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14年目の永遠の誓い
9.修学旅行5
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その後、ハルからは一切、連絡がなかった。
帰り際は割と元気そうにしていたけど、電車と新幹線で六時間以上の移動。帰宅後のハルが連絡できる状態じゃなくても不思議はない。
そもそも、ハルはメールが好きじゃなく、ハルからメールが届く事は、普段でも滅多にない。かと言って、寝込んでいる可能性が高いのに電話はできない。
見るだけなら見られるかも……と、スマホで写真を撮ってはガラケーでも見られるサイズにして送った。返事はいらないよ、と一言添えて。
添えなくても、返事が来ないのは予想済み。だけど、そう書いておけば、来ない寂しさは和らぐだろ?
ハルがいない寂しさはあったけど、オレはハルの望み通り、ハルにたくさんの土産話ができるようにと、存分に修学旅行に参加した。
まさか三日後の夜、目の前が真っ暗になるくらいの衝撃を受けるとも知らず……。
◇ ◇ ◇
「ちょっと待って!? なんでハル、ICUにいるの!?」
オレの前にはハルの母さん。
場所は病院。いつもの部屋に行くとハルがいなくて、動揺したオレの相手をしてくれている。
今は夜勤の最中らしい。
「帰った日から調子悪くて入院してたんだけど、」
ハルは普段から、自分ちの病院ということもあって、割と早い段階から入院して治療する。だから、旅先での状況を考えれば、入院は十分あり得ると思っていたし、聞いてもいた。
「昨日、急変して心停止を三度繰り返した。呼吸状態も悪かったから、ICUで見てる」
「なんで、知らせてくれなかったの!」
「急変に備えていたけど、もう安定してるし、さっき呼吸器も取れた。明日にでもいつもの部屋に移れるから」
「ちょっと待ってよ。呼吸器が必要な状態って!?」
オレは、淡々と語るおばさんの胸ぐらを掴まんばかりに詰め寄った。
男勝りとしか言いようがないサバサバした人だけど、長身とはいえ女性で、身長はオレより大分低いし体格差も大きい。かなりの威圧感だと思うのに、おばさんは意にもかけず、
「う・る・さ・い。叶太くん、ここ病院だから」
おばさんはオレのおでこをでこぴんした。
まるで相手にされていない。
だめだ。子どもが駄々こねてると思われてる。
オレはふーーっと深呼吸をした。
「おばさん、……なんで知らせてくれなかったの?」
三度の心停止って……尋常じゃないだろう!?
しかも、その後、さっきまで呼吸器って……気管挿管が必要な状態って……。
自力で息ができていないかったってことだろ!?
危篤。そんな言葉が脳裏に浮かぶ。
その言葉を思い浮かべただけで、血の気がスーッと引いていく気がした。
「修学旅行中だったでしょう?」
至極当然といった口調で、おばさんは言う。
「だからって!」
修学旅行がなんだって言うんだ!?
……ダメだ。
ムキになってもダメだと思うのに、全然、冷静になれない。
「三度の心停止は短時間に起こって、心拍が戻ってからは安定していた」
「でも、挿管してたって……」
「呼吸状態は確かに良くなかったけど、命に別状はなかった」
そう話すおばさんも疲労の色が濃い。
ハルの心配をしているのは、オレだけじゃない。
オレがハルのためにって、お気楽に写真を撮ったり斎藤や志穂とだべっている間にも、おばさんはきっと仕事の傍ら常にハルを心配していた。
分かってる。
それは、分かってるけど!!
