84 / 151
14年目の永遠の誓い
10.第二関門、第三関門1
しおりを挟む
修学旅行の後、一旦回復して退院はしたものの、ハルの心臓の状態はなかなか落ちつかなかった。
ハルは手術と相性が悪くて、昔から手術の度に冗談抜きで死にかけている。だから、今回も投薬での治療を目指した。
けど、もう薬でのコントロールは限界と、十二月中旬、二学期の期末テストを保健室で受けた翌日、ハルは冬休みを待たずに入院し、数日後、開胸手術を受けた。
心臓手術の中では簡単なもので、手術も難なく成功したというのに、やはりハルは術後に感染症にかかって生死の境をさまよった。
オレはどんな日も毎日、ハルに会いに病院に通い、ハルを見舞った。
ハルが学校に戻れたのは、二月頭。
病院や療養中の自宅に、学校と連携した家庭教師が来てくれていたのもあり、留年の心配はなかった。しかも、そんな状態なのに相変わらずハルはオレより賢くて、正直、頭の中がどうなっているのか知りたいと思うくらいだった。
晩春から勉強していた投資は、初夏には実地訓練に入り、夏の終わりには本格投資を始めていた。
「資金は? 融資が必要なら……」
明兄は本気で、最短でオレを稼げるように仕込んでくれるつもりらしく、珍しく優しい事を口にした。
「元手ならあるから大丈夫。種から育てなくてもいけるよ」
父方の祖父の遺産という名の資金が、オレにはあった。
もちろん、自分の自由には使えない。事前に親父の許可は取ってある。
「面白い、やってみろ」
投資をやってみたいと言うと、親父は本気で愉しそうに笑った。
「……お前、才能あるぞ」
オレの運用状況をチェックしていた明兄に、着手半月目に言われた。
長い付き合いだけど、初めて、本気で明兄に褒められた。
かなりテンション上がった。
「こういうのはテクニックも大事だけど、最後は引きがあるかどうか。当たりくじを引き寄せる運があるかどうかだ。……お前には、それがある」
オレ、運は良い方なんだ。
任せてよっ!
といい気になったオレは、後から明兄の言葉の真意を聞いて、肝を冷やした。
明兄が失敗すると読んだ「良い勉強」になるはずだった幾つかの株が、逆に上がるという不思議な現象が起こっていたらしい。
話を聞いて改めて分析してみれば、確かにそれは手を出してはいけない銘柄だった。失敗していれば、資産は半分になるところが、何故か逆に五倍に跳ねていた。
オレはそれからも、似たような失敗……という名の成功を数回続けて、明兄を驚嘆させた。
「お前は本能で行け」
と言われたけど、いつまでもこれじゃ、いつか大失敗する気がして、オレは少しずつ慎重になっていった。
FXでは手堅く、米ドル。これ一本じゃないのもあり、他の通貨には手を出さない。
大きく損もしないけど、大きな儲けもない。低リスク低リターン。ただ、突っ込む金額を増やすと、自然と出てくる金額も大きくなる。
夜、他の投資の状況を確認する時間帯に片手間に売値、買値をチェックしながら、売買。低めで買って高めで売る、ただそれだけ。駆け引きも何もあったもんじゃない。
大きく場が動く必要はない。1円も動けばそれだけで、数万。一晩で五万、十万くらいは軽く稼げる。場が締まる土日を除いても、できる日しかしなくても、これだけで月百万は稼げた。
株のように大きくは出ないけど、小遣い稼ぎには悪くない。何より、夜中でも場の動きを見ながらできるのが良い。
不動産にも手を出した。
最初に投資が必要だけど、安定した収入を得ることができる。
駅から少し遠い不便な場所にある古いアパート2棟と隣の荒れ地を安く買い、間取りを大幅に変更。小さな子ども、ペット可、安全に遊べる共有の遊具付きの庭のあるコーポにフルリフォーム。
小学校、幼稚園、保育園にほど近いその物件は、入居者募集後すぐに満室になった。
家を建てるまでの間、マンションを買うまでの間、小さい子どもがいる間だけ住んでもらえたら十分。回転が良いのは悪いことじゃない。
元々空室が多かったのもあり、元の住人との交渉はスムーズにいった。引っ越し代金と次の物件の紹介と敷金・礼金の支払い。そして多少の違約金で気持ちよく転居してもらえた。
もちろん、自分で動いたりはしない。
高校生のオレに何ができる?
