったのに、気がついたら牧村さんの腕の中にいた。
「ありがとうございます!」
「……はい?」
「離れなくて良いんですよ? も、今すぐ結婚しましょうか? お互い大人ですし、今から役所に行って婚姻届出しましょうか?」
「牧村さん!?」
「えーっと、新居はすぐに用意するとして、取りあえず今日、ここに泊まっても良いですか?」
耳元でささやかれて、言われた言葉の意味を理解すると同時に身体がビクッと跳ね上がる。
「ダメですっ! 何言ってるんですか!」
突然の話に一気に冷静になって、牧村さんの胸板を押し返す。
「響子さん。……でも、僕も離れたくないんです」
切なげな瞳にじっと見つめられて、思わず言葉を失う。
牧村さんの手が私の頬に添えられ、顔がすっと近づいてきた。唇に数度軽くキスを落とされたと思うと、牧村さんの動きがピタリと止まり、数秒後ゆっくりと離れていった。
それから、牧村さんはフーッと大きく息を吐いた。
「すみません。理性がすり切れそうなので、今日は帰りますね」
「え?」
「それじゃあ、明日の六時に。……おやすみなさい」
「あ、はい。おやすみなさい」
牧村さんは私の後頭部に手を置くと私を抱き寄せ、
「ゆっくり休んで下さいね」
とささやいた。
「あの……牧村さんも気を付けて帰ってくださいね」
「ありがとう」
牧村さんは身体を離し際、私の頬に軽くキスを落とすと我が家を後にした。
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