それでも、知らせて欲しかった。
けど、連絡があったら、間違いなく、オレは修学旅行を放棄して飛んで帰っていただろう。
きっと、おばさんが言う通りなんだろうと思う。
言わないのが正解なんだろうと思う。大人としては。
けど、オレは大人じゃない。
早く大人になりたいと思っていたけど、こんな割り切りが必要なのなら、大人になんてなれなくても良い。
「……ハルに、会える?」
「五分だけなら許可しよう」
「せめて三十分」
オレが言うと、おばさんはプッと吹き出した。
「調子戻って来たね。でも、ダメ。まだ、しゃべったりする体力ないから」
それ以前に、夜九時を過ぎている。病人を見舞う時間じゃない。
それも分かってる。
だけど、会いたいんだ。
「側にいるだけで良いし、ハルが休む邪魔はしないよ」
「十分」
「もう一声!」
おばさんは、苦笑いしつつ、
「陽菜の様子を見て、大丈夫そうなら最大十五分」
と言った。
おばさんは、話題を変えたのを受けて、オレが納得したと思っただろうと思う。
だけど、オレは納得なんて、まったくしていなかったんだ。
きっと、おばさんが正しいんだ。オレがその場にいたって、何もできない。
心停止で蘇生に入ったら、部屋から出される。
過去、オレは存在を忘れられたまま、病室でハルが心肺蘇生を施されるのを目撃した。それは、衝撃的な光景で、側にいながら何もできない状況は、胸がつぶれそうに辛かった。
でも、だからって生死の境で闘うハルを一人にしておきたいなんて思いもしない。
何もできなくても、少しでも近くにいたいと思うんだ。
ICUに入っている間は、側で付き添うこともできない。それでも、知らずに遠くで笑って過ごすより、少しでもハルの近くで回復を祈りたい。
例え胸がつぶれそうにツラくても、オレはハルの容態を知りたかったし、少しでも近くにいたかった。
ハルが会いたいと言ってくれた時に、すぐに飛んで行ける場所にいたかった。
おばさんに連れられて、過去何度か足を踏み入れたICUに入室する。
機械音が耳に響く。
状態の悪い患者さんばかりのこのスペースは、普通なら家族しか入れてもらえない場所。そこに、こんな時間に入室できる特別扱いだけで、オレは満足しなきゃいけないのだろうか?
おばさんの背中の向こうにハルのベッドを見つけた。
……ハル。
オレははやる気持ちを抑えつつ、早足でハルへと向かって歩いて行った。おばさんは、自分を追い抜いて行くオレを、苦笑いしながらも止めなかった。
「ハル」
大丈夫? なんて聞けない。
呼吸器の挿管こそしていないけど、ハルは酸素マスクを当てられ、点滴や心電図などたくさんの管につながれ、機械に囲まれていた。
顔色はひどく悪い。
オレが手を握ってしばらく後、ハルはゆっくりと目を開けた。
「……カ…ナ?」
ささやくように小さなハルの声は、かすれていた。
「遅くなって、ごめんね」
オレが謝ると、ハルは小さく首を振った。
そして、頭を動かしたせいでめまいでも起こしたのか、キュッと目をつむって眉根をしかめた。
「ハル、返事は良いから。……ごめんね、しんどい時に」
オレの言葉に、ハルはかすかにほほ笑むと、荒い息の下、ささやくように言った。
「おか…え、り」
「うん。……ただいま」
オレは両手でハルの手を包み込んだ。
相変わらずに、ひんやりと冷たい手。細すぎる腕。
包み込むオレの手を、ハルが握り返してくれるのをかすかに感じた。
ごめんね、ハル、側にいられなくて。
オレ、何にも知らないで、のんきにメール送ってたよ。
本当にごめんね。
この三日間の自分に蹴りを入れたい気分だった。
「……カ、ナ」
「ん?」
「すぐ、……げん…きに、なる……から」
ハルはオレが落ち込んでいるのを分かってる。
ダメだ。
オレが気を遣われてどうする!?
「……ね、ハル、いっぱい笑える土産話あるよ? お土産も色々買ってきたよ」
オレがそう言うと、ハルはまたかすかにほほ笑んだ。
「早く元気になって、話聞いて? 土産も受け取ってね」
「……ん」
ハルはしんどそうで、それ以上話すこともなく、オレはただハルの手を握り続けた。
早く楽になるようにと、少しでも楽になるようにと、そう願いながら。
「叶太、ごめん。ちょっと不整脈が出てるから、悪いけど、ここまでにして」
気が付くと、後ろに裕也さんが立っていて、オレの肩に手を置いた。
「陽菜ちゃん、点滴、ひとつ増やすね」
はい、とハルは声を出さずに口を小さく動かした。
「ハル、また明日来るね」
オレはハルの髪をそっとなでると、後ろ髪を引かれまくりながら、ICUを後にした。
そうして、オレは決意を新たにした。
ハルに何かあった時に、絶対に、何があっても一番に連絡をもらえる地位についてやる、と。
いつでもどんな時でも、何よりもハルを一番に優先しても、誰にも文句を言われない地位についてやる、と。
帰り際は割と元気そうにしていたけど、電車と新幹線で六時間以上の移動。帰宅後のハルが連絡できる状態じゃなくても不思議はない。
そもそも、ハルはメールが好きじゃなく、ハルからメールが届く事は、普段でも滅多にない。かと言って、寝込んでいる可能性が高いのに電話はできない。
見るだけなら見られるかも……と、スマホで写真を撮ってはガラケーでも見られるサイズにして送った。返事はいらないよ、と一言添えて。
添えなくても、返事が来ないのは予想済み。だけど、そう書いておけば、来ない寂しさは和らぐだろ?