オレは頭を使い、稼いだ金を払う係。親父のコネをありがたく利用させてもらい、色んな人の力を借りた。
気が付けば、税金対策にと勧められ、株式会社のオーナーになっていた。
社員はオレ一人。オフィスはオレの自室。
何の自慢にもならないけど、冬休みが終わる頃には、いわゆるサラリーマンの生涯年収と言われる額は稼ぎ終わっていた。
投資中で手が着けられない金が幾らあっても仕方ない。それは、いつ失われてもおかしくない金だから。
こまめに現金は引き出しておいた。
家賃なんかは、純粋に収入だ。と言っても、元手がかかっているから、損益分岐点を超えるには数年かかる予定。
オレは始めた時と比べて桁違いに残高が増えた通帳を見て、ようやく動く時が来たと決意した。
◇ ◇ ◇
最初に向かったのは、一番味方になってくれそうなじいちゃんのところ。
「じいちゃん、オレ、ハルと結婚したい」
一月、雪が降りしきる中訪れたのは、じいちゃんちの応接室。
ハルは先週退院して、自宅療養中。とはいえ、隣のじいちゃんちにはいつ来るか分からないから、念のために、訪問は夜中にした。
「こんな時間に何かと思ったら、何を今更」
オレの台詞を聞いて、じいちゃんは、愉しげに笑った。
いけるっ!
じいちゃんは、オレがハルと結婚するのを当然だと思っている。
けど、続けて言った
「今度のハルの誕生日にプロポーズして婚約、八月のオレの誕生日に入籍って思ってるんだけど」
という言葉を聞いて、じいちゃんの動きがぴたりと止まった。
……あれ?
「カナくん、結婚自体は反対しない。……が、それはいくら何でも早すぎやしないか?」
じいちゃんは、まるで悪さをした小学生を諭すように、真顔で言った。
だけど、これは想定内の反応だ。オレは慌てず、何故こんな早くに結婚という形にしたのか、明兄に話したのと同じことを話す。
ハルが週の半分以上を一人で食事していること、夜間具合が悪くても誰にも言わずに我慢していること。
オレの話を聞いたじいちゃんは、苦悶の表情を浮かべた。
じいちゃんは、ハルにとことん甘い。じいちゃんの優しさにつけ込んでいる自覚はある。
「……うちで毎日、という訳にも、いかんだろうな」
そりゃ、ダメだろう。ってことは、じいちゃんも分かってる。
おじさんもおばさんも忙しくてなかなか一緒にいられないってだけで、ハルを心から愛している事には変わりない。
だからって、今日は自宅、明日はじいちゃんち……と言うのも微妙だ。
子どもの頃ならまだしも、家には沙代さんがいて美味しい料理を作ってくれるし、ハルと一緒には食べられなくても、遅い時間になればおじさんもおばさんもほぼ毎晩帰宅はするのだから。
「結婚さえしていたら、オレは毎日、ハルと夕飯食べられるし、夫婦なら同じ部屋で寝られる」
それでも、じいちゃんは迷っていた。
「せめて、大学卒業まで待てないのか?」
「待てない」
「……高校卒業までは?」
じいちゃん、切り替え早っ! 一気に四年短縮した。
けど、
「待てない」
そう、待てないんだ。待ちたくなんてないんだ。
「親のすねをかじっている子どもが、結婚というのはどうだろう?」
じいちゃん!
その台詞、待ってたよ!!
オレは持ってきた鞄からクリアファイルと通帳を取り出した。
「じいちゃん、これ、見て」
資産運用レポート、現在の預金残高を記帳した通帳を並べる。
「ん? なんだい?」
レポートを読み進めるじいちゃんの目が、やがて大きく見開かれた。
最後に通帳を開き、残高を確認すると、じいちゃんはオレに視線を移し、まじまじと見つめた。
「じいちゃん、オレ、ハルを養える男になったと思う」
だから、応援して……という言葉に、数分後、とうとうじいちゃんは頷いた。
ハルは手術と相性が悪くて、昔から手術の度に冗談抜きで死にかけている。だから、今回も投薬での治療を目指した。
けど、もう薬でのコントロールは限界と、十二月中旬、二学期の期末テストを保健室で受けた翌日、ハルは冬休みを待たずに入院し、数日後、開胸手術を受けた。
心臓手術の中では簡単なもので、手術も難なく成功したというのに、やはりハルは術後に感染症にかかって生死の境をさまよった。
オレはどんな日も毎日、ハルに会いに病院に通い、ハルを見舞った。
ハルが学校に戻れたのは、二月頭。
病院や療養中の自宅に、学校と連携した家庭教師が来てくれていたのもあり、留年の心配はなかった。しかも、そんな状態なのに相変わらずハルはオレより賢くて、正直、頭の中がどうなっているのか知りたいと思うくらいだった。
晩春から勉強していた投資は、初夏には実地訓練に入り、夏の終わりには本格投資を始めていた。
「資金は? 融資が必要なら……」
明兄は本気で、最短でオレを稼げるように仕込んでくれるつもりらしく、珍しく優しい事を口にした。
「元手ならあるから大丈夫。種から育てなくてもいけるよ」
父方の祖父の遺産という名の資金が、オレにはあった。
もちろん、自分の自由には使えない。事前に親父の許可は取ってある。
「面白い、やってみろ」
投資をやってみたいと言うと、親父は本気で愉しそうに笑った。
「……お前、才能あるぞ」
オレの運用状況をチェックしていた明兄に、着手半月目に言われた。
長い付き合いだけど、初めて、本気で明兄に褒められた。
かなりテンション上がった。
「こういうのはテクニックも大事だけど、最後は引きがあるかどうか。当たりくじを引き寄せる運があるかどうかだ。……お前には、それがある」
オレ、運は良い方なんだ。
任せてよっ!