ハルがいない寂しさはあったけど、オレはハルの望み通り、ハルにたくさんの土産話ができるようにと、存分に修学旅行に参加した。
まさか三日後の夜、目の前が真っ暗になるくらいの衝撃を受けるとも知らず……。
◇ ◇ ◇
「ちょっと待って!? なんでハル、ICUにいるの!?」
オレの前にはハルの母さん。
場所は病院。いつもの部屋に行くとハルがいなくて、動揺したオレの相手をしてくれている。
今は夜勤の最中らしい。
「帰った日から調子悪くて入院してたんだけど、」
ハルは普段から、自分ちの病院ということもあって、割と早い段階から入院して治療する。だから、旅先での状況を考えれば、入院は十分あり得ると思っていたし、聞いてもいた。
「昨日、急変して心停止を三度繰り返した。呼吸状態も悪かったから、ICUで見てる」
「なんで、知らせてくれなかったの!」
「急変に備えていたけど、もう安定してるし、さっき呼吸器も取れた。明日にでもいつもの部屋に移れるから」
「ちょっと待ってよ。呼吸器が必要な状態って!?」
オレは、淡々と語るおばさんの胸ぐらを掴まんばかりに詰め寄った。
男勝りとしか言いようがないサバサバした人だけど、長身とはいえ女性で、身長はオレより大分低いし体格差も大きい。かなりの威圧感だと思うのに、おばさんは意にもかけず、
「う・る・さ・い。叶太くん、ここ病院だから」
おばさんはオレのおでこをでこぴんした。
まるで相手にされていない。
だめだ。子どもが駄々こねてると思われてる。
オレはふーーっと深呼吸をした。
「おばさん、……なんで知らせてくれなかったの?」
三度の心停止って……尋常じゃないだろう!?
しかも、その後、さっきまで呼吸器って……気管挿管が必要な状態って……。
自力で息ができていないかったってことだろ!?
危篤。そんな言葉が脳裏に浮かぶ。
その言葉を思い浮かべただけで、血の気がスーッと引いていく気がした。
「修学旅行中だったでしょう?」
至極当然といった口調で、おばさんは言う。
「だからって!」
修学旅行がなんだって言うんだ!?
……ダメだ。
ムキになってもダメだと思うのに、全然、冷静になれない。
「三度の心停止は短時間に起こって、心拍が戻ってからは安定していた」
「でも、挿管してたって……」
「呼吸状態は確かに良くなかったけど、命に別状はなかった」
そう話すおばさんも疲労の色が濃い。
ハルの心配をしているのは、オレだけじゃない。
オレがハルのためにって、お気楽に写真を撮ったり斎藤や志穂とだべっている間にも、おばさんはきっと仕事の傍ら常にハルを心配していた。
分かってる。
それは、分かってるけど!!