といい気になったオレは、後から明兄の言葉の真意を聞いて、肝を冷やした。
明兄が失敗すると読んだ「良い勉強」になるはずだった幾つかの株が、逆に上がるという不思議な現象が起こっていたらしい。
話を聞いて改めて分析してみれば、確かにそれは手を出してはいけない銘柄だった。失敗していれば、資産は半分になるところが、何故か逆に五倍に跳ねていた。
オレはそれからも、似たような失敗……という名の成功を数回続けて、明兄を驚嘆させた。
「お前は本能で行け」
と言われたけど、いつまでもこれじゃ、いつか大失敗する気がして、オレは少しずつ慎重になっていった。
FXでは手堅く、米ドル。これ一本じゃないのもあり、他の通貨には手を出さない。
大きく損もしないけど、大きな儲けもない。低リスク低リターン。ただ、突っ込む金額を増やすと、自然と出てくる金額も大きくなる。
夜、他の投資の状況を確認する時間帯に片手間に売値、買値をチェックしながら、売買。低めで買って高めで売る、ただそれだけ。駆け引きも何もあったもんじゃない。
大きく場が動く必要はない。1円も動けばそれだけで、数万。一晩で五万、十万くらいは軽く稼げる。場が締まる土日を除いても、できる日しかしなくても、これだけで月百万は稼げた。
株のように大きくは出ないけど、小遣い稼ぎには悪くない。何より、夜中でも場の動きを見ながらできるのが良い。
不動産にも手を出した。
最初に投資が必要だけど、安定した収入を得ることができる。
駅から少し遠い不便な場所にある古いアパート2棟と隣の荒れ地を安く買い、間取りを大幅に変更。小さな子ども、ペット可、安全に遊べる共有の遊具付きの庭のあるコーポにフルリフォーム。
小学校、幼稚園、保育園にほど近いその物件は、入居者募集後すぐに満室になった。
家を建てるまでの間、マンションを買うまでの間、小さい子どもがいる間だけ住んでもらえたら十分。回転が良いのは悪いことじゃない。
元々空室が多かったのもあり、元の住人との交渉はスムーズにいった。引っ越し代金と次の物件の紹介と敷金・礼金の支払い。そして多少の違約金で気持ちよく転居してもらえた。
もちろん、自分で動いたりはしない。
高校生のオレに何ができる?
オレは頭を使い、稼いだ金を払う係。親父のコネをありがたく利用させてもらい、色んな人の力を借りた。
気が付けば、税金対策にと勧められ、株式会社のオーナーになっていた。
社員はオレ一人。オフィスはオレの自室。
何の自慢にもならないけど、冬休みが終わる頃には、いわゆるサラリーマンの生涯年収と言われる額は稼ぎ終わっていた。
投資中で手が着けられない金が幾らあっても仕方ない。それは、いつ失われてもおかしくない金だから。
こまめに現金は引き出しておいた。
家賃なんかは、純粋に収入だ。と言っても、元手がかかっているから、損益分岐点を超えるには数年かかる予定。
オレは始めた時と比べて桁違いに残高が増えた通帳を見て、ようやく動く時が来たと決意した。
◇ ◇ ◇
最初に向かったのは、一番味方になってくれそうなじいちゃんのところ。
「じいちゃん、オレ、ハルと結婚したい」
一月、雪が降りしきる中訪れたのは、じいちゃんちの応接室。
ハルは先週退院して、自宅療養中。とはいえ、隣のじいちゃんちにはいつ来るか分からないから、念のために、訪問は夜中にした。
「こんな時間に何かと思ったら、何を今更」
オレの台詞を聞いて、じいちゃんは、愉しげに笑った。
いけるっ!