それでも、知らせて欲しかった。
けど、連絡があったら、間違いなく、オレは修学旅行を放棄して飛んで帰っていただろう。
きっと、おばさんが言う通りなんだろうと思う。
言わないのが正解なんだろうと思う。大人としては。
けど、オレは大人じゃない。
早く大人になりたいと思っていたけど、こんな割り切りが必要なのなら、大人になんてなれなくても良い。
「……ハルに、会える?」
「五分だけなら許可しよう」
「せめて三十分」
オレが言うと、おばさんはプッと吹き出した。
「調子戻って来たね。でも、ダメ。まだ、しゃべったりする体力ないから」
それ以前に、夜九時を過ぎている。病人を見舞う時間じゃない。
それも分かってる。
だけど、会いたいんだ。
「側にいるだけで良いし、ハルが休む邪魔はしないよ」
「十分」
「もう一声!」
おばさんは、苦笑いしつつ、
「陽菜の様子を見て、大丈夫そうなら最大十五分」
と言った。
おばさんは、話題を変えたのを受けて、オレが納得したと思っただろうと思う。
だけど、オレは納得なんて、まったくしていなかったんだ。
きっと、おばさんが正しいんだ。オレがその場にいたって、何もできない。
心停止で蘇生に入ったら、部屋から出される。
過去、オレは存在を忘れられたまま、病室でハルが心肺蘇生を施されるのを目撃した。それは、衝撃的な光景で、側にいながら何もできない状況は、胸がつぶれそうに辛かった。
でも、だからって生死の境で闘うハルを一人にしておきたいなんて思いもしない。
何もできなくても、少しでも近くにいたいと思うんだ。
ICUに入っている間は、側で付き添うこともできない。それでも、知らずに遠くで笑って過ごすより、少しでもハルの近くで回復を祈りたい。
例え胸がつぶれそうにツラくても、オレはハルの容態を知りたかったし、少しでも近くにいたかった。
ハルが会いたいと言ってくれた時に、すぐに飛んで行ける場所にいたかった。
おばさんに連れられて、過去何度か足を踏み入れたICUに入室する。
機械音が耳に響く。
状態の悪い患者さんばかりのこのスペースは、普通なら家族しか入れてもらえない場所。そこに、こんな時間に入室できる特別扱いだけで、オレは満足しなきゃいけないのだろうか?
おばさんの背中の向こうにハルのベッドを見つけた。
……ハル。
オレははやる気持ちを抑えつつ、早足でハルへと向かって歩いて行った。おばさんは、自分を追い抜いて行くオレを、苦笑いしながらも止めなかった。
「ハル」
大丈夫? なんて聞けない。
呼吸器の挿管こそしていないけど、ハルは酸素マスクを当てられ、点滴や心電図などたくさんの管につながれ、機械に囲まれていた。
顔色はひどく悪い。
オレが手を握ってしばらく後、ハルはゆっくりと目を開けた。
「……カ…ナ?」
ささやくように小さなハルの声は、かすれていた。
「遅くなって、ごめんね」
オレが謝ると、ハルは小さく首を振った。
そして、頭を動かしたせいでめまいでも起こしたのか、キュッと目をつむって眉根をしかめた。
「ハル、返事は良いから。……ごめんね、しんどい時に」
オレの言葉に、ハルはかすかにほほ笑むと、荒い息の下、ささやくように言った。
「おか…え、り」
「うん。……ただいま」
オレは両手でハルの手を包み込んだ。
相変わらずに、ひんやりと冷たい手。細すぎる腕。
包み込むオレの手を、ハルが握り返してくれるのをかすかに感じた。
ごめんね、ハル、側にいられなくて。
オレ、何にも知らないで、のんきにメール送ってたよ。
本当にごめんね。
この三日間の自分に蹴りを入れたい気分だった。
「……カ、ナ」
「ん?」
「すぐ、……げん…きに、なる……から」
ハルはオレが落ち込んでいるのを分かってる。
ダメだ。
オレが気を遣われてどうする!?
「……ね、ハル、いっぱい笑える土産話あるよ? お土産も色々買ってきたよ」
オレがそう言うと、ハルはまたかすかにほほ笑んだ。
「早く元気になって、話聞いて? 土産も受け取ってね」
「……ん」
ハルはしんどそうで、それ以上話すこともなく、オレはただハルの手を握り続けた。
早く楽になるようにと、少しでも楽になるようにと、そう願いながら。
「叶太、ごめん。ちょっと不整脈が出てるから、悪いけど、ここまでにして」
気が付くと、後ろに裕也さんが立っていて、オレの肩に手を置いた。
「陽菜ちゃん、点滴、ひとつ増やすね」
はい、とハルは声を出さずに口を小さく動かした。
「ハル、また明日来るね」
オレはハルの髪をそっとなでると、後ろ髪を引かれまくりながら、ICUを後にした。
そうして、オレは決意を新たにした。
ハルに何かあった時に、絶対に、何があっても一番に連絡をもらえる地位についてやる、と。
いつでもどんな時でも、何よりもハルを一番に優先しても、誰にも文句を言われない地位についてやる、と。
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