じいちゃんは、オレがハルと結婚するのを当然だと思っている。
けど、続けて言った
「今度のハルの誕生日にプロポーズして婚約、八月のオレの誕生日に入籍って思ってるんだけど」
という言葉を聞いて、じいちゃんの動きがぴたりと止まった。
……あれ?
「カナくん、結婚自体は反対しない。……が、それはいくら何でも早すぎやしないか?」
じいちゃんは、まるで悪さをした小学生を諭すように、真顔で言った。
だけど、これは想定内の反応だ。オレは慌てず、何故こんな早くに結婚という形にしたのか、明兄に話したのと同じことを話す。
ハルが週の半分以上を一人で食事していること、夜間具合が悪くても誰にも言わずに我慢していること。
オレの話を聞いたじいちゃんは、苦悶の表情を浮かべた。
じいちゃんは、ハルにとことん甘い。じいちゃんの優しさにつけ込んでいる自覚はある。
「……うちで毎日、という訳にも、いかんだろうな」
そりゃ、ダメだろう。ってことは、じいちゃんも分かってる。
おじさんもおばさんも忙しくてなかなか一緒にいられないってだけで、ハルを心から愛している事には変わりない。
だからって、今日は自宅、明日はじいちゃんち……と言うのも微妙だ。
子どもの頃ならまだしも、家には沙代さんがいて美味しい料理を作ってくれるし、ハルと一緒には食べられなくても、遅い時間になればおじさんもおばさんもほぼ毎晩帰宅はするのだから。
「結婚さえしていたら、オレは毎日、ハルと夕飯食べられるし、夫婦なら同じ部屋で寝られる」
それでも、じいちゃんは迷っていた。
「せめて、大学卒業まで待てないのか?」
「待てない」
「……高校卒業までは?」
じいちゃん、切り替え早っ! 一気に四年短縮した。
けど、
「待てない」
そう、待てないんだ。待ちたくなんてないんだ。
「親のすねをかじっている子どもが、結婚というのはどうだろう?」
じいちゃん!
その台詞、待ってたよ!!
オレは持ってきた鞄からクリアファイルと通帳を取り出した。
「じいちゃん、これ、見て」
資産運用レポート、現在の預金残高を記帳した通帳を並べる。
「ん? なんだい?」
レポートを読み進めるじいちゃんの目が、やがて大きく見開かれた。
最後に通帳を開き、残高を確認すると、じいちゃんはオレに視線を移し、まじまじと見つめた。
「じいちゃん、オレ、ハルを養える男になったと思う」
だから、応援して……という言葉に、数分後、とうとうじいちゃんは頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~
美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。
貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。
そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。
紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。
そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!?
突然始まった秘密のルームシェア。
日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。
初回公開・完結*2017.12.21(他サイト)
アルファポリスでの公開日*2020.02.16
*表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
Blue Moon 〜小さな夜の奇跡〜
葉月 まい
恋愛
ーー私はあの夜、一生分の恋をしたーー
あなたとの思い出さえあれば、この先も生きていける。
見ると幸せになれるという
珍しい月 ブルームーン。
月の光に照らされた、たったひと晩の
それは奇跡みたいな恋だった。
‧₊˚✧ 登場人物 ✩˚。⋆
藤原 小夜(23歳) …楽器店勤務、夜はバーのピアニスト
来栖 想(26歳) …新進気鋭のシンガーソングライター
想のファンにケガをさせられた小夜は、
責任を感じた想にバーでのピアノ演奏の代役を頼む。
それは数年に一度の、ブルームーンの夜だった。
ひと晩だけの思い出のはずだったが……
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
ヤクザのせいで結婚できない!
山吹
恋愛
【毎週月・木更新】
「俺ァ、あと三か月の命らしい。だから志麻――お前ェ、三か月以内に嫁に行け」
雲竜志麻は極道・雲竜組の組長を祖父に持つ女子高生。
家柄のせいで彼氏も友達もろくにいない人生を送っていた。
ある日、祖父・雲竜銀蔵が倒れる。
「死ぬ前に花嫁姿が見たい」という祖父の願いをかなえるため、見合いをすることになった志麻だが
「ヤクザの家の娘」との見合い相手は、一癖も二癖もある相手ばかりで……
はたして雲竜志麻は、三か月以内に運命に相手に巡り合えるのか!?
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる